もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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黒執事 StarRingSilver 白薔薇の揺り籠  エピソード26

2010-03-18 21:59:35 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事を基に、二次創作として執筆しております。
一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。
その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。






■黒執事 StarRingSilver 白薔薇の揺り籠 エピソード26



フレイアは頭(こうべ)を上げると、挨拶をシエルに始めた。

「シエル様との謁見(えっけん)を、光栄に存じます。」

目の前に居るフレイアを、見つめシエルは言う。

「謁見(えっけん)とは、仰々(ぎょうぎょ)しいと言おうか。僕がシエル、ファントムハイヴだ。僕の執事である、セバスチャンを余り手間(てま)取らせるな。」

フレイアはシエルの言葉を聴き、ニコリと笑う。

「お言葉を、慎(つつし)んでお受け致します。」

セバスチャンとフレイアの後方に遠慮(えんりょ)気味に居るメイリンが気になり、シエルはベッドから足を降ろす。セバスチャンはシエルにルームシューズを履かせた。

床に足を着けてシエルは腰掛けて居たベッドから、ゆっくりと立ち上がり後方に居るメイリンの元に歩く。

「坊ちゃん。」

メイリンは泣き出した。シエルが永久(とわ)の眠りから目覚める可能性はないと、セバスチャンから聞かされた時は余(あま)りにもショックでその場で倒れ込み寝込んでしまった。

シエルが永久(とわ)の眠りから目覚め、再会を果たせメイリンはそれだけで嬉しい。


「メイリン、良く来てくれた。」

シエルは右手を差し出すと、お互いの手を堅く握り合う。

「坊ちゃんから、戴いた眼鏡(めがね)を私は、何処(どこ)かに無くしてしまいましただ。」

「眼鏡(めがね)か…… 眼鏡(めがね)はもう必要ないだろ??そんな事で、僕はメイリンを咎(とが)めたりはしない。眼鏡(めがね)をしてない方が良いと思うが、セバスチャン。」

手を離すし後ろを振り向くとセバスチャンとフレイアは立ち上がっており、メイリンを見つめながらシエルに返答をした。

「坊ちゃんと、同様の意見でございます。」

「眼鏡(めがね)?? メイリンに、必要な物ですか。」


フレイアは眼鏡(めがね)と聞き、興味津々(きょうみしんしん)であるがまた厄介(やっかい)な事を、フレイアが仕出(しで)かそうなので敢(あ)えて返答はしないシエルとセバスチャン。

「それと───── セバスチャン、此処(ここ)は人間界ではないな?? 」

シエルに返答をするセバスチャン。

「はい、異府(いふ)と私達はそう喚んでおります。人間界とは異なる世界で、私達の様(よう)な者が住まう世界です。人間の言う冥界(めいかい)とは、異なりますね。」

「と言う事は、フレイアは人間ではないのか。」
フレイアをしげしげとシエルは見て言うと、フレイアは平然(へいぜん)と述(の)べた。

「人の形はしておりますが、私は人間でも悪魔ではございませんよ。」

シエルは窓辺に近寄り、見渡(みわた)しの眺(なが)めの良い窓から景色(けしき)を見る。

「リジー……‥ もし──── 逢えるのなら、いつかは会おう。」

許婚(いいなずけ)である、エリザベスの名をシエルはせつなげに呟(つぶや)くと瞳(ひとみ)を祈る様に伏せた。




「坊ちゃん。」

セバスチャンに名を呼ばれ、伏(ふ)せた瞳(ひとみ)を開けて後ろを振り返る。

「あぁ、後悔はしてない。セバスチャンお前と、出会った日に僕が統(す)べて決めた事だ。」

「イエスマイロード。」

「以心伝心(いしんでんしん)ですね。」

フレイアは、シエルとセバスチャンを交互(こうご)に見つめ笑う。


窓辺のシエルにセバスチャンが近寄って来て、シエルを軽く抱きかかえる。

「では、坊ちゃん。お目覚めに、なられたのですからご入浴を致しましょう。」

「入浴は良い。僕には特別な用事はないだろう。」

「いいえ、幾(いく)ら、人間界ではないと言われても、就寝の衣服で怠(なま)けて過ごされては困ります。」

「頑固だな。入浴室に僕を連れて行け。」

「御意。では、入浴室にご案内を致します。」

抱きかかえたシエルを見つめ、セバスチャンはニコリと笑うと、いつもの表情に戻りメイリンとフレイアの方を向き指示を出す。

「メイリンはベッドのリネン交換と部屋の掃除を、フレイアはそのワゴンを厨房(ちゅぼう)へ片付けなさい。」

「はいですだ。」

「御意。」

「いちいち、フレイア、私を真似(まね)なくっても良いです。」


そう言うと颯爽(さっそう)と、セバスチャンはシエルを抱きかかえシエルの寝室から出て行った。


「あぁも、変貌(へんぼう)をするとは、思いもしませんでしたよ。シエル様もまた大変な悪魔に、愛されてしまったと言う事ですねぇ。では、セバスチャンの指示通りに、片付けますかね。」

そう言うとワゴンを押しフレイアは、意気揚々(いきようよう)と悪魔で友人が元気になった事を喜んで居る。


「はいですだ。」

メイリンはフレイアに返事をし、ベッドのリネン交換を始める。

フレイアはワゴンを押しながら、シエルの寝室を出て行った。




黒執事 StarRingSilver 白薔薇の揺り籠  エピソード27

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