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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ボリス・ヴィアン全集8『帝国の建設者』(早川書房)

2005-12-10 23:55:55 | 
ボリス・ヴィアン全集8『帝国の建設者』(早川書房)
原題Les Batisseurs d'Empire by Boris Vian
ボリス・ヴィアン/著 伊東守男・利光哲夫/訳
初版1982年 1100円

※2003.2~のノートよりメモを抜粋しました。
「作家別」カテゴリーに追加しました。


あらすじ(ネタバレ注意

帝国の建設者
なんだかワケわかんない話。あとがきを読んで、裕福な家に育ったヴィアンが
だんだん狭い家に住むことになった経緯が関係していること、
外からの音の恐怖は、持病の心臓の鼓動かという説明ですこし納得。

それにしても、この殴られっぱなしのシュミルツ役は、過酷すぎないかと心配になった
あくまで劇作家として“死の不安”“生の不条理”“ブラックユーモア”を追求したと考えれば受け入れやすいかも。

【ストーリー】
父、母、娘、メイドが、意味不明な音に怯えて追われるように部屋を飛び出し、上階へと逃げてゆく。
部屋の片隅にいるのかいないのか、シュミルツという男。喋るごとに皆で彼を邪険に殴りつける。
それなのになぜ逃げるのか、音は何か、シュミルツが誰か、皆知ってか知らずか触れるのもタブー。
そのうちお隣さんの息子、父、そしてメイド、娘、母も次々消えてゆく。
最上階に着き、音は迫り、父は独り言を言いながら部屋から飛び降りる。


メドューサの首
こっちはオチもあるラヴコメ風。

一緒に住んでいるクロードとフランシスは、ボノー氏の妻リュシーが好き
FとLは浮気中で、Cは横恋慕 そこにBが越して来る
理由は、浮気相手の詮索と、自分の小説を書くのに苦しみが必要なことw

CはLを追って部屋を出て、入ってきたFはCに対して嫉妬で怒る
そこへLが来る

実は、今まで彼女が浮気した何人もの男とはすべて整形を繰り返していた1人の男で
しかも、それは小説のために苦しみが必要だった夫がお膳立てした相手だった!

ラストはCとLが2人の前から駆け落ちする


最高の職業
これも聖職者を思いっきりバカにしたラヴコメ。

ソーレイユ神父は説教にショービズを取り入れ、まさに1幕目が終わり大喝采の中、楽屋に興奮して戻ってくる
ラジオの生出演をお願いしようとスタッフがスタンばっていて、その最中に警官が俳優に転職したいとくる
天職をまっとうしなさいと説得 それはテープにとられていて「最高のルポだ!」


スケッチ1 各人各蛇
聖書物語のイヴとアダム、ヘビの話のパロ!
アダムはなぜか郵便配達人の制服を欲しがってるし、ヘビはブキミなキャラ。
イヴは姦通って言葉に妙にコーフンして、アダムといい仲になって子どもを作るつもり。

「天国なんてウンザリだ!」


スケッチ2 車
フランスの交通渋滞の凄まじさをパロったMP的スケッチ。
「一挙に600mも進んだぞ!」とコーフンする男。
どっかの町まで行くのに何日もかかってるタクシー運転手
『交通渋滞新聞』が配られ、1m進んだ車を報道する。



【あとがき】

『将軍たちのおやつ』はロングランの人気出し物。
『ボリス・ヴィアンの死後の生涯』イシェル・フォーレ UGE刊
ヴィアン初の創作劇で、生前唯一上演されたのは『屋入門』'46
ヴィアンの戦争に対する反感がうかがえる作品。



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