会津八一 657 2015-02-28 20:50:11 | Weblog やがて紀元節も近づきければ古事記の 中巻なる神武天皇の条を読みて(第1首) 解説 うさつひこ とのづくり して をろがみし おほき ひかり の きはまり しらず (宇沙都比古殿造りしてをろがみし大き光の極まりしらず )
会津八一 656 2015-02-27 20:01:12 | Weblog またあるあした(第3首) 解説 あをぞら の かぜ さむ からし まくらべ の まど の たかき を あかき くも ゆく (青空の風寒からし枕辺の窓の高きを赤き雲ゆく )
会津八一 655 2015-02-26 19:58:16 | Weblog またあるあした(第2首) 解説 まくらべ に しひ の こずゑ を こぼれ いる あさひ まぶし と きぬ かつぎ ねつ (枕辺に椎の梢をこぼれいる朝日まぶしと衣かつぎ寝つ )
会津八一 654 2015-02-25 20:34:39 | Weblog またあるあした(第1首) 解説 ひともと の しひ の しづえ に ひかげ さす まど に そむきて あさ を ね に けり (一本の椎の下枝に日影さす窓に背きて朝を寝にけり )
会津八一 653 2015-02-24 20:55:06 | Weblog また東大寺の海雲師はあさなあさなわがために二月堂の千手観音に 祈誓をささげらるるといふに(第2首) 解説 みほとけ の あまねき みて の ひとつ さへ わが まくらべ に たれさせ たまへ (み仏のあまねきみ手の一つさへわが枕辺にたれさせ給へ )
会津八一 652 2015-02-22 22:53:33 | Weblog また東大寺の海雲師はあさなあさなわがために二月堂の千手菩薩に 祈誓をささげらるるといふに(第1首) 解説 あさ さむき をか の みだう に ひれふして ずず おしもむ と きく が かなしさ (朝寒き岡のみ堂に平伏して数珠押し揉むと聞くがかなしさ)
会津八一 651 2015-02-20 20:04:44 | Weblog 正月十日奈良新薬師寺にて我がために息災の護摩を いとなまんとすと聞えければ(第2首) 解説 もえ さかる ごま の ひかり に めぐり たつ 十二 の やしや の かげ をどる みゆ (燃え盛る護摩の光にめぐり立つ十二の夜叉の影踊る見ゆ) ーーー明日は休みますーーー
会津八一 650 2015-02-19 20:15:54 | Weblog 正月十日奈良新薬師寺にて我がために息災の護摩を いとなまんとすと聞えければ(第1首) 解説 さち あれ と はるかに なら の ふるてら に たく なる ごま の われ に みえ く も (幸あれとはるかに奈良の古寺に焚くなる護摩の我に見えくも)
会津八一 649 2015-02-18 19:56:11 | Weblog 中耳炎を発して読書談話を禁制せらるることまた久しきに(第4首) 解説 もの もはぬ つぼ に あり とも あさゆふ に ひと の てふれ に なる とふ もの を (もの思はぬ壺にありとも朝夕に人の手触れになるとふものを)
会津八一 648 2015-02-16 20:35:02 | Weblog 中耳炎を発して読書談話を禁制せらるることまた久しきに(第3首) 解説 わが こころ ましろき つぼ の もの もはず おと なき ごとく あり かつ ましじ (我が心真白き壺のもの思はず音無きごとくありかつましじ) ーーー明日は休みますーーー
会津八一 647 2015-02-15 21:30:43 | Weblog 中耳炎を発して読書談話を禁制せらるることまた久しきに(第2首) 解説 もの よみ そ もの な かたり そ もの もひ そ こころ かそけく こもらせ と こそ (もの読みそものな語りそもの思ひそ心かそけく籠らせとこそ)
会津八一 646 2015-02-14 20:37:00 | Weblog 中耳炎を発して読書談話を禁制せらるることまた久しきに(第1首) 解説 わが みみ の そこ の ただれ を ゆゆしみ と くすし の こと の あまた かなし も (我が耳の底のただれをゆゆしみと薬師の言のあまた悲しも)
会津八一 645 2015-02-13 20:45:03 | Weblog 十一月二十一日奈良より帰り來りその夜より病みふして立つ 能はざること五箇月に及べりそのいとまいとまに詠める歌(第6首) 解説 うつしみ は まもらひ ゆかむ いまだ よ に なす べき こと の あり と に か あらむ (うつしみは守らひゆかむ未だ世になすべきことのありとにかあらむ)
会津八一 644 2015-02-12 20:33:46 | Weblog 十一月二十一日奈良より帰り來りその夜より病みふして立つ 能はざること五箇月に及べりそのいとまいとまに詠める歌(第5首) 解説 うちなびき わが みだれ ふす よ の ま にも ほとけ はるけく みそなはし けむ (うちなびき我が乱れ臥す夜の間にも仏はるけくみそなはしけむ)
会津八一 643 2015-02-11 20:04:04 | Weblog 十一月二十一日奈良より帰り來りその夜より病みふして立つ 能はざること五箇月に及べりそのいとまいとまに詠める歌(第4首) 解説 やみ ふして ひさしく なりぬ まくらべ の かき さへ うみて ながるる まで に (病み臥して久しくなりぬ枕辺の柿さへ熟みて流るるまでに)