THE PAGE 5月29日(水)15時52分配信
東京ディズニーランドのホームページで、園内での禁止項目に「公衆送信目的の撮影等」が追加され、「写真のツイートも禁止か?」とネット上で話題になっている。
話題になっているのは、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの各ホームページのQ&A「パークについて」にある「次の行為は固くお断りします」という項目。そこに「公衆送信または商業目的の撮影等」が追加された。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドの広報によると、同項目は28日午後2時頃に追加したという。
このため、ホームページを見た人たちが「『公衆送信』ってなに?」「ディズニーランドで撮影したツイートできないの?」などと相次いでツイートしている。
広報担当者によると、禁止の対象になる「公衆送信」とは、「他のゲスト(来園者)の迷惑となるもの」で、例えば他の客が写っている写真などをツイートする行為が考えられるほか、動画のアップロードも多くの人が写り込む可能性が高いので、対象になり得るという。それ以外は「ケースバイケースなのでお答えすることができません」とし、ツイッターでの写真投稿などは「個人の範囲で楽しんでいただきたい」と話している。実際に「公衆送信」を行っている現場を見つけた場合、スタッフが注意する方針だ。
この禁止項目を追加した背景として、ソーシャルメディアの広がりによって、動画や写真について来場客から苦情が来ることがあったという。
禁止項目について問い合わせが相次いだため、オリエンタルランドは29日午後2時ごろ、「混乱を招く表記だった」として表記を修正。公衆送信の説明として「他のお客様等のご迷惑となる撮影および公衆送信」と補足した。
広報によると、こうした禁止項目は東京ディズニーランド独自のものであり、他国のディズニーランドでも禁止しているかどうかは分からないという。
◆「Q&A」ページに項目追加
・ 東京ディズニーリゾートで撮った写真はTwitterに投稿できない? Q&Aに追加された1文の意図は - ねとらぼ(5月28日)
・ 東京ディズニーランド/東京ディズニーシーからのお願い - 東京ディズニーリゾート
◇「公衆送信」とは
・ 公衆送信権 - kotobank
・ 公衆送信権・伝達権 - 著作権GO!GO!
・ 公衆送信権(前編) - やさしい法律入門 - 弁護士ドットコム
◇「生配信」も注意
・ ネット動画の「生配信」 法律的に注意すべき3つのこと - 撮影場所・肖像権・著作権の3点に注意が必要。弁護士ドットコム(5月26日)
ネット動画の「生配信」 法律的に注意すべき3つのこと
弁護士ドットコム 5月26日(日)16時15分配信
ニコニコ生放送やUstreamなどのインターネット生配信を行う人が増えている
ニコニコ動画やUstreamなど、誰でも気軽に動画をネット配信できるプラットフォームが広がっている。なかでも撮影した動画をリアルタイムで中継する「生配信」は、小規模なスタイルなら、スマートフォンがあればいつでもできるという手軽さが受けている。
だが、それだけにトラブルも少なくない。先日も東京ディズニーランド内で、覆面マスク姿で生配信をしていた男性が警備員に呼び止められ、謝罪するという"事件"があった。本人の意図はうかがい知れないが、自らを格好の「さらしもの」としてネットの視聴者に提供したかっこうだ。
過去には、お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが、東京・原宿の路上で生配信中に警察官と口論になり、大きく問題にされたこともある。今後、生配信はより身近な存在になっていくだろうが、公の場所での生中継は、無関係な人をも配信に巻き込むことになる。無用なトラブルを避けるため、気をつけるべき点を三平聡史弁護士に聞いた。
●撮影場所・肖像権・著作権の3点に注意が必要
三平弁護士によると、動画を配信サイトに投稿(アップロード)する時に、注意すべき点(法律・権利)は主に次の3つだという。
(1)その場所が『撮影OK』かどうか
(2)他人の『肖像権・プライバシー権』は大丈夫か
(3)著作権に問題はないか
それぞれ解説してもらおう。
(1)場所
「場所によっては、動画や写真の撮影自体が禁止されます。『施設管理権』(最判平成7年3月7日)の一環として『撮影禁止』となっているお店、建物もあります。よく確認しましょう」
(2)肖像権・プライバシー権
「最高裁の判例(最判平成17年11月10日)では、以下のような基準が示されています。
(例1)人物が特定されない程度→肖像権の侵害には当たらない
(例2)人物が特定されるが一瞬映る程度→『撮影の目的』と『特定の明確性』のバランス次第
(例3)大事故の現場全体→侵害なし
(例4)大事故の負傷した被害者をズームで撮影→侵害あり
このような基準が示されていますが、『判断の不確定性』はどうしても残ってしまいます」
(3)著作権
「撮影しているのが公共スペースであれば、基本的に著作権法違反となることはほとんどありません。また、テーマパーク内のキャラクターやスポーツの試合、銅像・モニュメントなどは、著作権法の対象とならないか除外規定があり、原則的に著作権侵害とはなりません」
では、例えば一般人がJリーグの試合模様を配信できるのだろうか?
「ダメです。(3)著作権侵害には当たりませんが、Jリーグの試合会場は(1)撮影自体が禁止されています。気軽に配信できるのがネット生配信の良いところですが、だからこそ、こういった『法的注意点』をしっかり押さえておきたいものです」