271828の滑り台Log

271828は自然対数の底に由来。時々ギリシャ・ブラジル♪

周期可変型遊具(実は遊動円木その1)

2009-03-28 05:28:23 | 遊具
3月20日に日本科学未来館で公開した遊具の試作品2点について、記憶が薄れないうちにその開発の経緯を記そうと思います。安全な遊具を作るという試みは危険学プロジェクトの遊具分科会の目標でした。私が本プロジェクトに関わり始めたきっかけは07年10月、つくばで開かれた"第6回産総研サイエンスカフェ「こどもの事故を"予防"する」"をGoogleのアラートで知ったことです。その後、だんだん頼りにされて、もの作りを担当するようになったのです。
08年の5月から畑村先生と工学院の学生さんも交えて打ち合わせを重ね、夏には群馬まで工場見学に来て頂きました。この中で固まって行ったのが「回転シーソー」ですが、これについては改めて取り上げます。
学生さん達は若いので遊動円木を知りません。ところが指導教官は小学生の頃に遊動円木で遊び、楽しかった思い出を沢山持っていたのでしょう。これは私も同じですが。この遊具は俺一人でも考える、と言ってくれました。そして11月も終わりの頃、突然電話が鳴り「12月3日に神田に来てくれ」です。神田の事務所にお伺いすると、学生さんは一人もいなくてオジサン二人が出迎えてくれました。畑村先生と近石さんでした。そして見せられたのが冒頭の模型です。

細部まで説明を受けたはずですが、模型の印象が強くて、打ち合わせの内容が記憶に残っていません。実は二重リンクの遊具の図面を持参していたのですが、この出来は良くなかったのです。機構の自由度が高いので動きに任意性があるからです。この模型の円筒形のカバーを外すと見慣れないリンク機構が現れました。

スチレンボードで作られた模型は実に上手く作られていて、動かすことも出来ました。銅パイプをピンに使っているので摩擦を避けるためにリンクを一部省略し、質量が足りない分を薄い板バネで補っていました。オジサン二人は「どーだ」という表情でしたが、私達は突然の展開に驚き、半信半疑でした。
80cmもある大きな模型をお借りして持ち帰りました。翌朝、模型を採寸してこれが1/5モデルであることを確認しました。この模型から実物の動きを推測するために高速度撮影(300fps)を行ってみました。時間を10倍に引き延ばしています。


質量が足りないので台座を揺らして撮影したのです。また近石さんからは手描きの図面がPDFで送られて来たのです。模型と図面、これだけが私が頂いた情報でした。でも「畑村少年の夢」にとことん付き合ってみようと思ったのです。

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