1973年初版 1986年 第15刷 白木茂/訳 山中冬児/装幀・口絵 桜井誠/挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
外国の寄宿学校て、実際のところ、教育にいいのかな、悪いのかなあ?
【内容抜粋メモ】
●聖アーシュラ学園の3人の不平分子
土曜の午前は持ち物検査
1人1人の隅々まで見ることは出来ないから、引き出しの上だけたたんだ服を置く
仲良し3人組がいる西寮、通称「パラダイス横町」
校長らは、3人を“伝道師”と呼び、食べることが大好きなアイリーネ
人ズレしてるメー、真面目すぎるケレンと同室にして
それぞれに良い影響を与えるよう仕向けたことにガマンならない3人
パッティ:わが偉大なる使命を実行しましょう!
その後、3人の活躍により、同室のコはガマンできずに教師に訴える
校長は、ユーモアがあると認めて、3人は横町に戻される
校長:私の長い経験によると、いじめられる生徒自身にも問題があります
●金曜の講演
金曜の午後は村へ買い物に出かけるのが楽しみなのに、また講演でつぶれてしまった
ロード先生は婦人参政権や労働組合運動など、進歩的な考えをもっているため
“憂いあれば、よろこびあり”
講演内容は、労働者は互いに手を結び、助け合う義務がある 連帯責任について
ローザリーはラテン語が苦手で泣いている
詩を2時間に80行も訳さねばならず、ほかの宿題にも影響している
パッティ:
講演で言ってたわ
一番上の能力のある人をもとにして労働時間を決めるのは不公平だ
いちばん下の人を基準にしなければ、弱い人が落伍者になってしまう
1日60行にするため、ストライキを起こそう
私たちはどうしても独立できない境遇にあるのよ
主人と同じ力で話し合うには、団結しなければならないの
ロード先生に組合を結成したと告げると、先生は激怒して
訳し終わるまで教室に残るよう命じる
1人で教室でランチをとらずに頑張るパッティに
日本人コックの大崎!が七面鳥の差し入れをする
下級生はバターロール、用務員さんはショウガパン
食いしん坊のアイリーネはチョコレートをさしいれる
校長の娘サリー先生に理由を話すと調停役となり
詩の訳は60行までに決まる
●クリスマスの計画 謝肉祭(カーニバル)
毎年、貧しい家を訪ねて、プレゼントする決まり
資金は、禁止されている流行語を使った者からの罰金で
1回につき1セント、全部で37ドル(約1万円)ある
学園の周りは高級住宅地で貧しい子はいない
校門近くに住むレンガ職人のマーフィー家の主人は
お酒を飲むと仕事がおろそかになり、生活が苦しい
パッティらが行くと、たくさんの子どもが騒いでいる
子どもの成長にあわせて、おじいさんが次男タマスの家に行かねばならず
おばあさんは寂しいと訴える
生徒は食事前のお祈りに遅れると罰点1つ
パッティは、クリスマスツリーを買うかわりに、貸家をかりて
生徒が2週間こづかいをガマンしたお金も足すと100ドル以上になるから
おじいさんとおばあさんが一緒に暮らせるようにしようと提案
木曜の晩の1時間はお作法の時間
生徒たちは貸家を飾りつけ、学園農場のジャガイモなどを地下室に置いたりする
おじいさんとおばあさんは引っ越してきて、暖炉の前で幸せそうに微笑み合っている
●クリスマス休暇
パッティの弟がしょうこう熱にかかって
今年のクリスマス休暇3週間は学園で過ごすことになりガッカリする
みんなは帰郷し、帰らないのは、ハリエットとキッド、パッティだけ
ハリエットの両親は離婚し、母は再婚
父は一度も手紙をくれたこともないため
ハリエットはいつもふさぎこんでばかりいる
教師らはパッティを呼び、お茶やトーストをふるまい、ハリエットと仲良くするよう頼む
友情はお菓子で買えるものじゃないと思っていたが、すっかり仲良くなる3人
●銀のバックル
パッティは家から来たクリスマスプレゼントを開けると
ピンクの舞踏服、絹の靴下、ダンスシューズには銀のバックルがついている
ハリエットは急に泣き出す
ハリエット:父は私が好きじゃないの
パッティ:
誰でも、しょっちゅうメソメソされたら同情ばかりしてられないのよ
コニーとプリシラと私がいつでも仲良しなのは
互いに相手の欠点をありのまま言い合って、直そうと努力するからなの
テキサスの派手な服を着て、部屋に飛び込んできたキッドを見て大笑いする3人
クリスマス当日
ハリエットの父が急に訪ねて来て、パッティは友だちと自分の衣装を貸して
クリスマスプレゼントの銀のバックルも貸してあげると、学園一の美人に変身する
父から映画に招待されて、喜ぶ3人
●キッドの失望
学園一お転婆なキッドの父は冒険好きな山師で、莫大な財産をつくって亡くなり
幼いキッドをイギリス人の友だちに任せた
同室のローザリーが貸した本の内容が自分にソックリで
イギリス人の後見人と結婚するため
急におとなしくなって、周りはビックリする
後見人が美しく上品な妻を連れて学園に来たのを見て
ショックを受けたキッドは、もとのお転婆に戻ってしまい
ハメを外しすぎて、1か月外出禁止の罰を食らう
日曜の夕方は、讃美歌が済むと2時間の自由時間
●パッティの冒険
歯医者に行く予定を忘れて、外を散歩していたパッティは
立ち入り禁止の立て札がたくさんある魔法の森に侵入する
アメリカでも名の知れた金持ちサイラス・ウィザビー氏の
イタリア式庭園は有名で、見せてほしいと校長が頼んだのに断った
庭師に声をかけて、玉ねぎを植えるのを手伝い、すっかり仲良くなる
庭師:ウィザビー氏は敵の多い人だが、苦労した人生で悪い人じゃない
犯罪をおかしても心の底はいい人間もいる
ウィザビー氏は前科者を更生させるために雇っている
コニーが珍しい植物を集めていることを話すと、運べるだけ持っていけという
ランチは2人でピクニックをして楽しむ
そこに使用人が来て、彼がウィザビー氏だと分かり、笑い出すパッティ
パッティ:イカす半日だったわ!
ウィザビー氏:1ペニーの罰金だ
●パイ騒動
心霊術に凝っているエバリーナは、霊媒師が5年前に死んだいとこの話をして
レモンパイを食べるなと言ったことを信じている
貯蔵室にレモンパイを見つけたパッティは、エバリーナを驚かせようと
シーツをかぶって、夜の0時、エバリーナの部屋に入ると大声で叫ばれたため
学園中が目を覚ましてやって来る
パッティは慌てて地下2階に通じるダスターシュートから降りると
お腹を空かせた泥棒とかちあい、レモンパイをごちそうする
男はもと庭師で、友だちに酒をおごられ、酔った間に主人の家のモノを盗み
その濡れ衣をきせられ2年間刑務所にいたせいで、誰も雇ってくれないと訴える
パッティはウィザビー氏を紹介してあげる
その後、ウィザビー氏は学園の生徒を庭に招待し、自ら案内してくれる
庭師となった男はパッティに気づいてお礼を言う
●ジプシーの歌
ジェリングズ先生がイライラしているのは、恋人のギルロイ氏とケンカしたから
5月の最後の金曜は仮装大会
翌日は、衣装をつけて記念写真を撮るために町の写真屋さんに行く
パッティらはジプシーに扮して、馬車に乗りそびれる
ギルロイ氏の家を訪ねて、パッティはジプシーのまま占ってあげる
パッティ:
女性とけんかしたね
彼女は4か月もあんたが来るのを待ってる
チャンスはもう一度だけ訪れる
2人は仲直りして、パッティが一役買ってくれたことに感謝する
♪ジプシーの歌
ジプシーの血は流れる
ジプシーからジプシーへ
世界から世界へ まじりなきこの血すじ
世界をめぐり 世界を流れて
やがてはかえる 君がもとへ
■解説
ジーン・ウェブスター
NY生まれ 本名はアリス・ジューン・ウェブスター
マーク・トウェインは大叔父にあたる
経済学の研究のために少年犯罪者と貧しい家の子を収容する施設などを見学
『足ながおじさん』を書く前年、1911年に本書を発表
彼女の女学生時代の体験をもとに書いたと思われる
生涯に6編ほど書いて、1916年、40歳の若さで亡くなった/驚
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
外国の寄宿学校て、実際のところ、教育にいいのかな、悪いのかなあ?
【内容抜粋メモ】
●聖アーシュラ学園の3人の不平分子
土曜の午前は持ち物検査
1人1人の隅々まで見ることは出来ないから、引き出しの上だけたたんだ服を置く
仲良し3人組がいる西寮、通称「パラダイス横町」
校長らは、3人を“伝道師”と呼び、食べることが大好きなアイリーネ
人ズレしてるメー、真面目すぎるケレンと同室にして
それぞれに良い影響を与えるよう仕向けたことにガマンならない3人
パッティ:わが偉大なる使命を実行しましょう!
その後、3人の活躍により、同室のコはガマンできずに教師に訴える
校長は、ユーモアがあると認めて、3人は横町に戻される
校長:私の長い経験によると、いじめられる生徒自身にも問題があります
●金曜の講演
金曜の午後は村へ買い物に出かけるのが楽しみなのに、また講演でつぶれてしまった
ロード先生は婦人参政権や労働組合運動など、進歩的な考えをもっているため
“憂いあれば、よろこびあり”
講演内容は、労働者は互いに手を結び、助け合う義務がある 連帯責任について
ローザリーはラテン語が苦手で泣いている
詩を2時間に80行も訳さねばならず、ほかの宿題にも影響している
パッティ:
講演で言ってたわ
一番上の能力のある人をもとにして労働時間を決めるのは不公平だ
いちばん下の人を基準にしなければ、弱い人が落伍者になってしまう
1日60行にするため、ストライキを起こそう
私たちはどうしても独立できない境遇にあるのよ
主人と同じ力で話し合うには、団結しなければならないの
ロード先生に組合を結成したと告げると、先生は激怒して
訳し終わるまで教室に残るよう命じる
1人で教室でランチをとらずに頑張るパッティに
日本人コックの大崎!が七面鳥の差し入れをする
下級生はバターロール、用務員さんはショウガパン
食いしん坊のアイリーネはチョコレートをさしいれる
校長の娘サリー先生に理由を話すと調停役となり
詩の訳は60行までに決まる
●クリスマスの計画 謝肉祭(カーニバル)
毎年、貧しい家を訪ねて、プレゼントする決まり
資金は、禁止されている流行語を使った者からの罰金で
1回につき1セント、全部で37ドル(約1万円)ある
学園の周りは高級住宅地で貧しい子はいない
校門近くに住むレンガ職人のマーフィー家の主人は
お酒を飲むと仕事がおろそかになり、生活が苦しい
パッティらが行くと、たくさんの子どもが騒いでいる
子どもの成長にあわせて、おじいさんが次男タマスの家に行かねばならず
おばあさんは寂しいと訴える
生徒は食事前のお祈りに遅れると罰点1つ
パッティは、クリスマスツリーを買うかわりに、貸家をかりて
生徒が2週間こづかいをガマンしたお金も足すと100ドル以上になるから
おじいさんとおばあさんが一緒に暮らせるようにしようと提案
木曜の晩の1時間はお作法の時間
生徒たちは貸家を飾りつけ、学園農場のジャガイモなどを地下室に置いたりする
おじいさんとおばあさんは引っ越してきて、暖炉の前で幸せそうに微笑み合っている
●クリスマス休暇
パッティの弟がしょうこう熱にかかって
今年のクリスマス休暇3週間は学園で過ごすことになりガッカリする
みんなは帰郷し、帰らないのは、ハリエットとキッド、パッティだけ
ハリエットの両親は離婚し、母は再婚
父は一度も手紙をくれたこともないため
ハリエットはいつもふさぎこんでばかりいる
教師らはパッティを呼び、お茶やトーストをふるまい、ハリエットと仲良くするよう頼む
友情はお菓子で買えるものじゃないと思っていたが、すっかり仲良くなる3人
●銀のバックル
パッティは家から来たクリスマスプレゼントを開けると
ピンクの舞踏服、絹の靴下、ダンスシューズには銀のバックルがついている
ハリエットは急に泣き出す
ハリエット:父は私が好きじゃないの
パッティ:
誰でも、しょっちゅうメソメソされたら同情ばかりしてられないのよ
コニーとプリシラと私がいつでも仲良しなのは
互いに相手の欠点をありのまま言い合って、直そうと努力するからなの
テキサスの派手な服を着て、部屋に飛び込んできたキッドを見て大笑いする3人
クリスマス当日
ハリエットの父が急に訪ねて来て、パッティは友だちと自分の衣装を貸して
クリスマスプレゼントの銀のバックルも貸してあげると、学園一の美人に変身する
父から映画に招待されて、喜ぶ3人
●キッドの失望
学園一お転婆なキッドの父は冒険好きな山師で、莫大な財産をつくって亡くなり
幼いキッドをイギリス人の友だちに任せた
同室のローザリーが貸した本の内容が自分にソックリで
イギリス人の後見人と結婚するため
急におとなしくなって、周りはビックリする
後見人が美しく上品な妻を連れて学園に来たのを見て
ショックを受けたキッドは、もとのお転婆に戻ってしまい
ハメを外しすぎて、1か月外出禁止の罰を食らう
日曜の夕方は、讃美歌が済むと2時間の自由時間
●パッティの冒険
歯医者に行く予定を忘れて、外を散歩していたパッティは
立ち入り禁止の立て札がたくさんある魔法の森に侵入する
アメリカでも名の知れた金持ちサイラス・ウィザビー氏の
イタリア式庭園は有名で、見せてほしいと校長が頼んだのに断った
庭師に声をかけて、玉ねぎを植えるのを手伝い、すっかり仲良くなる
庭師:ウィザビー氏は敵の多い人だが、苦労した人生で悪い人じゃない
犯罪をおかしても心の底はいい人間もいる
ウィザビー氏は前科者を更生させるために雇っている
コニーが珍しい植物を集めていることを話すと、運べるだけ持っていけという
ランチは2人でピクニックをして楽しむ
そこに使用人が来て、彼がウィザビー氏だと分かり、笑い出すパッティ
パッティ:イカす半日だったわ!
ウィザビー氏:1ペニーの罰金だ
●パイ騒動
心霊術に凝っているエバリーナは、霊媒師が5年前に死んだいとこの話をして
レモンパイを食べるなと言ったことを信じている
貯蔵室にレモンパイを見つけたパッティは、エバリーナを驚かせようと
シーツをかぶって、夜の0時、エバリーナの部屋に入ると大声で叫ばれたため
学園中が目を覚ましてやって来る
パッティは慌てて地下2階に通じるダスターシュートから降りると
お腹を空かせた泥棒とかちあい、レモンパイをごちそうする
男はもと庭師で、友だちに酒をおごられ、酔った間に主人の家のモノを盗み
その濡れ衣をきせられ2年間刑務所にいたせいで、誰も雇ってくれないと訴える
パッティはウィザビー氏を紹介してあげる
その後、ウィザビー氏は学園の生徒を庭に招待し、自ら案内してくれる
庭師となった男はパッティに気づいてお礼を言う
●ジプシーの歌
ジェリングズ先生がイライラしているのは、恋人のギルロイ氏とケンカしたから
5月の最後の金曜は仮装大会
翌日は、衣装をつけて記念写真を撮るために町の写真屋さんに行く
パッティらはジプシーに扮して、馬車に乗りそびれる
ギルロイ氏の家を訪ねて、パッティはジプシーのまま占ってあげる
パッティ:
女性とけんかしたね
彼女は4か月もあんたが来るのを待ってる
チャンスはもう一度だけ訪れる
2人は仲直りして、パッティが一役買ってくれたことに感謝する
♪ジプシーの歌
ジプシーの血は流れる
ジプシーからジプシーへ
世界から世界へ まじりなきこの血すじ
世界をめぐり 世界を流れて
やがてはかえる 君がもとへ
■解説
ジーン・ウェブスター
NY生まれ 本名はアリス・ジューン・ウェブスター
マーク・トウェインは大叔父にあたる
経済学の研究のために少年犯罪者と貧しい家の子を収容する施設などを見学
『足ながおじさん』を書く前年、1911年に本書を発表
彼女の女学生時代の体験をもとに書いたと思われる
生涯に6編ほど書いて、1916年、40歳の若さで亡くなった/驚