もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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眩暈 (29) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編

2009-09-24 22:16:44 | 腐女子の御伴

         *ご注意*


*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*


一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。





眩暈 (28)







         眩暈 (29)


近衛に珈琲豆を挽いた分だけ珈琲を煎れる。近衛は片桐が煎れた珈琲を何杯も飽きる事なく飲み続けた。

「僕、好みな美味しい珈琲でした。こんなに飲んでも飽きずに飲んでしまう珈琲を煎れらる片桐さんはほんと素晴らしい。僕のお嫁さんにしてしまいたいぐらいです」

近衛は真顔で片桐を熱い眼差しで見つめるが当の本人である片桐は冗談と思い真剣に受け留めず相手にもせず、準備台に出してあるコーヒーの器具を片付け様とすると近衛は片桐に近寄り片桐の手を握りしめる。

「あの…近衛様??すみませんが手を放して頂けますか??」

「片付けなんて僕が後でやりますよ。片桐さんと是非、ゆっくとお話しをしたいのです。」

「ゆっくりと??ここでも大丈夫です。」

近衛は物思いに軽く溜息をつき片桐は不思議がり首を傾げる。

「ここでは、ゆっくりとお話しが出来ませんのでお礼を兼ねてこの近所に美味しいお蕎麦屋さんがありますからそちらで昼食を致しましょう。」

「民谷さんに言わないとダメです。許可なく外には…」

「民谷さんに片桐さんと今日の昼食を外でしたいと尋ねたら、片桐さんの返事次第でよいと許可を頂きましたのでご安心してください。」

「あの、お屋敷を出ると他の方に迷惑になり悪いですし申し訳ございませんが辞退を…」

片桐の言葉を最後まで聞き終わらない内に近衛は片桐の手をギュッと握り引っ張り歩こうとすると厨房と準備室の間の通路にメイドワンピースを着て眼鏡をした大磯が立っていた。

「近衛様、珈琲の煎れ方のご指導お疲れ様です。」

「民谷さんの許可は承知済みです。そこをどいて頂けるかな??」

「それは片桐さんが良ければとの場合ですよ… 私が少しでも目を離した隙に片桐さんにちょっかいを出すとはいくら近衛様でもそれは見逃す訳にはいけません。片桐さんの手を放しこのまま帰るなら許しますよ、近衛様。」

近衛と大磯は睨み合う… 近衛は片桐の手を握りしめたまま歩き出そうとすると大磯は後ろ手で厨房と準備室の間にある扉を閉めて鍵をかけた。

片桐は眼鏡をした大磯を初めて見る。そんな大磯の全身から醸し出される恐ろしいまでの得体の底知らない気魄だけで片桐は震えた。大磯が一歩踏み出すと近衛は後退をする…それを繰り返し近衛と片桐は壁に追い詰められた。

「片桐さん、私の方へいらしゃい。」

大磯は優しい声をかけニコリと片桐にいつもの様に優しく微笑みかけると片桐は安心した。近衛が僅かに油断した瞬間に手を振り解き大磯に抱きつかんばかりにしがみつくそんな片桐の肩を優しく撫でる大磯であった。

「僕は片桐さんに珈琲の煎れ方の指導を…」

「近衛様は指導と言う行為の名の元にセクハラをしただけですよ。私が何もかも知らないと思っていらしゃる様ですね。嫌がる片桐さんを連れ出そうとは断じて許しません。」

眼鏡の硝子が照明電気の明かりを浴びて鋭く一瞬光り眼鏡ごしの大磯の瞳は遊び道具としてか弱い無抵抗な獲物を捕らえた嗜虐な瞳。

大磯の冷徹無慈悲な声が響き渡る…

「さぁ、どう近衛様を処罰致しましょう??それなりのお覚悟をしてください。私は民谷さん程には甘くはございません。」

片桐はそんな大磯の瞳を見つめてその凍てつく様な射る眼差しを記憶の合間から思い出し立ちくらみ目眩をおこし倒れそうになるのを大磯が抱き支えた。

「片桐さん?!片桐さん!!」

片桐は全身に冷や汗をかき始め大磯が片桐の名を呼び身体を揺すっても返事もなく意識が朦朧としている。

準備室の扉の鍵が解除されて扉を開けて燕尾服を着た男性が準備室に入って来て大磯に声をかけた。

「大磯、そんなもんで止めとけ。」

大磯は滅多に慌てる事がないが取り乱し声の主の方に振り向き叫んだ。

「小田原さん、片桐さんが!!」

「おい、しっかりしろよ!!二人とも!!」

小田原と呼ばれた男性は片桐を抱き抱えた大磯の傍に走りかけ寄って来る。片桐は意識を取り戻し大磯の名を呼んだ。

「大磯、寝室に片桐さんを連れて行くぞ。」

「急いで支度を致します。」

大磯は駆け出し準備室を去って行く小田原は片桐を抱きかかえて近衛に声をかけた。

「緊急事態の為、失礼致します。片桐さんの事はご心配なくこのままお帰りください。」

そう小田原は近衛に告げると小田原も片桐を抱きかかえ足早に準備室を去って行った。近衛は緊迫感から解き放たれてその場にくたりと座り込み片桐を思うと悪い事をしてしまったと後悔をした。

近衛はせめてと思い準備室の準備台の後片付けをして民谷に自分が仕出かした行為を詫びて帰ろうと思いノロノロと力無く立ち上がり歩く。



眩暈 (30)

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