言葉って面白い!

この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

国民的な一日は?

2008年03月08日 | 日本人
横浜元町の商店街では、毎年この季節にセント・パトリックス・デイという祭りが催されます。
緑の衣装をつけたコンパニオンガールが緑色の風船を配っています。

セント・パトリックス・デイとは、アイルランドにキリスト教を広めた聖人聖パトリックの命日で、毎年3月17日です。
アイルランド出身の人にとっては、国民的な日だそうです。

どの国にも、この日はこの国にとって欠かせない、という重要な日があります。
アメリカでいえば、7月4日の独立記念日。
フランスだと、7月14日のパリ祭、革命記念日がそれに当たります。

「日本にはそういう national dayはあるの?」
外国の知人にそう聞かれて、しばらく考えてしまいました。
日本の「国民的な日」って…
アメリカの独立記念日に相当するものは建国記念日かもしれないけど、日本人はそこまで建国記念日を国民的な一日とは考えていないよなあ…。

で、結局考えついたのは、正月元日、new year's dayです。
「盆と正月」という言葉もあるように、この日は日本全国の人が仕事を休み、実家に帰り、来る年の幸福を祈って初詣に出ます。
近年でこそ元日から働く人も増えてきましたが、やはり国民的一日といえば、日本の場合は元日でしょう。

もともと正月元日は、春の第一日目を指していました。
季節めぐる国・日本。
中でも春の訪れは、一年の中で最も重要な意味を持ち、日本人はこの日を新年の始まりと位置づけました。

革命や独立や、あるいは偉人の誕生日が「国民の日」になる国々が多い中で、季節の変わり目を一番重要に考える日本。
そこにも、四季を大切にする国の価値観が表れているような気がします。






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1 コメント

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Unknown (雪)
2013-12-10 00:15:21
 言葉の意味について調べていて、こちらのブログにたどり着きました。とても興味深く、過去の記事を読ませて頂いているところです。

 ナショナル・デーについて気になっていることがあったのでコメントします。
 各国の大使館は通常一年に一度、各自のナショナル・デーにその国の政府関係者や外交団、かかわりの深い人々を招待してレセプションを開催します。アイルランドはセント・パトリックス・デーに、アメリカは独立記念日に(たいてい当日ではなく、その日の周辺ですが)。それでは海外にある日本大使館はというと、天皇誕生日に祝賀レセプションを開催しています。多くの日本人にとっては天皇誕生日は祝日のひとつ、という感覚で、他国と比べると、国をあげてのお祝い、という感じでもないなぁと思ったりします。筆者さんの仰るとおり、私もお正月・元旦が一番日本人らしいお祝いの日だと思うので、新年会のようなレセプションを開いて、ゲストに日本のお正月を体験してもらう、というのも面白いのでは、と、勝手に考えたりしています。

 また読ませて頂きます。更新を楽しみにしています。

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