会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 516

2014-09-30 20:03:17 | Weblog
歌碑(第6首)   解説  

 かきもと の これ の いしぶみ たまたまに  
          あひしる ひと の みつつ しぬばむ
             
     (垣もとのこれの碑たまたまにあひ知る人の見つつ偲ばむ)

会津八一 515

2014-09-29 20:08:27 | Weblog
歌碑(第5首)   解説   

 しもくぼ の いしや が さくら はる たけて 
          いし の くだけ と ちり まがひ けむ
             
     (下久保の石屋が桜春たけて石のくだけと散りまがひけむ)

会津八一 514

2014-09-28 21:40:03 | Weblog
歌碑(第4首)    解説  

 たがね うつ いし の ひびき に みだれ とぶ 
          ひばな の すゑ に なり いで に けむ
             
        (鏨打つ石の響きに乱れ飛ぶ火花の末に成り出でにけむ)

会津八一 513

2014-09-26 20:16:45 | Weblog
歌碑(第3首)   解説   

 いしきり の のみ の ひびき の いくひ ありて 
           いし に いり けむ あはれ わが うた         
             
     (石切の鑿の響きの幾日ありて石に入りけむあはれ我が歌)

                   ー 明日は休みます -

会津八一 512

2014-09-25 20:14:55 | Weblog
歌碑(第2首)   解説   

 いしきり の いかなる をぢ か わが うた を       
            くちずさみ つつ ほり つぎ に けむ    
             
     (石切の如何なるをじか我が歌を口ずさみつつ彫りつぎにけむ)

会津八一 511

2014-09-24 19:24:03 | Weblog
歌碑(第1首)   解説   

 めぐり ゐて とも と わが みる まなかひ に      
            いしぶみ あをく あらはれ たつ も    
             
     (巡りゐて友と我が見るまなかひにいしぶみ青く現れ立つも)

会津八一 510

2014-09-23 20:08:56 | Weblog
会津八一 山光集・歌碑(八首)  昭和十七年四月

  山光集  「昭和15年6月から昭和19年4月に至る4年間に詠まれた246首。
        戦争時代を色濃く反映した作品も含まれる。戦中、戦後の価値観の
        転換によりこの集は3度出版され、歌の取捨が行われている」

  歌 碑  『「ちかづきてあふぎみれどもみほとけのみそなはすともあらぬさびしさ」
        といふは新薬師寺香薬師を詠みしわが旧作なりちか頃ある人の請(こい)に
        まかせて自らこれを書しこれを石に刻ましめその功もまさに畢(おわ)
        りたれば相知る誰彼を誘ひ行きてこれを堂前に立てむとするに遽(にわ
        か)に病を得て発するを得ずたまたま寺僧の拓して送れる墨本を草廬の
        壁上にかかげしめわづかにその状を想像して幽悶を慰むるのみいよいよ
        感応の易(やす)からざるをさとれり  8首   ちかづきて・・・の歌へ 』



会津八一 508

2014-09-21 20:02:31 | Weblog
奈良の新薬師寺を思ひいでて(第1首)   解説

 すめろぎ の おほき めやみ を かしこみ と 
          とほき きさき の たてましし てら

      (すめろぎの大き眼やみをかしこみと遠き后の建てましし寺)


会津八一 507

2014-09-20 20:02:42 | Weblog
わが右の眼の硝子体に溷濁を生じて(第6首)   解説 

 ここだく の くしき ほとけ を をろがみし   
          まなこ くもる と たれ に かたらむ          
             
       (ここだくの奇しき仏ををろがみし眼曇ると誰に語らむ)

会津八一 506

2014-09-19 20:28:30 | Weblog
わが右の眼の硝子体に溷濁を生じて(第5首)   解説   

 うつせみ の まなこ くもりて むらぎもの  
         こころ すめらば くるしく も あらむ          
             
     (うつせみの眼曇りてむらぎもの心澄めらば苦しくもあらむ)

会津八一 505

2014-09-18 20:01:59 | Weblog
わが右の眼の硝子体に溷濁を生じて(第4首)  解説   

 たのめりし ふたつ の まなこ くもる とも 
           こころ さやけく すみ わたり なむ          
             
       (たのめりし二つの眼曇るとも心さやけく澄みわたりなむ)

会津八一 504

2014-09-17 19:57:04 | Weblog
わが右の眼の硝子体に溷濁を生じて(第3首)   解説   

 くもり なき ふたつ の まなこ たまひたる 
           わが たらちね は すでに いまさず          
             
      (曇りなき二つの眼たまひたる我がたらちねは既にいまさず)

会津八一 503

2014-09-15 20:05:12 | Weblog
わが右の眼の硝子体に溷濁を生じて(第2首)   解説  
 
 おいなみに くもれる まなこ いま の よ の      
          おほき くすし も すべ なかる べし    
             
      (老波に曇れる眼いまの世の大き薬師もすべ無かるべし)


                     ー 明日は休みます -

会津八一 502

2014-09-14 20:35:23 | Weblog
わが右の眼の硝子体に溷濁を生じて(第1首)    解説 

 くもり ある わが まなぞこ を うかがふ と     
           わかき はかせ の こらす いき かな    
             
       (曇りある我が眼底をうかがうと若き博士の凝らす息かな)