オジサマ専科 Vol.2 Memories母の手帳の設定を超改変してあります。なのでネタバレも含まれております。BOYSLOVEテイストにしてお届けなので、実際の商品とは一切何も関係ありません。もぐ菜は古川透CV:中田譲治しゃん推しなのでよろ。それと古川透氏は黒髪サラサラ和装で物静かな優しいアーカード様をイメージしてねんVv
gentleman's&boy(12)
朝食を終えて斉藤の車で自宅へ向かう。鼻唄まじりの上機嫌な斉藤を横目にし車窓から流れ移る街並みを眺めた。
ハンドルを握る斉藤を見つめると。
「何??」
「あっ、別に。」
「藤宮君に聞きたい事があるんだ。」
「はい。」
「君のお母さんは、旧姓は確か高山彩子さんだったよね?? 彩ちゃんは、俺達の高校野球部の、マネージャー補佐。ベンチ入りとはしてなかったけど、部室の掃除やユニフォームの洗濯してくれてたんだ。そう言う話しはお母さんから、聴いてたかな??」
「聴いてません。」
「君を見てるとね。想い出すんだ、彩ちゃんをさ。派手な女子ではない、割と地味な感じなんだけどガードが堅い子でね。まさに名前の通りの、難攻(なんこう)不落(ふらく)の高山だった。人気はあったよ。でもね、フラれた奴らは、皆、彩ちゃんにこう言われたんだ。野球してる人を応援するのが好きなんですっと。地味なんだけど、そこが安心感ある子だった。」
「確かに僕の、お母さんは派手な人ではないです。」
「感じの良い子だったよ。難攻(なんこう)不落(ふらく)の高山と呼ばれる、彩ちゃんと唯一(ゆいいつ付き逢ってたヤツが居るんだ。誰だっと思う??」
斉藤はニコッと笑う。藤宮はそんな斉藤を見つめ、空気を読んで答えれば斉藤だろうと。
「斉藤さんでしょ。」
「半分当たりかな、俺と透だよ。彩ちゃんが透とも付き逢ってた事を俺が知ったのは、高校卒業する一ヶ月前だった。松も知らないんだからなぁ。彩ちゃんが俺の大本命で校内で噂にならない様に、カモフラージュして付き逢ってた。彩ちゃん的には俺は透のチームメートで、お友達としてと思ってたみたい。彼女素直でさ、誤解させてた事を俺に謝ってさ。好きだったんだ。誰にも彩ちゃんを渡したくないと思って──────── 彩ちゃんを抱いた…… 好きだったんだ。彩ちゃんが好きなのは、今も嘘じゃないんだ。」
「お母さん、二股(ふたまた)してたんですか?!」
藤宮は斉藤の言葉を聴きギョッとし驚く。
「後々、考えると俺が勘違い野郎だっただけ。彩ちゃんを傷付けて、土下座して謝った。口も聞いてくれないし、目も合わしてくれなかった。俺と透が高校を卒業する一週間前に、彩ちゃんが家族と共に引っ越したんだ。引っ越しの理由も未(いま)だに分からない。」
「透さんにも、同じ事を聴かれました。僕が物心付いた時に、お父さんを事故で亡くしました。お父さんが亡くなった時に、お母さんは東京に戻りたいとお父さん方の両親と揉めたみたい。お父さんには弟さんが居たけど、女の子ばかりの子供しか居ないので藤宮家の唯一(ゆいいつ)の男子である僕を地元で育てたいと。弟さんの奥さんは、その後、男の子を産んだけど、お父さんの両親いわく長男の息子は僕で大事には育てられたと思う。後、お母さんは、高校野球が好きでした。」
「彩ちゃんを甲子園球場へ連れて行ってあげたかった。後、一歩で負けちゃったけどね。忘れないもんさ。あの時の事を、今でも夢に見るよ。あの瞬間を。」
ハンドルを握る斉藤の手が強く強張る。
「お母さんと僕は同じ血液型なんです。お母さんが、亡くなる前に僕に言い残した言葉は─────── 」
アナタの本当の、お父さんは別の男性。お母さん、お父さんと結婚する前に好きな人と付き逢ってたの。お母さんの両親の家庭内の事情で、こっちに戻って来たけど大好きだった。
お父さんは良い人だったけど、透さんと剛さんは今も大好きだもん。 透さん、剛さんと同時期に関係を持ってしまい、DNA検査しないと悠紀は、どっちの人が父親なのか分からない。
お母さんの両親の家庭内の事情で家族と共に突然、引っ越しして姿を消してしまった事を謝りたいの。 お母さんの変わりに、透さん、剛さん、そして、松さんと一緒に夏の高校野球の開会式に行って欲しい。
私の変わりで悪いけど、お母さんの夢を叶えて欲しいの。お父さんが事故で亡くなった時に、東京へ戻ろうとしたらね。お父さんの両親に、引き留められてしまい戻れ無かった。
だから、お願い─────── お母さんの夢を叶えて。
僕はあの日、あの時に気丈(きじょう)な母親の泣き顔を初めて見た。僕は昔から泣き虫でよく泣いたけど、お母さんは弱音を言わない人だった。
gentleman&boy(13)
gentleman's&boy(12)
朝食を終えて斉藤の車で自宅へ向かう。鼻唄まじりの上機嫌な斉藤を横目にし車窓から流れ移る街並みを眺めた。
ハンドルを握る斉藤を見つめると。
「何??」
「あっ、別に。」
「藤宮君に聞きたい事があるんだ。」
「はい。」
「君のお母さんは、旧姓は確か高山彩子さんだったよね?? 彩ちゃんは、俺達の高校野球部の、マネージャー補佐。ベンチ入りとはしてなかったけど、部室の掃除やユニフォームの洗濯してくれてたんだ。そう言う話しはお母さんから、聴いてたかな??」
「聴いてません。」
「君を見てるとね。想い出すんだ、彩ちゃんをさ。派手な女子ではない、割と地味な感じなんだけどガードが堅い子でね。まさに名前の通りの、難攻(なんこう)不落(ふらく)の高山だった。人気はあったよ。でもね、フラれた奴らは、皆、彩ちゃんにこう言われたんだ。野球してる人を応援するのが好きなんですっと。地味なんだけど、そこが安心感ある子だった。」
「確かに僕の、お母さんは派手な人ではないです。」
「感じの良い子だったよ。難攻(なんこう)不落(ふらく)の高山と呼ばれる、彩ちゃんと唯一(ゆいいつ付き逢ってたヤツが居るんだ。誰だっと思う??」
斉藤はニコッと笑う。藤宮はそんな斉藤を見つめ、空気を読んで答えれば斉藤だろうと。
「斉藤さんでしょ。」
「半分当たりかな、俺と透だよ。彩ちゃんが透とも付き逢ってた事を俺が知ったのは、高校卒業する一ヶ月前だった。松も知らないんだからなぁ。彩ちゃんが俺の大本命で校内で噂にならない様に、カモフラージュして付き逢ってた。彩ちゃん的には俺は透のチームメートで、お友達としてと思ってたみたい。彼女素直でさ、誤解させてた事を俺に謝ってさ。好きだったんだ。誰にも彩ちゃんを渡したくないと思って──────── 彩ちゃんを抱いた…… 好きだったんだ。彩ちゃんが好きなのは、今も嘘じゃないんだ。」
「お母さん、二股(ふたまた)してたんですか?!」
藤宮は斉藤の言葉を聴きギョッとし驚く。
「後々、考えると俺が勘違い野郎だっただけ。彩ちゃんを傷付けて、土下座して謝った。口も聞いてくれないし、目も合わしてくれなかった。俺と透が高校を卒業する一週間前に、彩ちゃんが家族と共に引っ越したんだ。引っ越しの理由も未(いま)だに分からない。」
「透さんにも、同じ事を聴かれました。僕が物心付いた時に、お父さんを事故で亡くしました。お父さんが亡くなった時に、お母さんは東京に戻りたいとお父さん方の両親と揉めたみたい。お父さんには弟さんが居たけど、女の子ばかりの子供しか居ないので藤宮家の唯一(ゆいいつ)の男子である僕を地元で育てたいと。弟さんの奥さんは、その後、男の子を産んだけど、お父さんの両親いわく長男の息子は僕で大事には育てられたと思う。後、お母さんは、高校野球が好きでした。」
「彩ちゃんを甲子園球場へ連れて行ってあげたかった。後、一歩で負けちゃったけどね。忘れないもんさ。あの時の事を、今でも夢に見るよ。あの瞬間を。」
ハンドルを握る斉藤の手が強く強張る。
「お母さんと僕は同じ血液型なんです。お母さんが、亡くなる前に僕に言い残した言葉は─────── 」
アナタの本当の、お父さんは別の男性。お母さん、お父さんと結婚する前に好きな人と付き逢ってたの。お母さんの両親の家庭内の事情で、こっちに戻って来たけど大好きだった。
お父さんは良い人だったけど、透さんと剛さんは今も大好きだもん。 透さん、剛さんと同時期に関係を持ってしまい、DNA検査しないと悠紀は、どっちの人が父親なのか分からない。
お母さんの両親の家庭内の事情で家族と共に突然、引っ越しして姿を消してしまった事を謝りたいの。 お母さんの変わりに、透さん、剛さん、そして、松さんと一緒に夏の高校野球の開会式に行って欲しい。
私の変わりで悪いけど、お母さんの夢を叶えて欲しいの。お父さんが事故で亡くなった時に、東京へ戻ろうとしたらね。お父さんの両親に、引き留められてしまい戻れ無かった。
だから、お願い─────── お母さんの夢を叶えて。
僕はあの日、あの時に気丈(きじょう)な母親の泣き顔を初めて見た。僕は昔から泣き虫でよく泣いたけど、お母さんは弱音を言わない人だった。
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