会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 1666

2018-11-30 21:19:24 | Weblog
会津八一に関するブログ 876

比叡山・第6首(会津八一) 2018・11・30(金)

 山中にて(第2首)   解説

  さいちょう の たちたる そま よ まさかど の 
              ふみたる いは よ こころ どよめく


 「そま」とは比叡山のこと。比叡山で活躍した最澄と将門の比叡山における伝説をふまえて詠んだ。

会津八一 1665

2018-11-29 20:08:59 | Weblog
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比叡山・第5首(会津八一) 2018・8・29(木)

 山中にて(第1首)   解説

  あのくたら みほとけ たち の まもらせる 
        そま の みてら は あれ に ける かも


 「あのくたら」が知らない言葉。 阿耨多羅。阿耨多羅三藐三菩提(さんみゃくさんぼだい)という梵語を八一が略して使った。意味は“仏の無上の正しい悟り”、ここでは“全知の(御仏)”と言う意味。 

会津八一 1664

2018-11-28 19:06:36 | Weblog
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比叡山・第4首(会津八一) 2018・11・28(水)

 根本中堂の前に二株の叢竹あり 
 開山大師が唐の台岳より移し植うるところといふ(第2首) 解説

  ふたむら の この たかむら を みる なべに 
           たう の みてら を おぼし いで けむ


 叢竹を見るたびに最澄は留学した唐のことを思い出しているだろうと詠む。

会津八一 1663

2018-11-27 18:56:42 | Weblog
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比叡山・第3首(会津八一) 2018・11・27(火)

 根本中堂の前に二株の叢竹あり
 開山大師が唐の台岳より移し植うるところといふ(第1首) 解説

  あき の ひ は みだう の には に さし たらし 
              せきらんかん の たけ みどり なり


 最澄が唐から移し植えたとされる叢竹(群がって生えている竹)を詠い出す。

会津八一 1662

2018-11-26 18:59:53 | Weblog
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比叡山・第2首(会津八一) 2018・11・26(月)

 十八日延暦寺の大講堂にて(第2首)    解説

  やまでら の よ を さむみ か も しろたへ の
              わたかづき せる そし の おんざう


 綿の帽子をおかぶりになっている伝教大師像を詠んだ。

会津八一 1661

2018-11-25 22:41:29 | Weblog
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比叡山・第1首(会津八一) 2018・11・25(日)

 十八日延暦寺の大講堂にて(第1首)  解説

  のぼり きて しづかに むかふ たびびと に
           まなこ ひらかぬ てんだい の そし


 鹿鳴集・比叡山12首の第1首、「てんだいのそし」とは伝教大師・最澄の像のこと。2011年、縁あって若いころの伝教大師の木像を彫った。

会津八一 1660

2018-11-24 19:05:08 | Weblog
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会津八一 鹿鳴集・比叡山(十二首) 2018・11・24(土)

 昭和13年10月の作である。比叡山開祖・伝教大師(最澄)像を彫ったことを契機に12首をここにまとめて解説する。
         伝教大師像(2011・10) -瑞応院 蔵ー

1 十八日延暦寺の大講堂にて(第1首)
    のぼり きて しづかに むかふ たびびと に
              まなこ ひらかぬ てんだい の そし
                                            
2 十八日延暦寺の大講堂にて(第2首)
    やまでら の よ を さむみ か も しろたへ の
              わたかづき せる そし の おんざう

3 根本中堂の前に二株の叢竹あり 開山大師が唐の
  台岳より移し植うるところといふ(第1首)
    あき の ひ は みだう の には に さし たらし 
              せきらんかん の たけ みどり なり
           
4 根本中堂の前に二株の叢竹あり 開山大師が唐の
  台岳より移し植うるところといふ(第2首)        
    ふたむら の この たかむら を みる なべに 
               たう の みてら を おぼし いで けむ
        
5 山中にて(第1首)
    あのくたら みほとけ たち の まもらせる 
               そま の みてら は あれ に ける かも
     
6 山中にて(第2首)
    さいちょう の たちたる そま よ まさかど の 
               ふみたる いは よ こころ どよめく
        
7 山中にて(第3首)
    かの みね の いはほ を ふみて をのこ やも 
               かく こそ あれ と をたけび に けむ
         
8 下山の途中に(第1首)
    くだり ゆく たに の さぎり と まがふ まで 
               まつ の こずゑ に しろき みづうみ
     
9 下山の途中に(第2首)
    あきやま の みち に すがりて しのだけ の
               うぐひすぶゑ を しふる こら かも
      
10 これよりさき奈良の諸刹をめぐる(第1首)
    ゆく として けごん さんろん ほつそう の 
               あめ の いとま を せうだい に いる
     
11 これよりさき奈良の諸刹をめぐる(第2首)
    いかで かく ふり つぐ あめ ぞ わが ともがら 
               わせだ の こら の もの いはぬ まで  
 
12 法隆寺福生院に雨やどりして大川逞一にあふ
    そうばう の くらき に のみ を うちならし 
               じおんだいし を きざむ ひと かな  

会津八一 1659

2018-11-23 19:06:20 | Weblog
会津八一に関するブログ 869

南京続唱・第14首(会津八一)  2018・11・23(金)

 述懐       解説

  ふるてら の みだう の やみ に こもり ゐて 
            もだせる こころ ひと な とひ そ ね


 南京続唱最後の歌。寺の御堂に籠って、黙想するわが身を歌う。
 

会津八一 1658

2018-11-22 18:58:37 | Weblog
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南京続唱・第13首(会津八一)  2018・11・22(木)

 春日野にて(第3首)   解説

  うつくしき ひと こもれり と むさしの の 
          おくか も しらず あらし ふく らし


 「うつくしきひと」は故事による。「むさしの」は関東ではなく、春日野の異称である。難しい歌だ。  

会津八一 1657

2018-11-21 19:39:33 | Weblog
会津八一に関するブログ 867

南京続唱・第12首(会津八一)  2018・11・21(水)

 春日野にて(第2首)  解説

  をとめら が ものがたり ゆく の の はて に 
            みる に よろしき てら の しらかべ


 語りながらゆく乙女たちと寺の白壁、古都奈良の情景を浮かび上がらせる。 

会津八一 1656

2018-11-19 20:00:42 | Weblog
会津八一に関するブログ 866

南京続唱・第11首(会津八一)  2018・11・19(月)

 春日野にて(第1首)   解説

  をとめら は かかる さびしき あき の の を 
              ゑみ かたまけて ものがたり ゆく  


 古都奈良の春日野(春日山の麓一帯の野原)での歌3首、乙女達の明るい声と古都奈良の秋を寂しを対比させて詠う。

明日第3火曜日は休みます) 

会津八一 1655

2018-11-18 19:17:09 | Weblog

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南京続唱・第10首(会津八一)  2018・11・18(日)

 奈良博物館にて(第4首)   解説

  いかで われ これら の めん に たぐひ ゐて 
           ちとせ の のち の よ を あざけらむ 


 千年後に博物館の壁に掛けられた面と一緒になって世の中を見下ろしてみたいと詠む。  

会津八一 1654

2018-11-17 19:01:01 | Weblog
会津八一に関するブログ 864

南京続唱・第9首(会津八一)  2018・11・17(土)

 奈良博物館にて(第3首)    解説

  かべ に ゐて ゆか ゆく ひと に たかぶれる 
           ぎがく の めん の はな ふり に けり


 「伎楽の面」は呉の仮面劇で使われたもの。壁に掛けられた高慢そうに見えるその面の鼻が古びてしまったと詠む。第4首と合わせてみると面に対する八一の独特の感覚がある。  

会津八一 1653

2018-11-16 19:06:54 | Weblog
会津八一に関するブログ 863

南京続唱・第8首(会津八一)  2018・11・16(金)

 奈良博物館にて(第2首)   解説

  あき の ひ は ぎえん が ふかき まなぶた に 
             さし かたむけり ひと の たえま を



 ふかきまなぶた(深くくぼんだまぶた)の義淵像へ。

会津八一 1652

2018-11-15 19:20:58 | Weblog
会津八一に関するブログ 862

南京続唱・第7首(会津八一)  2018・11・15(木)

 奈良博物館にて(第1首)  解説

  ゆゐまこじ むね も あらはに くむ あし の
          やや に ゆるびし すがた こそ よけれ


 胸をはだけて足をゆったりと組んだ維摩居士の姿は素晴らしい。写真へ