メランコリア

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ボリス・ヴィアン全集9『ぼくはくたばりたくない』(早川書房)

2005-12-11 23:55:55 | 
ボリス・ヴィアン全集9『ぼくはくたばりたくない』(早川書房)
原題Je voudrais pas crever by Boris Vian
ボリス・ヴィアン/著 伊東守男、村上香住子/訳
初版1981年(1987年 2刷) 1000円

※2003.2~のノートよりメモを抜粋しました。
「作家別」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

以前読んだ詩集とダブるのもあり、新しく読んだのもあり。
同タイトルと、『凍った哀歌』『テキストとシャンソン』からの抜粋とのこと。

エッセイ集のほうは『ジャズ時評』『音楽よ前進せよ』、
全部アメリカの音楽雑誌に載ってたジャズ批評への文句
彼のオリジナルな文章が少なかったのか、それとも得意の批評精神が黙っていられなかったのか。

『ダウン・ビート』『ジャズ・ジャーナル』『メロディ・メーカー』『レコード・チェンジャー』
『メトロノーム』等に載ったサッチモ、バード、そしてなんといってもお気に入りのD.エリントンのこと。

大体黒人が生み出したジャズを白人が差別し、ヘタに真似して荒稼ぎしているといったようなことと、
ビーバップ擁護者としての反撃、自身が演奏者なだけにマスコミや評論家が的外れな考えを
押しつけようとしているのが我慢ならないといった様子。

エラやB.ホリデイら、今では巨匠ばかりひしめいていた、当時のジャズ界が生き生きと描かれているのが興味深い。
そして、自身でも書いていたシャンソンについて、ジャズとの深い関わり合いを歴史とともに熱く語っている。
よく出てくる“インプロヴィゼーション”とは即興のことか?

毎回このシリーズの裏表紙に使われているヴィアンのプライベート写真の数々も楽しみのひとつ。
今回はマイルス・デイヴィスと仲良さげに肩を組み、その隣りは奥さんだろうか?
前はたしか小さな劇場の幕前に立って挨拶をしている場面だった。

短い人生とはいえ、これだけ多種多様な才能を発揮して、あらゆるシーンで活躍したというのは、
本人が満足できる名声を勝ち得なかったとしても素晴らしいことには違いない。


improvisation:
即席に作ること 即席演奏 即席の作品(詩、歌、音楽など)




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