ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

TEE 4th Total Edge Effect

2023-03-26 07:26:26 | 21th J-プログレ
 “世界の様々な風景や情景を音で表現する”という壮大なコンセプトをもつフルート・プログレッシブ・ロックバンド<TEE>。当初は<The Earth Explore>というバンド名でしたが、2009年より<TEE>とされました。メンバーはリーダーのキーボード・プレーヤー<米倉竜司さん>、ギターの<米田克己さん>、ベースの<飯ケ浜幸雄さん>、ドラムスの<浅田隆行さん>、そしてフルートの<今井研二さん>の5人です。
 2007年にライブを収録したデモCD-R「First Voyage」を発表し、2年後の2009年3月に1stスタジオアルバム「The Earth Explore」を発表。そして2010年5月にはフランスで開催されたプログレフェスに出演され、バンド初の海外でのライブは大成功。さらにはそのときにライブの合間に観光にも行かれて様々な美しい景色を見てインスピレーションを得て、2012年2月にそれらの楽曲をスタジオレコーディングされた<TEE>としての2ndアルバム「Trans-Europe Expression」を発表。さらに4年後の2016年に3rdアルバム「Tales of Eternal Entities」を発表されます。
 そして4thスタジオアルバムは、当初2019年中にスタジオ入りする予定だったそうですが、コロナの影響で活動が一時中断したことから延期され、2021年12月にようやくスタジオ入りとのことで。曲は3rdスタジオアルバムリリース後に随時完成したところから未発表曲としてライブで演奏され、アレンジを固めていったそうです。そして2022年にアルバム「Total Edge Effect」が発表されました。宇宙イメージのジャケット、歪んだ地球?というのがなんとも意味深ですが。
アルバム1曲目は「階段回廊」。
 ピアノの流麗なリフからはじまって、フルートがのびやかに幽玄に奏でて。そしてピアノとギターのリズミカルリフからフルートがのびやかに爽やかに奏でて。朝もやの光景が目に浮かぶようです。中盤ではリズミカルリフにのってキーボード・ギター・フルート各々のエモーショナルかつテクニカルなソロが。終盤ではのびやかに爽やかにと、とっても気持ちよく清々しい感じですね。
2曲目は「NS」。
 キーボードとギターのリズミカルリフから、ギターとフルートが軽やかに気持ちよく爽やかに奏でて。春の草原で蝶が舞っているかのような。そしてフルートのテクニカルなソロ、ギターのエモーショナルソロが。中盤では、ピアノのパワフルなリズムリフからギターのエモーショナルかつテクニカルなソロ、そしてオルガンとフルートのテクニカルかつスリリングなソロ廻し、さらにバンドリフと叩きまくりドラムの掛け合いも。終盤ではパワフルにダイナミックに盛り上がって。
3曲目は「Melting Pop」。
 ピアノのリズミカルリフからはじまって、フルートとのユニゾンのリズミカルリフから、フルートが爽やかにリズミカルに奏でて。中盤では一転ミドルテンポでゆったりとしっとりとギターが哀愁メロディを奏でて。そしてキーボードとフルートのユニゾンリフからフルートのテクニカルなソロが。終盤ではゆったりとメロウに、そしてドラマティックに盛り上がって。
4曲目は「Orbiter Mission」。
 キーボードのミステリアスリフからミドルテンポではじまって、フルートがのびやかに幽玄に奏で、アップテンポのミステリアスでリズミカルリフがスリリングに展開して。中盤ではピアノのリズミカルリフからまるで暗闇が徐々に明るくなって行くかのように、フルートがのびやかに爽やかに奏でて。そしてアコギのアップテンポのリズミカルリフからフルートがのびやかに奏で、さらにギターのエモーショナルソロからドラマティックに盛り上がって。終盤では再びミステリアスリフからスリリングに。
5曲目は「Floatingu Planet」。
 ピアノとフルートがユニゾンでゆったりとしっとりと奏で、アップテンポでリズミカルになってピアノリフにのってギター・フルートがのびやかに爽やかに奏で、そして再びゆったりとメロウに奏でて。その後ギター・フルートのエモーショナルかつテクニカルなソロからユニゾンでゆったりと。中盤ではピアノのリズミカルなリフが静かにながれ、フルートがのびやかに幽玄に奏で、ギターが浮遊感たっぷりにゆったりと奏でて。幻想的な雰囲気です。終盤ではミドルテンポのリズムがはいって、ピアノとフルートがユニゾンで力強いリフを、そしてフルートのエモーショナルソロ、続いてギターのエモーショナルソロがはいってドラマティックに盛り上がって。
6曲目は「Gathering Call」。
 鐘の音が響き渡り、ピアノのしっとりリフからミドルテンポのリズムがはいって、フルートが力強くのびやかに奏で、そしてフルートとギターがユニゾンでメロウに。その後ピアノのしっとりとしたリフからアップテンポになってシンセとフルートのリズミカルソロ、そしてユニゾンで。中盤ではギターのエモーショナルソロが哀愁たっぷりに。そしてフルートも哀愁たっぷりにメロウに奏でて。終盤ではフルートが力強くドラマティックに奏で、ラストは鐘の音が再び響き渡って。
 他サイトのインタビュー記事によれば「最新作は唯一無二のTEEサウンドの完成形とも言える作品に仕上がったと自負している。それは結成以来不動のメンバーでバンドの音を進化させ、ライブで何度も演奏しアレンジを突詰めたことで成し得た到達点であると感じている。」とのことで、様々な音世界や美しい光景が目に浮かぶような唯一無二のTEEサウンド、たっぷりと楽しめますね。素敵なアルバムです。

Alsciaukat / A new myth

2023-03-20 23:07:38 | 21th J-プログレ
 ジャズロックバンド<Qui>のギタリスト<林隆史さん>による新たなプロジェクト" Alsciaukat アルシャウカット"。1st album「A new myth」が2022年に発表されました。メンバーは、ギター<林隆史>さん、ベース<瀬戸尚幸さん>、フルート<吉田一夫さん>、ドラムス<谷本朋翼>さん、キーボード<松井玲央さん>です。そしてゲストにSax<中村雅人さん> "Fireworks”に参加されています。いったいどんなサウンドなのか、楽しみです。
1. Brachs
ギターのミドルテンポのミステリアスなリフからピアノがしっとりと。そしてギターのヘヴィリフからうねるベースにのってフルートがのびやかに奏で、さらに力強く。後半ではテクニカルなソロが。
2. Fireworks
ミドルテンポでゆったりとはじまって、フルートがのびやかに幽玄に奏でて。そしてSaxがのびやかに力強く奏で、そのままエモーショナルなソロへ。続いてギター・フルートもエモーショナルかつテクニカルなソロを。
3. Reincarnation
ギターとベースのユニゾンリフからギターのヘヴィサウンドが響き、キーボードのリズミカルリフにのってフルートがのびやかに力強く奏でて。その後フルート・ギター・キーボードのテクニカルなソロが。ドラムも叩きまくってます。
4. Trechs
ギターのミドルテンポのヘヴィリフからパワフルにはじまって、キーボードの透明感のある音色がゆったりと。そしてギターがエモーショナルに奏でて。
5. Libra
ギターのアルペジオリフからゆったりとしっとりとはじまって、フルートが哀愁たっぷりにしっとりと奏でて。後半ではフルートとギターがエモーショナルソロを。
6. Rasalhague
 ギターがミドルテンポでゆったりと奏で、フルートがリズミカルリフからテクニカルなソロを。ソシテキーボードとギターもそれぞれエモーショナルかつテクニカルなソロを。
 宣伝コピーには“シリアスな世界観を惜しみなく表現したジャズロックハード作品”と書かれていますが、まさにその通りで、メンバー各々のエモーショナルかつテクニカルな演奏を堪能できますね。

henrytennis / Bay Leaf and Singers

2023-03-16 23:25:07 | ジャズ
 管楽器を中心にした<奥村祥人さん>率いる2管入り6人組インスト・ジャズ・ロック・バンド「henrytennis」。2003年に結成され、2006年に1stアルバム『eight rare cases』、2009年に2ndアルバム『R.U.R.』を発表され、多くの媒体から取り上げられ、国内野外イベントや、国内ツアーをはじめ、アメリカツアーなど幅広く活動されます。さらにTSUTAYA O-nestで都市型フェス『みんなの戦艦2017』を、渋谷WWWで『グランドスラム2018』を主催、成功させたそうで。その後2019年に3rdアルバム『Freaking Happy』を発表され、2022年に今回紹介させていただく4thアルバム「Bay Leaf and Singers」を発表されます。
「henrytennis」メンバーは、
Guitar 奥村祥人さん
Soprano & Alto sax トミーさん
Tenor Sax & Glockenspiel 入江拓也さん
Keyboard みんみんさん
Drum 坂本和馬さん
Bass さいとうしゅんさん

 宣伝コピーには”プログレッシヴ/ポスト・ロックと、ザッパ/カンタベリーもミックスされた、軽快かつ屈折のサウンドは、よりキャッチーに、アヴァンに。カマシ・ワシントン等、近時の英米ジャズ/フューションに呼応したモダンなテイストとハイセンスな楽曲が詰まった傑作です! ”とのことでめっちゃ楽しみです。

 アルバム1曲目は「Magic Hour」。アップテンポでリズミカルに明るく楽しくはじまって、ミドルテンポでゆったりとのびやかに。そしてユニゾンリフからのびやかにゆったりとほのぼのモードに。終盤ではアップテンポで明るく楽しく。ベースライン気持ちいいっす。華々しいオープニング曲ですね。
 2曲目は「Weather」。オルガンサウンドがゆったりとながれ、アップテンポのリズムがはいって、明るく爽やかな感じに。その後Saxがゆったりとのびやかに奏で、そこから吹きまくりのパワフルなソロへ。終盤でもユニゾンのリズミカルリフからSaxソロがたっぷりと。
 3曲目は「Bay Leaf」。ピアノがゆったりと、ベースが力強く奏で、そこからアップテンポでリズミカルリフが明るく爽やかに。その後ミドルテンポになって、Saxがムーディにゆったりと奏でるも、再びアップテンポになって、リズミカルリフが明るく爽やかに。中盤ではドラムが叩きまくるなか、のびやかに奏でられ、再びリズミカルに楽しく盛り上がって。終盤ではSaxのパワフルなソロが。
 4曲目は「My Essential xx」。ドラムフィルからうねるベースにのってギターがゆったりと奏で、ブラスがドラムが叩きまくるなか、のびやかに力強く奏でて。その後、Sax・オルガン・ギター・再びSaxと軽やかなソロ廻しが展開されて。終盤ではリズミカルリフからギターのテクニカルなソロが。
 5曲目は「Duck Coast」。ミドルテンポでピアノ・ギターがゆったりと奏で、Saxがのびやかに奏でて。その後ギターのテクニカルかつエモーショナルソロが。その後Saxが力強くのびやかに奏でて。終盤ではアップテンポでリズミカルに明るく楽しく。ラストは
綺麗なグロッケンの音色が響いて。
 6曲目は「Automatic Sky Line」。ピアノのリズミカルリフからアップテンポでSaxがのびやかに奏で、ギターが加わってユニゾンで奏でて。その後Saxリフにのってギターのリズミカルなソロ、続いてSaxのエモーショナルソロが。終盤ではダイナミックリフからパワフルに盛り上がって。
 7曲目は「Special One」。アップテンポのリズミカルリフからダンサブルで明るく楽しくノリノリではじまって、ギターのテクニカルソロ。続いてSaxのテクニカルソロが。その後パワフルリフから再びSaxソロへ。電子音がビュンビュン飛び交うのは楽しいっすね。、中盤ではキーボードのテクニカルソロ、Saxの吹きまくりアグレッシブソロ、ギターのテクニカルソロが。終盤では再びダンサブルな明るく楽しいリフからノリノリで。めっちゃ楽しいけど突然終わって。
 8曲目は「Really Very Hard Sings」。ゲスト<TEE>の今井さんが参加されています。ゆったりとはじまってSaxがのびやかに奏で、明るく爽やかな感じになり、そこにフルートが加わって。中盤ではアップテンポになって、ギターのエモーショナルソロが。終盤ではリズミカルリフからフルートのテクニカルなソロが。Saxも吹きまくって盛り上がって。
9曲目は「For Tomorrow」。ゆったりとほのぼのした感じではじまって、Saxがのびやかに奏でて。その後Saxのエモーショナルソロが。終盤ではギターのテクニカルソロも。
10曲目は「Don’t Touch my soul」。アップテンポのキーボードの軽やかなリフから明るく爽やかにはじまって、Saxのリズミカルリフからギターのテクニカルなソロへ。その後リズムリフからドラムが叩きまくって。中盤ではリフの掛け合いからミドルテンポで、そしてアップテンポになってSax・キーボード・ギターの掛け合いソロバトルが。終盤ではSaxのテクニカルなソロ、そしてギターリフからドラムが叩きまくり。
11曲目は「Daylight Fire Section」。ゲストにスティールパン奏者<Affee Takahashiさん>が参加されています。ギターのミドルテンポのリフからはじまって、キーボードの明るく爽やかなソロ、そしてバンドリフからギターのエモーショナルソロが。中盤では一転アップテンポになってキーボードのリズミカルリフからSaxアヴァンギャルドソロが。その後ミドルテンポに戻ってSaxがのびやかにメロウに奏で、グロッケンの綺麗な音色がゆったりと響いて。終盤ではSaxがのびやかにドラマティックに奏で、そこにスティールパンが加わって色を添えて。ラストはSaxの単独吹きまくりソロが。
 全編通して明るく楽しいPOPなJAZZROCKって感じで、気軽にJAZZを楽しめる、とっても素敵なアルバムですね。

光る風 / Otogibanashi –Bawvu gi Telcka-

2023-03-13 17:03:07 | 21th J-プログレ
 先日、目白WDのサイトを物色していて、思わずポチってしまったのが今回紹介させて頂く「光る風/Otogibanashi –Bawvu gi Telcka-」です。[光る風]は、広島在住の音楽家<小林義男さん>と、ヴォーカル<紫水さん>のユニットのようで、このアルバムは2014年に発表されたようです。ジャケットは薄いブルー基調のどこか冷たく寒々しいイメージなのですが、果たして曲調は・・・
 アルバム1曲目は「Black Waterside」。バスドラとコンガ風のミドルテンポのリズムからはじまって、ギターがのびやかに雄大に奏で、女性のスキャットがほのぼのと優しく。”歌姫”Annie Haslamさんを彷彿させるトーンに聴き惚れてしまいます。その後
クラリネット風の音色がゆったりとのびやかに。広大な景色が目に浮かぶようです。
 2曲目は「Beware of Pickpockets」。アップテンポのリズムにのってシンセとベースがうねってファンキーな感じでノリノリモードになって、ギターのヘヴィでリズミカルなリフが。中盤では一転女性の美しいスキャットがのびやかに幻想的に。その後再びアップテンポのダンサブルな感じでシンセ・ギターのテクニカルソロが。
 3曲目は「Two Islands」。アコギのミドルテンポのリフにのってギターがゆったりとのびやかに奏で、ほのぼのと優しい感じの女性ヴォーカルがゆったりと。そしてスライドギターソロからドラマティックに盛り上がって。
 4曲目は「決意」。アコギのミドルテンポのカッティングリフから、力強い女性ヴォーカルがはいって、哀愁たっぷりに、そしてパワフルに歌い上げて。どことなく中島み〇きさんを思い起こさせるような?
 5曲目は「Virtue & Vice」。神秘的なパーカッションサウンドが幻想的に響き、フルート風の音色がミステリアスにながれ、時折衝撃的な発声が。前衛的な雰囲気です。その後金管ののびやかな音色が響き、木管の幻想的な音色がゆらめいて。終盤では太鼓風のミドルテンポのパワフルなリズムがはいって盛り上がって。なにか突然異世界にテレポートしてしまったかのような感覚ですね。
 6曲目は「お伽話-Complete Ver.」。幻想的なアコギのゆったりとしたリフからオーボエののびやかな音色がミステリアスに響き、金管ホーンやストリングスもはいって。複雑な迷宮にはまってしまったかのような、うっそうとしたジャングルに迷い込んでしまったかのような感覚です。不安感煽りマシマシですね。中盤では一旦止まって、コントラバスのミステリアスな音色から、女性の何語かわかりませんが(英語?)語りがはいって、ピアノもミステリアスに奏でられます。その後ピアノのパワフルでアヴァンギャルドなソロが。心理的なホラー映画をみているかのような感覚ですね。終盤では女性のヒステリックな叫びから電子ノイズがうねって。18分強の長い曲ながらなにか怖いもの見たさの感覚で聴き入ってしまいます。
 7曲目は「お伽話」。アコギとピアノのミドルテンポのリフから、シンセとピアノがゆったりと、そしてアコギのメルヘンチックなほのぼのリフから女性の語りと可愛らしく軽やかなヴォーカルがはいって、心地よく爽やかな感じに。前曲の混沌とした暗闇の恐怖世界から、一転闇が消え去り、明るくなって平和が訪れたかのような感覚ですね。終盤ではコーラスからヘヴィギターのエモーショナルなソロが。そして女性の力強いヴォーカルがはいって歌い上げて盛り上がって。
 8曲目は「世界樹」。しっとりとしたピアノリフが幻想的なコーラスと共にゆったりと荘厳にながれ、美しい女性のスキャットが優しく心地よく浮遊感たっぷりにながれて。その後オケサウンドとともにドラマティックに盛り上がって。なにか抱擁感というか、優しく包まれて守られているかのような、安らぎを与えてくれる感覚ですね。
 当初CD-Rということもあって、ちょっと試しに聴いてみるか、という軽い感覚だったんですけど、もうとんでもない!大変失礼ながらこれほどの凄い作品とは思っていませんでした。全8曲最後まで聴き入ってしまいました。素晴らしいアルバムですね。小林さんの他の作品も聴いてみたいです。

DDR / SEVEN SEAS

2023-03-11 06:47:13 | 新月・Asturias系
 凄いメンバーによる凄いアルバムが発表されたものです。新●月プロジェクト、アストゥーリアス、ステラ・リー・ジョーンズ等、日本プログレッシヴ・ロックを代表する豪華ミュージシャンによるユニット『DDR』。ライナーノーツによると、このユニットは、「リズムを主体とした大人のプログレ・ハードなロックをやりたい」という京極さんのアイデアを元に2019年に結成されたそうです。当初はライブ1回こっきりの予定だったそうですが、ライブでの化学反応にお互いが刺激されて、記録としてアルバムを作ろうという話になって、2022年4月に発表されたのがこのアルバム「SEVEN SEAS」です。メンバーは、
ワタナベカズヒロさん/ Vocal (シンガーソングライター)
入山ひとみさん/ Violin, Chorus (STELLA LEE JONES)
花本 彰さん/ Mellotron, Keyboards (新●月Project)
大山 曜さん/ Bass (ASTURIAS)
MILKYさん/ Guitar, Chorus (MILKY SWEET)
磯江俊道さん/ Piano, Keyboards (ZIZZ Studio)
京極輝男さん/ Drums, Chorus (ex.De-LAX, FAB’S)
 このアルバム制作に当たっては、メンバー全員が曲を持ち寄ること、そしてアルバムに統一感を持たせるため、緩やかな組曲形式にすることが申し合わされたそうです。ではアルバムの方へ。
1. ラットレース Ruby City Rat Race (曲 : MILKY/ワタナベカズヒロ)
ミドルテンポのヘヴィリフからパワフルにはじまって、ファンクかつダークな感じで。ヌケの良いスネアの音が印象的。想像以上のヘヴィサウンドにビックリしました。
2. 夜明けの晩 Gulls out of the Cage (曲 : 入山ひとみ)
ミドルテンポのミステリアスなリフと、アップテンポのダンダブルでノリノリモードが交互に。面白くて楽しくて、ワクワクしながら聴き入ってしまします。
3. タンポポとタンバリン Tambourine and Dandelion (曲 : 花本 彰)
ゆったりほのぼのとメルヘンチックな感じではじまって。チェロのような太くのびやかな弦の音色が印象的です。そしてヴァイオリンがしっとりと優しく奏でて。その後ヘヴィにドラマティックに盛り上がって。
4. 二人のレイン Rain Falling (曲 : 花本 彰)
ミドルテンポのアコギリフからゆったりとはじまってピアノとヴォーカルがゆったりとほのぼのと。
5. 空白より From KU (曲 : ワタナベカズヒロ)
オルガンがゆったりとほのぼのと奏でて。前曲の続きのようです。そしてヴァイオリンがのびやかにドラマティックに。その後パワフルなリズムがはいってヘヴィでノイジーなギターソロが。ラストはガムランのような金属音が響いて。
6. 竹鼓楽韻 Bamboo Rhyme (曲 : 京極輝男)
タイトル通りにバンブーパーカッションのミドルテンポのリズムが。36秒の小曲です。
7. 波旬 Darkfire (曲 : 磯江俊道)
パイプオルガンサウンドと、グレゴリアンのようなコーラスが、奥深く荘厳に響いて。そしてダイナミックリフからリズミカルに、ドラマティックに盛り上がって。Queen、というよりも、Robby Valentine氏のアルバムの曲のような、美しいコーラス&オーケストラサウンドのドラマティックサウンドですね。途中にはギターのノイジーかつテクニカルなソロが。
8. 神のご加護を Godspeed (曲 : 大山 曜)
ベースのしっとりっとしたリフからはじまり、ダイナミックリフからヴァイオリンがのびやかに美しく奏で、その後ドラマティックに盛り上がって。
9. 僕は黄金の舟に乗った My Golden Ship (曲 : MILKY)
アコギのしっとりとほのぼのした57秒の小曲です。
10. 明日への航海 The Voyager (曲 : 京極輝男)
アカペラヴォーカルからミドルテンポではじまって、しっとりとしたピアノが加わってバラード調に。そしてヘヴィリフからオルガン・ギター・ヴァイオリンがソロ廻しのように弾きまくって。中盤ではアコギのミドルテンポのほのぼのリフからドラマティックに盛り上がって。終盤では大勢が肩を組んで大円団で楽しく歌っているかのようなコーラスが。
11. かもめのロック Tale of the Fool (曲 : 入山ひとみ)
ヴァイオリンとヴォーカルがPOPにリズミカルにグルーヴィなベースリフにのって明るく楽しく爽やかに。
アルバム本編は全11曲で終わりですが、某店ではおまけのCD-Rが付いていまして、そこには未発表曲が2曲収録されています。
1曲目は「Do it!」。ぶっとくうねりまくるベースリフからミドルテンポではじまって、ギターのヘヴィリフが。即興のヘヴィブルーズな感じですね。
2曲目は「Dancing with the trees」。アップテンポのアフリカンなリズムにのって、ギターがハンマリングからフィードバックサウンドをうねらせて。62秒のこちらも即興な感じの小曲です。
 宣伝コピーに“バイオリンが軋み メロトロンが下降する!プログレ・グラム・ハード・ジャズ界の鬼才異才が集結して作り上げた唯一無二のロック・ファンタジー!”と記載されてていますが、まさにその通りで。プログレを極めた達人の方々による本気のROCK、めっちゃかっくいいっす!


ACB(K) / Siblings

2023-03-09 22:28:28 | Outer Limits
アウター・リミッツのあらんちゃん、こと荒牧さんを中心にJプログレ界のスーパーミュージシャンの方々で結成されたACB(K)、こと、あらんちゃんバンド(仮)。アウター・リミッツ、Shusei’s Project、The Ryo Okumoto Projectに在籍されたギタリスト荒牧隆子さんが、月本美香さん(浪漫座、那由他計画)、森脇健さん(MOORI)、そして高橋克典さん(minoke?、NegAcoustika、KIAT)と2016年に結成。以来、東京・京都・大阪などでライブ活動をされ、ライブは毎回ソールドアウトだそうで。で、待望のデビューアルバム「Siblings」が2022年5月に発表されました。このアルバムにはyonetee:キーボード (ライブサポート)。そしてゲスト参加でコーラス北白川妙朗:さん(浪漫座別館)、ヴァイオリン藤本美樹さん:(FANTASMAGORIA)が参加されています。ジャケットは広大な野原に赤のオブジェが4本と、なにやら意味深な感じですね。
 では、アルバムへ
1. テアリング・アパート
オルガンのダイナミックリフからミドルテンポで始まって、パワフルなリズムにのって力強い男性ヴォーカルが。その後、静かになってメロトロンサウンドが響き、そこにゆったりとのびやかな女性ヴォーカルが。中盤ではうねりまくるベースリフにのってアップテンポのオルガンリフが。途中ではギターもキーボードもテクニカルなソロが。エレタムかな?なにかタムの音が印象的です。ダイナミックでパワフルでかっくいい曲っす。
2. 100+デイズ
メロトロンサウンドがしっとりとながれ、ヴォーカルがゆったりとのびやかに。そしてミドルテンポのダイナミックリフからギターがのびやかに奏で、エモーショナルソロへ。その後女性ヴォーカルがドラマティックに歌い上げて。
3. 組曲「シブリングズ」c.1C. アンフィテアトルム・フラウィウム
遠くのほうからかすかに大太鼓の音が響いているような?さらにグレゴリアンのようなコーラスが神秘的に聴こえてきて、そして女性ヴォーカルの美しくのびやかなスキャットがながれて。その後ダイナミックリフからギターのエモーショナルなソロ、さらにティンパニ風のパワフルなリズムから男性の力強いスキャットがながれ、クラシカルに展開していきます。
4. c.5C. 事の語り事も此をば
お琴風のサウンドが神秘的に厳かに響き、男性ヴォーカルがしっとりとながれ、女性ヴォーカルが力強くのびやかに、和歌を紡ぐように情緒たっぷりに。メンバーの皆さんが平安時代のお着物を纏っているお姿が目に浮かぶようです。曲はドラマティックに盛り上がって。
5. c.9C. ビーチー・ヘッド
男女のヴォーカルからしっとりとゆったりと哀愁たっぷりにはじまって、チェロのような太くのびやかな音色が響き、そしてドラマティックに盛り上がって。
6. 20C. 高貴な人と輝ける名声
アップテンポのパワフルなリズミカルリフから力強い女性ヴォーカルがはいって、歌い上げて。その後ギターとキーボードが弾きまくり、ドラムが叩きまくって。
7. 21C. アリス・ボブ・アンド・チャーリー
ダイナミックリフからアップテンポのリズミカルリフがはいってノリノリモードになって、パワフルな男性ヴォーカル、そして力強くのびやかな女性ヴォーカルが。明るく爽やかでめっちゃ気持ちいいっす!
「シンフォニックな楽曲」「圧倒的演奏」「もはやミュージカル」「ザ・プログレ」と大好評のようですね。メンバー的にテクニカルな弾きまくりかと思いきや、そういう部分も確かにあるも、むしろドラマティックな曲展開と男女ヴォーカルをじっくりと聴かせてくれる凄いアルバムですね。