雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

格差

2007-03-29 21:53:39 | 時事
昨年秋に内閣府から出た「世界の潮流」では、2007年の経済は減速傾向で、全体では伸び悩み状態にある。最近は「格差」という言葉も聞かれ、猪瀬さんがどこかでこれを多様ととらえようとしていたが、僕はそうは思わない。先がみえない状態で混迷し、多種多様に手を伸ばしているから多様にみえるのだと思う。だから竹中さんがいうように、今は何をどうやってもという選択肢があるが、どれも堅実で成長率があるとは思えない。

そしてその大きな要因は、なんやかんや米中それぞれのなかでの格差だと思う。日本の景気は、それらにどうしても引きずられて、着陸地点を決めざるを得ない。これまでEUやロシアとのいろいろな交渉がほとんどものわかれに終っているからである。

というわけで中国の格差をGallup世論調査から。

13億といわれる人口のうち、都会と田舎でずいぶん人口比がわかれていることは周知だが、5億6千万人が都会で、7億4500万人が田舎である。この都会化は近年のもので、かなり比率は高い。以前触れたときは、3割ほどだとレポートしたと思う。

結局中国の場合、都会と田舎、都会の中でのRich、Poor 層という見方だったが、今回の調査で明らかになったのは、田舎でも格差が出てきたということ。例えば、2006年での都会の平均給与が、28,748 RMB、2004年からみて4,000 RMBアップ、田舎では大体3,300 RMBアップとなっているが、中国の田舎は大体1000RMBアップがここ15年くらいの傾向だったから、田舎に工場進出などが著しい模様がうかがえる。

中国の都会での格差はこれまでどおり開いている。高給取りの上位20%が、2004-6年の間で40%増、低所得者の下から20%は約27%増とのことである。中国は第11次5ヵ年計画に入っており、今のところそれなりだと感じているが、いかが?

ただし中国にはいろんな問題があることも事実。例えばNY Times によれば、中国は、2005年から15年の間に高齢者の総人口に占める割合が倍になる。現在の定年は女性50、男性55だが、システムの変更は必至。なんといっても前世紀からの数字しか見てないが、高齢者がこんなに多い社会を経験したことがない(2050年には3分の1が高齢者)。また、男の人数も少ない(「Feminism とPostmodern 4」参照)し、システム安定を求められてる金融もアメリカともめそうだし(Washingtonpost)。

続いてUSAを NY Times から。

同記事によると、この国は、相変わらずのことだが、2005年度の儲けは全部Top1%がかっさらっている。年収348,000ドルで、1928年以来ではShare 率は最も高い。アメリカの50%以下のひととの給与差は、440倍である(1980年の時点からみて倍になってる)。

そして上位10%が年収100,000ドルで、これも大恐慌以来の富のShare率の高さ。一方これ以外の90%のひとは、金額で、$172、0.6 %マイナス。

Top 1%のひとは何で儲けているかというと、ほとんど株と投資。前年度より、$139,000アップの14%増。

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