※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。
*シエルとエリザベスだけは成人して大人になってますが、他のキャラは以前の年齢のままですので宜しくお願い致しますm(__)m
挙式(きょしき)は始まり、神父が祝詞(しゅくじ)を述べる。エリザベスは沸き上がる怒りを堪(こら)えながら、囚(とら)われたポーラを思う。
「新郎と新婦は前に、こちらの婚姻(こんい)証に名前を。」
(助けて、シエル!!)
「どうした?? エリザベス?? 顔色が悪い。」
クリフトが心配げにエリザベスの顔を覗く。
「なんでも、ないわ。」
怒りと哀しみで震える声を押しころし、エリザベスは答えた。
挙式(きょしき)用の白い円形の台に、婚姻(こんい)証とペンが置かれていた。エリザベスはゆっくりと歩き、ペンに手を触れ様としたその瞬間に教会の扉が開かれた。
■黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、奪還(だっかん) (5)
教会内部の群衆はどよめき、扉を開けた人物を見ようと一斉(いっせい)に見た!!
エリザベスも振り返ると、自分と歳の変わらない青年が立ち────────── 見覚えのある優しい微笑を。
「シエル??」
白のワイシャツを着て首元に黒の細いリボンを飾りシルバーグレイの上質な生地で、仕立られた上下のスーツを身に纏(まと)い純白のコートを羽織(はお)って居る。
その姿は幼い時に見たファントムハイヴ家の先代の、シエルの父親の幻影と青年が重なり合う。
「リジー。」
数年ぶりに愛称を呼ばれる、リジーと呼んでいたのはシエルだけだった。そう、呼んで欲しいとねだった。
「遅いよ───────── 」
シエルは祭壇(さいだん)へと真っすぐに敷(し)かれた紅(あか)い絨毯(じゅうたん)の道をゆっくりと進み歩く。
エリザベスは泣き出し、シエルをただ見つめた。
「彼はロンドン炎上の時に、亡くなったはずだ。まさかエリザベスの為に、冥界(めいかい)から復活して来たのか??」
「僕が死んだっと?? 何処(どこ)に遺体(いたい)はあるのか??なら、証拠(しょうこ)を出して見せてみろ。」
「シエル、私はずっと貴方(あなた)を信じてた。」
そう言いながらもエリザベスは、瞳を曇らせ俯き大粒の泪(なみだ)をぽろぽろと流す。
「せっかく逢えたのに、リジー、可愛いレディーがこれでは意味がない。リジー、顔をあげてもっと見つめさせて。」
シエルはエリザベスを両腕で優しく包み込み様に、抱きしめ身体に宿(やど)るお互いの熱を確かめ合う。
「これで、僕だっとやっと分かったはずだな。」
「うん、シエル。」
「なら、ここに居る必要はない。」
どやどやと群衆(ぐんしゅ)を掻き分けて、クリフトの使用人達がシエルとエリザベスを取り囲む。そう、エリザベスとポーラを無理矢理に連れ去った主犯各の男とその男達だった。
黒のタキシード姿のクリフトのその後ろには、何度か顔を合わせた事のあるクリフトの両親とエリザベスの両親。
「エリザベス、心配したよ。ポーラさんに連れ去られたと、聞いてびっくりしたんだ。僕の家の使用人達が君を見つけて保護したと聞いた。体調が悪く挙式(きょしき)当日まで寝てたと、大丈夫かなと思った。」
「何を言うのよ!!ポーラを返して!!」
「ポーラさんが、幾ら君の侍女と言えどもやった事は犯罪だ。挙式(きょしき)が、終わったらスコットランドヤードに引き渡す。」
「私のタウンハウスに侵入し、私とポーラを力づくで連れ去ったクリフト貴方(あなた)の使用人達が犯罪者よ!!」
エリザベスの母親は黒のワンピースを身に纏(まと)い気高く凜(りん)としている。シエルに話しかける。
「お久しぶりですね。シエル。」
「お元気そうで、何よりです。」
「私は貴方(あなた)が帰って、来るとは思ってもませんでした。」
「フランシス叔母(おば)様、後ほどお会いしましょう。」
「えぇ。この非礼を詫びましょう。エリザベス、シエルと共にここから立ち去りなさい。私の眼が節穴(ふしあな)でした。新郎の家の者達が、この様な茶番劇を仕組んだとは。愚か者!!」
「お前達、なんて事をした。僕と両親を騙したな!!」
「金さえ頂ければおさらばだったのに!!お嬢様あんた俺との約束は忘れたか??お嬢様あんたの侍女は──────── 」
「シエル!! ポーラがポーラが!!」
「ポーラは僕の、マナーハウスに保護した。ポーラは無傷だ。」
「ほんとうに、シエルなの??」
「坊ちゃん。」
燕尾服に黒のコートを羽織(はお)ったセバスチャンが素早く、クリフトの使用人達に小型のダガーを急所を外し投げ命中させた。
そして…‥ シエルとセバスチャンも驚く人物が現れた!!
黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 (6)
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。
*シエルとエリザベスだけは成人して大人になってますが、他のキャラは以前の年齢のままですので宜しくお願い致しますm(__)m
挙式(きょしき)は始まり、神父が祝詞(しゅくじ)を述べる。エリザベスは沸き上がる怒りを堪(こら)えながら、囚(とら)われたポーラを思う。
「新郎と新婦は前に、こちらの婚姻(こんい)証に名前を。」
(助けて、シエル!!)
「どうした?? エリザベス?? 顔色が悪い。」
クリフトが心配げにエリザベスの顔を覗く。
「なんでも、ないわ。」
怒りと哀しみで震える声を押しころし、エリザベスは答えた。
挙式(きょしき)用の白い円形の台に、婚姻(こんい)証とペンが置かれていた。エリザベスはゆっくりと歩き、ペンに手を触れ様としたその瞬間に教会の扉が開かれた。
■黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 その執事、奪還(だっかん) (5)
教会内部の群衆はどよめき、扉を開けた人物を見ようと一斉(いっせい)に見た!!
エリザベスも振り返ると、自分と歳の変わらない青年が立ち────────── 見覚えのある優しい微笑を。
「シエル??」
白のワイシャツを着て首元に黒の細いリボンを飾りシルバーグレイの上質な生地で、仕立られた上下のスーツを身に纏(まと)い純白のコートを羽織(はお)って居る。
その姿は幼い時に見たファントムハイヴ家の先代の、シエルの父親の幻影と青年が重なり合う。
「リジー。」
数年ぶりに愛称を呼ばれる、リジーと呼んでいたのはシエルだけだった。そう、呼んで欲しいとねだった。
「遅いよ───────── 」
シエルは祭壇(さいだん)へと真っすぐに敷(し)かれた紅(あか)い絨毯(じゅうたん)の道をゆっくりと進み歩く。
エリザベスは泣き出し、シエルをただ見つめた。
「彼はロンドン炎上の時に、亡くなったはずだ。まさかエリザベスの為に、冥界(めいかい)から復活して来たのか??」
「僕が死んだっと?? 何処(どこ)に遺体(いたい)はあるのか??なら、証拠(しょうこ)を出して見せてみろ。」
「シエル、私はずっと貴方(あなた)を信じてた。」
そう言いながらもエリザベスは、瞳を曇らせ俯き大粒の泪(なみだ)をぽろぽろと流す。
「せっかく逢えたのに、リジー、可愛いレディーがこれでは意味がない。リジー、顔をあげてもっと見つめさせて。」
シエルはエリザベスを両腕で優しく包み込み様に、抱きしめ身体に宿(やど)るお互いの熱を確かめ合う。
「これで、僕だっとやっと分かったはずだな。」
「うん、シエル。」
「なら、ここに居る必要はない。」
どやどやと群衆(ぐんしゅ)を掻き分けて、クリフトの使用人達がシエルとエリザベスを取り囲む。そう、エリザベスとポーラを無理矢理に連れ去った主犯各の男とその男達だった。
黒のタキシード姿のクリフトのその後ろには、何度か顔を合わせた事のあるクリフトの両親とエリザベスの両親。
「エリザベス、心配したよ。ポーラさんに連れ去られたと、聞いてびっくりしたんだ。僕の家の使用人達が君を見つけて保護したと聞いた。体調が悪く挙式(きょしき)当日まで寝てたと、大丈夫かなと思った。」
「何を言うのよ!!ポーラを返して!!」
「ポーラさんが、幾ら君の侍女と言えどもやった事は犯罪だ。挙式(きょしき)が、終わったらスコットランドヤードに引き渡す。」
「私のタウンハウスに侵入し、私とポーラを力づくで連れ去ったクリフト貴方(あなた)の使用人達が犯罪者よ!!」
エリザベスの母親は黒のワンピースを身に纏(まと)い気高く凜(りん)としている。シエルに話しかける。
「お久しぶりですね。シエル。」
「お元気そうで、何よりです。」
「私は貴方(あなた)が帰って、来るとは思ってもませんでした。」
「フランシス叔母(おば)様、後ほどお会いしましょう。」
「えぇ。この非礼を詫びましょう。エリザベス、シエルと共にここから立ち去りなさい。私の眼が節穴(ふしあな)でした。新郎の家の者達が、この様な茶番劇を仕組んだとは。愚か者!!」
「お前達、なんて事をした。僕と両親を騙したな!!」
「金さえ頂ければおさらばだったのに!!お嬢様あんた俺との約束は忘れたか??お嬢様あんたの侍女は──────── 」
「シエル!! ポーラがポーラが!!」
「ポーラは僕の、マナーハウスに保護した。ポーラは無傷だ。」
「ほんとうに、シエルなの??」
「坊ちゃん。」
燕尾服に黒のコートを羽織(はお)ったセバスチャンが素早く、クリフトの使用人達に小型のダガーを急所を外し投げ命中させた。
そして…‥ シエルとセバスチャンも驚く人物が現れた!!
黒執事S.R.S. 白薔薇の花束 (6)