ひよりの音楽自己満足

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夢幻 3

2009-11-02 07:29:16 | Pageant系
 ずっと以前に紹介させていただいた、日本プログレ界の重鎮<林克彦さん>が80年代中期に率いていたシンフォニック系プログレの代表的なバンド<夢幻/Mugen>。そのアルバムを紹介させていただきます。
 2ndアルバム発表後、バンドはドラムスに<引頭英明さん>、ベースに<長嶋信行さん>という<ページェント>のリズム隊を迎えてシングルをリリース。そしてドラムスが<形山和夫さん>に、ベースが<松浦正平さん>に変わり、ギターに<藤井卓さん>を迎えて、3rdアルバム「過ぎ去りし王国の王女」を88年に発表されます。タイトル曲はイギリス幻想文学作家アルフレッド・エドガー・コッパード氏の作品にインスパイアされて作られたそうで、ジャケットはバーン・ジョーンズ氏の絵画だそうです。
 アルバム1曲目は「過ぎ去りし王国の王女/The Princess of Kingdom Gone」。オーケストラサウンドが静かに静かにながれて、耳を澄ませて聴いていたらいきなりバーン!とダイナミックなシンフォニーがはじまってビックリ!そして落ち着いた雰囲気になってしっとりとしたヴォーカルが情緒たっぷりにながれ、その後リコーダーの素朴な音色がたおやかなメロディを奏でて。そしてスネアのボレロ風のリズムが刻まれ、味わい深いベースラインがながれ、それが徐々に盛り上がっていって、アップテンポのパワフルなシンセリフが。そのままうねるベースをバックにエモーショナルなシンセソロ、そしてギターソロへ。それだフェードアウトすると再び静かで幻想的な雰囲気に。鐘の鳴るなかしっとりとしたヴォーカルがながれ、そしてダイナミックにバンドがはいって劇的なエンディングを迎えます。ラストはしっとりと静かにFin。
 2曲目は「シャロットの姫/The Lady of Shalott」。ダイナミックなオーケストラサウンドとバンドのワルツリズムのリフからはじまります。どこかかげりも感じるもののダンサブルな力強い曲ですね。中盤ではシンセのゆったりとした哀愁ただようメロディが味わい深いベースラインとともにながれドラマティックに展開していき、ラストはマーチングスネアのリズムでFin。
 3曲目は「Legend of The Forest」。パワフルでダイナミックなリフからはじまってアップテンポの変拍子リフで複雑ながらもリズミカルに展開していきます。ベースがうねってますね。サビのコーラスではパワフルな女性ヴォーカルも加わって。終盤ではドラマティックかつアグレッシブなキーボードソロが。ラストは劇的に盛大にFin。
 4曲目は「幻惑のリジェイア/Dazzling Ligeia」。ミドルテンポのコミカルでリズミカルなキーボードリフからはじまるポップ調の曲です。中盤ではテンポダウンしてメロトロンが響くなかキーボードソロ。ヴァースの後はエモーショナルな泣きのギターソロが。終盤にはチェロ風の音色のゆったりとしたソロも。
 5曲目は「黒豹/Black Panther」。華々しいファンファーレのようなリフからはじまるも、しっとりとした落ち着いた感じのヴァースへ。そして歯切れのよいパワフルなサビのあと、ダイナミックなシンセソロ。その後ヴァースをはさんでエモーショナルなギターソロが。ドラマティックな曲です。終盤は再び静かになるも、すぐにスケールの大きなダイナミックなリフが。
 6曲目は「Trident Rock」。哀愁ただようキーボードリフのあと、ガボット調のフレーズがながれ、そしてダイナミックなリフが。その後地響きのようなベースリフにのってシンセソロ。そしてストリングスサウンドの重厚なリフのあと、パイプオルガンの荘厳なサウンドが響き、続いてフルートの素朴な音色がながれ、ストリートオルガンのような音色も。このようにどんどん展開していきます。そしてゆったりとした雄大な雰囲気で壮大なスケールのサウンドが響き、ヴォーカルがはいって叙情的になるも、ラストは複雑なリズムでパワフルなリフでFin。
 7曲目は「貴女に・・・/Una Donna」。ゆったりとした優しく美しいサウンドが広大にながれていきます。そしてしっとりとしたヴォーカルがピアノリフをバックにたおやかにながれ、そこにドラムとベースもくわわって。深い味わいのベースライン、いいですねぇ。中盤ではダイナミックなサウンドのシンセソロがドラマティックに展開されます。感動的ですね。ラストはしっとりと美しく静かにFin。 
 このアルバムでは前2作の路線を継承しながらも、強力なリズム隊によってよりハードに、ダイナミックなサウンドに。なので曲がよりいっそうドラマティックで劇的な印象を受けます。1stアルバムが繊細な美なら、3rdアルバムは情熱の美みたいな。まさに“静”と“動”ですね。ドラマチックですばらしい作品です。
 バンドは残念ながら89年に解散。その後、林さんは以前紹介しました元ページェントの中嶋一晃さんが結成した<夜来香>に参加されたり、現在はプロデュース業のかたらわ、奥様と西新宿でプログレ専門のCD店を営んでおられます。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (パパのすけ)
2022-09-24 06:57:13
久しぶりにレダと白鳥を聞いてみて、懐かしくてWEBを検索したらたどりつきました。記事を読んでみたらさらに懐かしくなり、持っている音源全部通して聞いてしまいました、
押し寄せるメロトロン、キーボードの洪水が素晴らしい!
ありがとうございます。 (ひより)
2022-09-24 07:19:01
パパのすけさま、コメントを書いてくださってありがとうございます。めっちゃ嬉しいっす!
コメントを頂いて、私も久々に聴きたくなりました。<夢幻>サウンド、美しくドラマティックで本当に素晴らしいです。この記事を書いたのが12年前ですが、当時このアルバムを手に入れるのはだいぶ時間がかかったのですが、その後再発されたのかな?多くの音楽ファンに聴いていただきたいバンドですね。
Unknown (パパのすけ)
2022-09-24 22:39:11
レダと白鳥は再発されているようです。他は入手難しいかもですが、アルバムはyoutubeで聴けるみたいですね

youtubeを検索していたら、ねこちゃんという曲とフランチェスカという曲がありました。ねこちゃんは1980年の夢と幻からのレアな曲です。夢と幻はテープなので全く聞いていませんでしたが、今回20年ぶりくらいに聞きました
フランチェスカは初めて聴きました。こういったレアな曲を聴きたいです。
ありがとうございます。 (ひより)
2022-09-25 07:39:42
パパのすけさま、いらっしゃいませ!
コメントを書いてくださってありがとうございます。
当時2ndは通販で入手しましたが、1stと3rdはオクで手に入れました。その後音楽雑誌かなにかで再発情報を見たような気がしましたが勘違いだったかな?でもいまはyoutubeで音源は聴けるんですね。
<夢と幻>は知りませんでした。教えてくださってありがとうございます。

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