七草農場Blog

中央アルプスの麓で、夫婦2人有機農業に奮闘中!

日本の農業と文化を守ろう!

2007年11月10日 | 農業
「七草農場だより、11月号より」
 

 10月に、NHKの番組で「あなたの主食は誰が作る?」という日本の米農家の番組をやっていたのをご覧になった方はいらっしゃるでしょうか?今、日本政府は農業の大規模化を推し進めています。大規模でやれる農家にだけ補助金を出すようになったため、小規模農家はみんなでまとまって集団営農をやらないと、補助金を打ち切られてしまいます。多くの農家は農協に米や野菜を出荷していると思うのですが、その米価も年々安くなり続け、米を作っても作っても赤字になってしまいます。それでも大規模化していかなくてはならないため、大型機械を導入せざるを得なくなって、また更に借金が増える、農村は高齢化が進む、・・・「もう農業ではやっていかれない」と沢山の農家が頭を悩ませている姿が映っていました。
以前は日本のコシヒカリやあきたこまちといった高級米は外国では作れない、とされて、まだ日本の米はなんとかもっていたのも、今では研究が進んでアメリカでもこれらの米が日本の1/3のコストで超大規模に作ることが出来るようになったそうです。これではいくら日本が大規模化を進めても太刀打ちできません。もしこれらの米が本格的に日本に入るようになったら、日本の稲作は終わってしまうでしょう。
七草農場は補助金や農協に頼らず、野菜や米は自分たちのお客さんに直接販売し、あまり機械に頼らない、小規模な農業をしています。でも農業という仕事は私達だけでやれる仕事ではありません。田んぼを作るために地域で田に引く水路を掃除したり、草を刈ったり、土地を代々大切に守ってきた地域の人々の力のお陰で私達もここで農業が出来るのです。化学肥料や農薬を使ってはいるけれど、農業を愛し、自分たちの祖先が大切に守ってきた農地を自分達の代で終わらせてはいけない、と頑張っている地域のおじいさんやおばあさんが私達の周りには沢山いるのです。
番組の中である学者が、「日本の稲作がだめになったら、なくなるのは日本の農業だけでなく、そこにある文化や代々続いた歴史までもがなくなるということだ」と言った言葉に強く共感しました。田畑が1度荒れてしまったら、なかなか元に戻すことは難しくなります。田畑がつぶされて住宅ばかりが立ったら、もうそこは2度と農地にはならないでしょう。そこにある、稲作の歴史、藁の文化、田畑に住む沢山の生き物たちやそれによって成り立つ自然環境も、全てなくなってしまうのです。
日本には身土不二という言葉もあります。自分の「食」の選択が、日本の環境や文化も守ることにつながります。

どうか、日本の農業をこれからも応援して下さい。

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2 コメント

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Unknown (masaru)
2007-11-18 07:58:03
おれも見ました。その番組。
先に米自由が進んだ台湾の様子とかかなりショッキングだったよね。
農村に暮らす人間として、なにか発信しなきゃと思いました。
Unknown (七草)
2007-11-18 22:15:33
 千葉はまかせた! ところで「五人娘」飲み干しました。寺田本家の酒はやっぱりうまいね。次は酒屋で見つけた芋焼酎、その名も「明るい農村」。農村を盛り上げよう!

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