カルテット 2

ああ、やっぱりカルテット、好き過ぎる。
カヴァレリア•ルスティカーナの間奏曲、効きすぎる。
夫婦のすれ違いの描き方が上手すぎる。
置いたままの靴下を見る夫の表情、話しの途中の柚子胡椒。
2人の噛み合わなさの表現が上手い。
「君がずっと好きだった。忘れたことはない。今も好きだ」という夫の言葉に、またやり直せるんじゃないか、という表情の妻の淡い期待を打ち砕く、「だから幸せになってほしい」という言葉。
「なってほしい」て、もうその中に自分はいないじゃん。完全に人ごとじゃん。
それがはっきりとわかって、呆然とする妻の表情。
そして吹っ切った妻。
別れのシーン、夫はハグしようとしたけど、妻は握手で別れた。
だって、一生懸命吹っ切ったんだよ。
ハグしたら、離れられなくなっちゃうじゃん。
「抱かれたい」ほど好きな人なんだから。

貰った詩集を火にくべて。
「こんな面白くない物が好きだなんて面白い人だなあって思ったの」て、深いよね。
きっと、2人は相性はそんなに悪くなかったんじゃないかな。
結婚生活に求めてるものが違っただけで。

先週も今週も、夫婦のすれ違いの描き方が素晴らしかった。

そう、日常なんて、何か劇的なことがあるわけじゃない。
なのに、別れてしまうのは、こういう何でもないようなことの積み重ねなんじゃないかな。