会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 1391

2017-04-14 23:43:42 | Weblog
会津八一に関するブログ 306

「大和路」(堀辰雄)と会津八一11 2012・12・29(土)

 「十月二十六日、斑鳩の里にて」では鹿鳴集の歌が引用される。
 「・・・・僕は法隆寺へゆく松並木の途中から、村のほうへはいって、道に迷ったように、わざと民家の裏などを抜けたりしているうちに、夢殿の南門のところへ出た。そこでちょっと立ち止まって、まんまえの例の古い宿屋をしげしげと眺め、それから夢殿のほうへ向った。
 夢殿を中心として、いくつかの古代の建物がある。ここいらは厩戸皇子(うまやどのおうじ)の御住居のあとであり、向うの金堂(こんどう)や塔などが立ち並んでおのずから厳粛な感じのするあたりとは打って変って、大いになごやかな雰囲気を漂わせていてしかるべき一廓(いっかく)。・・・・
 そこで僕はときどきその品のいい八角形をした屋根を見あげ見あげ、そこの小ぢんまりとした庭を往ったり来たりしながら、

  ゆめどのはしづかなるかなものもひに
           こもりていまもましますがごと      解説

  義疏(ぎそ)のふでたまたまおきてゆふかげに
            おりたたしけむこれのふるには    解説

 そんな「鹿鳴集」の歌などを口ずさんでは、自分の心のうちに、そういった古代びとの物静かな生活を蘇よみがえらせてみたりしていた。


 八一の夢殿の歌は以下もある。

  あめつち に われ ひとり ゐて たつ ごとき
        この さびしさ を きみ は ほほゑむ
   解説