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『語彙力を鍛える』 (石黒圭著)

2023年12月04日 | 読書雑感
人間の思考力を規定するのは言語力であり、言語力の基礎になるの部分は語彙力に支えられています。

語彙力=語彙の量(豊富な語彙知識)×語彙の質(精度の高い語彙運用)

語は内容語と機能後に分けて考えるのが一般的です。内容語は、名詞・動詞・形容詞など、実質的な意味を持つ語であり、日本語の場合漢字やカタカナで表されることが多い語です。一方、機能語は、助詞・助動詞・恩動詞・接続詞など、文法的な機能を持つ語であり、平仮名で表されることが多い語になります内容語を扱う能力は語彙力と呼ばれ、機能語を扱う能力は文法力と呼ばれます。語彙力と文法力は車の両輪であり、この二つがそろって初めて、スムーズな言語運用が可能になります。

よい言葉を見つけるのはなかなか難しい作業ですが、使っている言葉がしっくりしないと直感的に感じたら、それに優る言葉をあれこれ模索することが必要です。

和語のなかの漢字一字を意識して二字漢語を作ると、書き言葉にふさわしい語彙に変更できます。(例:人付き合い⇒人間関係、世の中⇒世間、木⇒樹木)

■語彙の「質」11の観点
誤用:今時銀行に虎の子を預けても、たいして金利(⇒利息)はつかない
重複:手元にあると管理が不安なので、銀行に預金を預けてある(⇒預金してある)
不足:一度申請しておくと、定期(⇒定期預金)を自動で積み立てることもできる
連語の相性:ながらく放置してある銀行口座をやめる(⇒解約する)方法を知りたい
語感のズレ:急激なインフレによる預金額の目減りが期待(⇒懸念)される
語の置き換え:サック実友人に頼んで、1万円札(⇒諭吉先生)を2枚借りた
語の社会性:一店舗あたりの銀行員と女子行員(⇒銀行員)の数が減りつつある
多義語のあいまいさ:インフルの治療費は医療保険(⇒民間の医療保険)の保障対象外だ
異なる立場;個人投資家の投資は、時として大胆(⇒無謀)だ
語の感性:いくら稼いでも、税金をがっぽり(⇒ごっそり)持っていかれる
相手の気持ち:(申し訳ありませんが)規定により、中途解約には応じかねます(⇒応じられません)
心に届く言葉:擦り切れることのない財布を作り、尽きることのないと見を点に積みなさい

単純な動詞を使うと、それだけでは力が弱く感じられることがあります。そうしたときは、その動詞の意味に含まれる名詞、特に身体名詞を使った組み合わせにすると、読み手にたいする印象が強まります(例:見る⇒目にする/目に触れる、聞く⇒耳にする/耳を傾ける、行く⇒足を運ぶ/足を動かす)

対立する言葉を並べ、打ち消しながら進む展開のなかで、言葉は力を帯びてきます(例:『「時間やねぎらいの言葉」はなく「やめないでという思い」、「寂しい」ではなく「悲しい」』)



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