会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 2599

2019-07-31 18:53:32 | Weblog
会津八一に関するブログ 1109 

春日野・第5首(会津八一)  2019・7・31(水)  歌の解説 

 十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生にて近く入営せむとするもの多く感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひて(第5首)

  うつしみ は いづく の はて に くさ むさむ 
         かすが の のべ を おもひで に して


 「くさむさむ」とはよく歌われた「海ゆかば」にある「草生(む)す屍」のことである。     

会津八一 2598

2019-07-30 19:05:53 | Weblog
会津八一に関するブログ 1108 

春日野・第4首(会津八一)  2019・7・30(火)  歌の解説 

 十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生にて近く入営せむとするもの多く感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひて(第4首)

  ちはやぶる かみ の みやゐ に たらちね と 
          ぬかづく みれば ふるさと おもほゆ 


 お参りする親子の姿から、故郷新潟で共に過ごした両親との事を想う。

会津八一 2597

2019-07-29 18:53:26 | Weblog
会津八一に関するブログ 1107 

春日野・第3首(会津八一)  2019・7・29(月)  歌の解説  

 十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生にて近く入営せむとするもの多く感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひて(第3首)

  かすがの の かみ の やしろ に たらちね と 
         たづさはり きて ひと の をろがむ


 春日大社にお参りする両親と息子の姿だろう。

会津八一 2596

2019-07-28 19:02:51 | Weblog

会津八一に関するブログ 1106 

春日野・第2首(会津八一)  2019・7・28(日)  歌の解説  

 十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生にて近く入営せむ とするもの多く感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひて(第2首)

  いにしへ の おほみいくさ に いでましし 
         かみ の やしろ と をろがみ たつ も


 出征する学生はまず春日大社で戦いでの武運を。

会津八一 2596

2019-07-27 18:56:05 | Weblog
会津八一に関するブログ 1105 

春日野・第1首(会津八一)  2019・7・27(土)  歌の解説 

 十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生にて近く入営せむとするもの多く感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひて(第1首)

  いで たたむ いくひ の ひま を こぞり きて 
         かすが の のべ に あそぶ けふ かな


 「・・・そのこころを思ひて」に八一の教え子たちを思う心が凝縮している。戦局悪化によりこの年(1943年・昭和18年)10月1日、当時の東條内閣は学徒出陣を決めた。その学生たちとの別れの奈良旅行である。

会津八一 2595

2019-07-26 19:50:46 | Weblog
会津八一に関するブログ 1104 

山光集・春日野・7首(会津八一) 2019・7・26(金)  
                 
春 日 野  昭和十八年十一月

「学徒出陣が始まり、次々と教え子が戦場に向かう時、学生を連れた最後の奈良旅行を行った。春日野7首からはじまり50首詠む。春日野は出征する学生たちの心を思って作られた。その時の様子はこの旅行に参加した植田重雄の“最後の奈良見学旅行”(秋艸道人会津八一の學藝)に詳しい」
1 十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生にて近く入営せむとするもの多く  感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひて(第1首)
    いで たたむ いくひ の ひま を こぞり きて 
          かすが の のべ に あそぶ けふ かな  

2 十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生にて近く入営せむ とするもの多  く感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひて(第2首)
    いにしへ の おほみいくさ に いでましし 
          かみ の やしろ と をろがみ たつ も
   
3 十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生にて近く入営せむとするもの多く  感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひて(第3首)
    かすがの の かみ の やしろ に たらちね と 
          たづさはり きて ひと の をろがむ   

4 十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生にて近く入営せむとするもの多く  感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひて(第4首)
    ちはやぶる かみ の みやゐ に たらちね と 
          ぬかづく みれば ふるさと おもほゆ  

5 十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生にて近く入営せむとするもの多く  感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひて(第5首)
    うつしみ は いづく の はて に くさ むさむ 
          かすが の のべ を おもひで に して 

6 十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生にて近く入営せむとするもの多く  感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひて(第6首)
    かすがの の こぬれ の もみぢ もえ いでよ 
          また かへらじ と ひと の ゆく ひ を
 
7 同じ日ひとり春日の森にて
    かすがやま しみ たつ すぎ の なかぞら に 
          こゑ はるか なる とび の ひとむら 


会津八一 2594

2019-07-25 20:53:32 | Weblog

会津八一に関するブログ 1103 

海 上・第5首(会津八一)  2019・7・25(木)  歌の解説 

十一月十日学生を伴ひ奈良に向ふとて汽車の窓より東方の海上を望みて(第5首)

    ひのもと は かみ の もる くに みほとけ の 
                 しき ます くに と やくも たつ らし


 戦争を擁護、賛美することは仕方なかっただろうが、歌としての価値は無い。

会津八一 2593

2019-07-24 19:04:21 | Weblog
会津八一に関するブログ 1102 

海 上・第4首(会津八一)  2019・7・24(水)  歌の解説 

十一月十日学生を伴ひ奈良に向ふとて汽車の窓より東方の海上を望みて(第4首)

    ひさかたの みそら はるけく あもり きて  
                 うましし くに を まもら ざらめ や


 敗色濃い現状では、戦争を謳歌する歌人ではなかった八一ですら、こう詠う。 

会津八一 2592

2019-07-23 22:53:08 | Weblog
会津八一に関するブログ 1101 

海 上・第3首(会津八一)  2019・7・23(火)  歌の解説  

十一月十日学生を伴ひ奈良に向ふとて汽車の窓より東方の海上を望みて(第3首)

    かき たらす かみ の ぬぼこ の ね も さやに 
                 なり いで に けむ あきつしまやま


 第2首に続いて国生みの神話から詠む。

会津八一 2591

2019-07-22 22:10:16 | Weblog
会津八一に関するブログ 1100 

海 上・第2首(会津八一)  2019・7・22(月)  歌の解説

十一月十日学生を伴ひ奈良に向ふとて汽車の窓より東方の海上を望みて(第2首)

    わたつみ の そこ つ いはね の しほざゐ に  
                 かみ の うましし あきつしまやま
 

 神が生んだこの国を守ると願う心で詠むが、本心はどうだっただろう?

 (パソコン不調のため場合によっては中断になるかもしれません) 

会津八一 2590

2019-07-20 23:50:45 | Weblog
会津八一に関するブログ 1099 

海 上・第1首(会津八一)  2019・4・14(日)  歌の解説 

十一月十日学生を伴ひ奈良に向ふとて汽車の窓より東方の海上を望みて(第1首)

    おき つ なみ しろむ を みれば うなばら に 
                 くに うまし けむ かみ の よ を おもふ


 敗色濃い時代(1943年5月の学徒出陣はそれを示している)の影響を受け、国と民族への思いがこの歌を詠わせた。

   (パソコン不調のため場合によっては中断になるかもしれません)  

会津八一 2589

2019-07-19 23:08:42 | Weblog
会津八一に関するブログ 1098 

山光集・海上・5首(会津八一) 2019・7・19(金) 
 
 会津八一 山光集・海上(五首)
                昭和十八年十一月
「学徒出陣が始まり、次々と教え子が戦場に向かう時、学生を連れた最後の奈良旅行を行った。この時、“海上”から“明王院”55首を詠む。八一は戦争を謳歌する歌人ではなかったが、ただこの“海上”は時代の影響を大きく受けている」
1 十一月十日学生を伴ひ奈良に向ふとて汽車の窓より東方の海上を望みて(第1首)
    おき つ なみ しろむ を みれば うなばら に 
                 くに うまし けむ かみ の よ を おもふ 
2 十一月十日学生を伴ひ奈良に向ふとて汽車の窓より東方の海上を望みて(第2首)
    わたつみ の そこ つ いはね の しほざゐ に  
                 かみ の うましし あきつしまやま 
3 十一月十日学生を伴ひ奈良に向ふとて汽車の窓より東方の海上を望みて(第3首)
    かき たらす かみ の ぬぼこ の ね も さやに 
                 なり いで に けむ あきつしまやま 
4 十一月十日学生を伴ひ奈良に向ふとて汽車の窓より東方の海上を望みて(第4首)
    ひさかたの みそら はるけく あもり きて  
                 うましし くに を まもら ざらめ や 
5 十一月十日学生を伴ひ奈良に向ふとて汽車の窓より東方の海上を望みて(第5首)
    ひのもと は かみ の もる くに みほとけ の 
                 しき ます くに と やくも たつ らし 

会津八一 2588

2019-07-18 20:14:02 | Weblog
会津八一に関するブログ 1097

芝 草・第6首(会津八一)  2019・4・19(金)  歌の解説 

  くりやべ は こよひ も ともし ひとつ なる 
              りんご を さきて きみ と わかれむ 


 たった一つの林檎を別れのために2人で食べた。別れの深い悲しさが伝わってくる。  (芝草6首を終わる)

会津八一 2587

2019-07-17 20:06:43 | Weblog
会津八一に関するブログ 1096

芝 草・第5首(会津八一)  2019・7・17(水)  歌の解説 

  わが ふみ を たづさへ ゆきて たたかひ の 
               ひま に よむ とふ あらき はまべ に 
    

 歌集・鹿鳴集を携えて戦場に赴いた教え子、八一の感動が伝わる。

会津八一 2586

2019-07-15 18:53:48 | Weblog
会津八一に関するブログ 1095

芝 草・第4首(会津八一)  2019・7・15(月)  歌の解説 

  ことあげ せず いで たつ こころ ひたぶるに 
               わが おほきみ に しなむ と す らむ

 
 「我が大君に死なむ」、当時の言葉だが今から見れば空疎な言葉だ。

明日第3火曜日は休みます