中国の新聞(英語版と日本語版)というと、右(保守派)といえば聞こえはいいが(よくない?)、いつもながら政府の代弁者のようである。そんななかのひとつChinanewsによると、China National Offshore Oil Corp.が、イタリアの石油会社Eni(保有量世界第六位、天然ガス売り上げ欧州2位)と共同で、香港の南東180キロのところに新しい油田を発見した。1日に5千バレルの良質の石油が供給される見込みらしい。
中国のエネルギー不足は有名だが、だからといって中国には石油を掘る力どころか海外の石油会社を買収してもその運営能力もないとつい最近までいわれていたはず(BBCなど)。しかし今回は、CNOOCが、51%の出資をしていて、実質的な決定権を手中にしている。また、BBCなどによると、最近世界で最も有益な投資国に選ばれた中国は、米英の銀行金融資本を受け容れている(外国資本は25%以下のまま)。そして中国国内初のベンツ生産(数日前)といい、一見欧米化がどんどん進んでいるようにみえる。
そんななか一向によくならないのが、日本との関係。People's Daily Onlineでは、日本の「中国脅威論」を取り上げている。まず、記憶に新しい、麻生外務大臣と前原民主党首の発言を無責任とし、日本の、特に読売新聞の中国脅威論の根拠、軍事予算の増大、を論破。国土が中国の25分の1、人口が10分の1の日本の方が、中国の軍事予算の1.62倍、兵士一人当たりの費用は15倍にあたるのだからどちらが脅威か?と問い返している。
それはそれで理論は通っているが、日本としたら、まず日本領海内にあると思われる天然ガス採掘問題でのゴリ押しがどうしても安心できない(結局共同採掘という話もどこ吹く風だし)。したがってアメリカと共同で実質的に押さえ込まれている領土を取り返すことを今年初めの日米会談で日米共有の目的にいれたわけだが、同新聞もこれに言及し、「中国の」領土を日本国防圏内にいれていると非難している。
以前も書いたが、経済での日中のパートナシップはすでに抜き差しならぬもので身動きが取れないほどだが、日中両政府は、お互いの国民が互いに悪感情を持っていることには問題意識を持っているらしく、日本の外務省は、数日前、中国に日本のアニメなどを放送してもらうよう交渉を始め、中国の新聞(日本語版)は、中国が興っているのは日本国民ではなく日本政府であるという論旨を展開しているように思う。
BBCやNY Times はこうした日中の衝突を東アジアのパワー・バランスを争う(もしくはパワー関係が転換される際の)イメージ合戦(口げんか)と揶揄していたが、そうした過渡期にいることは間違いない。いろいろなひとがいろいろな思惑で、Laise Faire式に言動が展開する最後に、笑っているのはどちらか一方か、どちらもか、また、第三国か?
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