ひよりの音楽自己満足

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ACCEPT MOBIUS

2009-12-19 18:25:36 | 21th J-プログレ
 マルチ・ミュージシャン<HISA>さんのプロジェクト<ACCEPT>。HISAさんは1984年ころからCMソング等の本格的な音楽活動を始め、ローカルバンドにシンセ奏者として参加して、コンテストで入賞も。それから様々なバンドに参加。あるバンドではギタリストとして、またあるバンドではベーシストとして、そしてキーボードプレーヤーとしても参加され、マルチ・プレーヤーの本領を発揮されています。他にもTVやFMに曲を提供するなどコンポーザーとしても活躍され、そして2007年。1990年から17年間に渡ってずっと作り続けてきた楽曲のうち12曲を収録したアルバム「silver moon」を発表されました。このアルバムは国内のみならず海外でも好評だったようで、各国のプログレ系音楽雑誌でも紹介されたようです。
 そして2009年11月、待望の2ndアルバム「MOBIUS」を発表されます。まず目をひくのがこのジャケット。薔薇がいっぱい咲いた洋風庭園が夕日(朝日?)に照らされオレンジ色に。そこにギタリスト(?)のシルエットと無限大マーク(メビウスの環)が。なんともアーティスティックで素敵です。想像力がかきたてられますね。今回も全ての楽器をHisaさんが演奏され、全12曲の内、4曲に<Akikoさん>という方がヴォーカルで参加されています。そして“a whole concept of ACCEPT project”として<Taikiさん>のお名前がクレジットされています。
 アルバム1曲目は「Strange Wave」。強風吹きすさぶような音から、うねりまくるシンセサウンドが響きわたって。センセーショナルでダイナミックなオープニングですね。目が覚めるようです。
 2曲目は「Another Morning」。カントリー風のアコースティックギターの軽快で心地よいリフからはじまって、爽やかなコーラスからなだらかなヴォーカルが。中盤ではヴァイオリンやオーケストラサウンドの伸びやかなサウンドが清清しくながれ、そして力強いヴォーカルがはいって盛り上がっていきます。とっても清清しい曲ですね。
 3曲目は「Let It Flow」。メロトロンのようなサウンドのダイナミックなリフが。どことなく哀しげな感じですね。そして哀愁ただようアコースティックギターのリフがゆったりとながれ、エコーの効いたヴォーカルがはいって幻想的に。サウンドに深い奥行きを感じます。中盤から明るく優しい雰囲気になり、そして力強いギターリフのあと、幾重にも重なったコーラスが響き渡り、そしてゆったりとした心地よいギターリフにのって爽やかなコーラスが。終盤ではアップテンポの力強いギターリフがはいって躍動感のある展開になり、ラストはしっとりとFin。ドラマティックな展開の曲です。
 4曲目は「Not A Child」。エフェクトのかかったベースサウンドからはじまって、空間を様々な音が飛び交います。そしてヴォーカルがはいって、テープ逆回転のようなサウンドが叙情的にながれて。中盤からは重厚でダイナミックなサウンドが高くそびえたち、そして静かにFin。神秘的な、民族音楽のようなですね。
 5曲目は「And We-Go」。キーボードの浮遊感のあるフワフワした感じの音色が響き、そこに囁くようなヴォーカルがはいって。夢のなかのようなとっても幻想的な曲です。中盤以降はヴォーカルが力強くなっていって、コーラスも。ラストは透明感のあるキーボードの綺麗な音色が心地よく響いてFin。
 6曲目は「First Light」。ギターの幻想的で伸びやかな音色が遠く遠く響きわたります。やまびこのような感じでしょうか。遥か遠くの山並みを見ているかのようです。昼ではなく月明かりの寒い夜って感じですね。 7曲目は「Inevitable Pain」。美しいアコースティックギターリフからゆったりとはじまり、そして爽やかで楽しいアップテンポになったかと思いきや、ゆったりと哀愁ただよう音色がしっとりと抒情的にながれて。中盤からは情熱的に力強くなって。
 8曲目は「Wipe Off」。荘厳なシンセサウンドからゆったりとはじまって、そこに幻想的なヴォーカルがはいって。そしていきなりパワフルで衝撃的なビートが打ち鳴らされ、悲壮感のあるダイナミックなサウンドのリフ、そしてギターリフとヴォーカル&ナレーションのようなヴォイスが。中盤からはアヴァンギャルドなギターサウンドも加わって。カオス状態に陥っているかのような感じですね。古い映画とかで、神の怒りに触れ、民衆がパニック状態になって逃げ惑っているような映像が目に浮かんできました。
 9曲目は「Harunire」。厚いギターサウンドが伸びやかに雄大に響き渡り、たおやかにながれて。そしておだやかなピアノリフにのってギターの音色が心地よくながれ、そして力強いヴォーカルが。新たな勇気というか希望が見えてくるような感じがしました。
 10曲目は「Let It Glow」。美しいギターリフとメロトロンサウンドからゆったりとはじまって、そして哀愁ただようギターの伸びやかな音色が心地よく響き、そこに美しい女性コーラスとアコースティックギターの音色がたおやかにながれて。美しい幻想的な光景が目に浮かんできますね。お花畑や水面がキラキラ光るゆったりと流れる川、そしてにっこり微笑む天女さま。中盤からはなリフ、そしてアコースティックギターのリフをバックにエモーショナルかつアグレッシブなギターソロが響き渡って。ドラマティックな曲です。
 11曲目は「Sougon」。ヘリコプターのような音やラジオの声のようなサウンドが飛び交い、そして神秘的なシンセサウンドがゆったりとながれて荘厳な雰囲気に。中盤以降、幻想的なサウンドが響き渡って。
 12曲目は「Another Key」。軽やかで心地よいアコースティックギターリフから明るく楽しくはじまって、そしてリズムにのって心地よいヴォーカルがながれて。目の前に広大な草原の景色が。そしてその草原を子供達がはしゃぎながらお散歩したり走りまわったりしているような、気分がウキウキしてくる感じの曲ですね。自然と笑みがこぼれます。終盤はスペーシーに、そして驚きの爆発音でFin。
 アンビエント系というよりもイマジネーション系とでも言いましょうか。聴いていて様々な映像が目に浮かんできますね。想像力をかきたてられます。もっとも私の書いた印象は作者様の意図とは異なっているかもしれませんが。この作品は、通勤通学の電車内とかドライブしながら聴くよりも、静かな夜に灯りを暗くして、リラックスした姿勢で目を閉じてじっくり聴き込んでみたいなって思いました。「MOBIUS」の幻想的な美しい音世界に浸れそうです。心豊かになるとっても素敵な作品ですね。

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2 コメント

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レビューありがとうございます。 (ACCEPT)
2009-12-28 09:27:06
今回は前作のエレクトリックあるいはシンフォ系からアコースティック・ギター・アンサンブルにフレットレスベース、さらにメモトロン(メロトロンを再現するハード機)を楽器の中核とし、プログレ枠を意識せず内面の表現に徹しています。
詳細なる感想を頂いた12曲はそんまま12の作品からなるトータル・コンセプト・アルバムとなっています。物語として進行していきます。
「イマジネーション系」・・いい表現ですね! 僕が親しくなる創作家に陶芸家や演劇の人が多いことと関連していると思います。映像や質感やいろいろな感覚情報を音に変換している・・と言えるかもしれません。

聴いて頂いてありがとうございます。
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ありがとうございます! (ひより)
2009-12-28 12:10:52
 わぁ!ACCEPTさま、いらっしゃいませ!
作曲者さま自らコメントを書いていただけてめっちゃ感激!しております。
ACCEPTさまの音世界、存分に堪能させていただいております。Pink Floydの世界も感じ、そして多重録音の先駆者であるMike Oldfield氏や日本のAsturiasの雰囲気も感じました。
 このアルバムはやはりコンセプトアルバムなのですね。解説してくださってありがとうございます。
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