ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

ニーズとかウォンツとか・・・

2016年05月10日 01時44分12秒 | ちょっと休憩
この業界、いや仕事であろうがなかろうが・・・・

ニーズとかウォンツなどという言葉をきくことになります。


確かにソレらは大事なことで、何も知らずに取り掛かるとエライことになる、と言うことも誰でも判りそうなものです。


例えば私の場合、20数年居たホテルのフレンチのクオリティをもう少し低価格で、しかも格式を落とした環境で提供する場所のニーズはあるはず、と思ってスタートを切りました。

で、更には・・・

1:ワインは料理に合わせたグラスワイン、

2:箸は置かない

3:子供はOK

4:道行く人を招き入れる場所でなく、わざわざ来ていただけるゲストがターゲット

等々がコンセプトに置かれました。

まだたくさんの項目がありますが、例えば1と3は明らかにニーズがあります。

2はありません。と言うよりニーズに反しています。

4は他のコンセプトなどを実践するうえで大事な部分。


しかし私の中ではコレはとても大事なことで・・・・(理由はお店で‼)


つまり「店を始めよう」という時点で既に「ある種のニーズやウォンツ」は取り入れて、「自分のしたいこと」をしているわけです。

ですので店を始めてから、過剰に「ニーズを探る」とか「お客様が言うから」といって形態や方法を変えていては「何のために始めたの?」という事になってしましまいますね。



ただ、なんの反省も改革もなしには営業は続きません。

赤字なのに策を弄さない、って訳にはいかないんですね。

が、「フレンチをしたいのにゲストのニーズが和食が多い」という理由で変えていてはシェフの心が踏みにじられますし、既に付いている顧客を裏切ることにもなります。

「サラリーマンでも来やすい価格」を標榜しているのに「もっと上等なワインを在庫しろ」と言われ「気が付けば高いワインを売ることに執心していた」では矜持もへったくれもありません。

あ、そうでない出発点=オーナーのビジネスとして、とか数多い従業員の生活を支える為、とかの場合もあるのは重々承知しています。


ではニーズ、ウォンツはそれ以降は察知する必要なないのか?というと沢山あるわけです。

例えば・・・

あのお客様は水が欲しいはず・・・

このお客様は急いでいるようだ・・・

苦手の食材がある・・・

「いつもと違うメンバー」なので様子を見よう・・・

接待なので同業の予約とは離した方がよい・・・

などなど、いくらでもあります。

勿論、それでも「聞いてはいけないニーズ、ウォンツもある」ということはあるわけです。

「禁煙なのに、吸わせてと言われ灰皿を出した」とか

「昔は許されたので車を運転している人に酒を出した」

いろいろです。


って言いながら「ニーズ」と「ウォンツ」の差もあまり理解していない私が何を偉そうに、ってことですね(汗)


いつ潰れるか判らない店をしていると(最近は大企業も同じですね)仲間でそんな話をすることも多いのです。

「何をしたかったのか?」「どういう実現の仕方を望んでいたのか?」を忘れずに、というのが私の肝です。


            樋口誠