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黒執事 StarRingSilver 白薔薇の揺り籠  エピソード13

2010-03-02 19:00:53 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。







■黒執事 StarRingSilver 白薔薇の揺り籠 エピソード13



在(あ)の日から何年が、経過(けいか)したのだろう──────── ロンドンの街は活気に満ちている。


柔(やわ)らかな陽射しを浴びて瞳(ひとみ)を細目て、セバスチャンは裏路地の小路(こみち)を歩き大通りへ。

街の表の大通りを行き交う人々は慌(あわ)ただしく誰一人、セバスチャンを気にする事なく通り過ぎて行く。

天使アッシュが放(はな)った大火(たいか)によりロンドンの街は、業火(ごうか)に包まれ炎上し破壊(はかい)尽(つ)くされたと言うのに、ロンドン市内は復興(ふっこう)し以前よりも生命を強く感じる。

テムズ河はロンドンの歴史を映し流れその袂(たもと)にロンドンの街の中心となるウェストミンスター宮殿は所在(しょざい)し時計台(ビック・ベン)の時計で、時刻(じこく)を確認しセバスチャンは燕尾服の上着の下に着たベストのポケットから、銀の懐中(かいちゅう)時計を取り出し懐中(かいちゅう)時計のぜんまいを巻き時刻(じこく)を合わせる。


懐中(かいちゅう)時計を開き見て居ると…‥



年若い女子がセバスチャンの名を呼んだ─────


「セバスチャン!?」


走り近づいて来る気配を感じ、セバスチャンは身を隠す。

金髪の美しい髪で肩にかかる長さで年若い女子は、紺の仕立(したて)の良いコートを羽織(はお)り上品な深緑のワンピースを着ている。

「ねぇ、ポーラ、確かに、セバスチャンだったのよ。」

「お嬢様──── 」

そう言うとエリザベスの侍女(じじょ)でポーラは辺りを見渡し気配(けはい)を、察(さっ)し様とするが人の気配(けはい)を感じない。

エリザベスは、セバスチャンの名を呼ぶ。

「見間違えたのかな?? でも、黒いコートに黒の燕尾服はセバスチャンだった。ここで、懐中(かいちゅう)時計を見ていたのよ。」

ポーラはエリザベスの、傍(そば)に近づいて来る。

「お嬢様、私は気づきませんでした。セバスチャンさんが居らしゃるなら、きっとシエル様もご一緒と言う事ですわ。」

「うん…‥ セバスチャン───── お願いだから~ シエルと私を逢わせて──── 」

エリザベスはそう言い呟(つぶや)き、淋(さみ)しげに瞳(ひとみ)を伏せて俯く。ポーラはエリザベスの肩をそっと両腕で包み込む様に抱き励ます。

「お嬢様がお会いしたい事をセバスチャンさんに、伝えられたのかも知れません。」

「ありがとう…‥ ポーラ。そうね、セバスチャンにきっと会える気がするわ。ホワイトローズに行きましょう。フィニとバルドが待ってるわ。」

そう言うと二人は来た裏路地の小路(こみち)を戻り、車へ戻って行った。

エリザベスとポーラが去って行ったのを、確認し姿を現し二人の後ろ姿を見送った。

(もし、坊ちゃんがお目覚めになられるとしたら…‥ 私の意思ではなく、坊ちゃんのご意思でレディーエリザベスに、お逢(あ)いしたいと申されたら──── お会(あ)い出来る事でしょう。)



セバスチャンが異府(いふ)から遥々(はるばる)とロンドンに来た理由は、ファントムハイヴ家の当主に代々(だいだい)引き継(つ)がれる指輪(ゆびわ)を取り戻しにロンドンにやって来た。

シエルにより与えられたこの手で、指輪を取り戻す。シエルに指輪(ゆびわ)を捧(ささ)げられるなら唯一(ゆいつ)の贖罪(しょくざい)となる。

異府(いふ)からロンドンに到着し迅速(じんそく)に調べた。指輪の在(あ)りかは判明した。

シエルが炎上したロンドンへ向かう為、船に乗船(じょうせん)し船乗りにロンドンへ船を接岸(せつがん)させる代価(だいか)として指輪(ゆびわ)を与(あ)えた事─────

暫(しばら)くはその船乗りが指輪(ゆびわ)を所有してから、不運なのか??災難(さいなん)??が次々と身に降り注(そそ)ぎ船乗りは余りにも恐ろしくなり占い師に相談をしたら…‥

占い師は船乗りにこう言った。

「そなたに降り注いだ災(わざわ)いの、元凶(げんきょう)はその指輪(ゆびわ)じゃ!! そう急に、売り払え!!」

指輪(ゆびわ)を売ると言っても船乗りは困り果(は)てて、占い師に指輪(ゆびわ)を無料で押し付けて帰って行った。

占い師は災(わざわ)いの元凶(げんきょう)は指輪(ゆびわ)と船乗りに言ったが、指輪(ゆびわ)は希少(きしょう)価値(かち)があり高価(こうか)な物と分かり、占い師は転売(てんばい)目的(もくてき)で船乗りから騙し取ったらしく占い師は宝石(ほうせき)商(しょう)に売った。

宝石(ほうせき)商(しょう)は滅多(めった)に巡(めぐ)り逢(あ)えない宝物(たからもの)に出会え喜んだが、今度はその宝石(ほうせき)商(しょう)に災(わざわ)いが降り懸(か)かる。

幾度(いくど)も指輪(ゆびわ)は所有(しょゆう)者を転々(てんてん)とし、騙(だま)し紛(まが)いの商法(しょうほう)で成金になった男が今、現在(げんざい)は指輪(ゆびわ)を所有して居て、度重(たびかさ)なる災(わざわ)いに恐怖(きょうふ)におののき転売相手を探して居るとの事でセバスチャンはその男から今晩に指輪(ゆびわ)を譲(ゆず)って貰う手配を済ませて来た。



まだ、約束の時間までたっぷりと余裕がある、エリザベスがフィニとバルドに会うと言って居たのであの二人が、何をして居るのも知る必要もあると判断しセバスチャンはエリザベスの行方を追った。




黒執事 StarRingSilver 白薔薇の揺り籠  エピソード14

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