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■『八日目の蝉』(2011)
原作:角田光代 監督:成島出
出演:井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子、田中哲司、市川実和子、余貴美子、平田満、風吹ジュン、劇団ひとり、田中泯 ほか
主題歌:♪Dear/中島美嘉
「優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。」
▼trailer
▼story
野々宮希和子は妻子ある秋山丈博と不倫関係にあった。堕胎経験があったため、子どもが産めない体の希和子に対して、
妻の恵津子は、希和子のアパートを訪ねて「あなたみたいな空っぽの体の女に何ができるの
」と別れることを強く要求した。
恵津子が子どもを産んだ時、赤ちゃんの顔をひと目見れば気持ちに整理がつくだろうと思った希和子は、
恵津子が外出した時を狙って家に侵入し、泣いている赤ん坊・恵理菜を抱くと、無意識に連れ去ってしまった。
希和子が誘拐犯として逮捕され、恵理菜は大学に通いつつ、バイトをして自活している。
4歳まで母だと思っていた希和子を「家庭をめちゃくちゃにした女」として憎む一方で、
自分を母だと認めてくれない傷を持つ実母はヒステリーを起こし、両親とはどう接していいのか分からない。
そして、また、自分も希和子同様、妻子ある岸田との子どもを身ごもっていると分かる。
「過去の事件の話を書きたいから、詳しく話してほしい」と千草という女が現れる。
千草が「あれはあなたのせいじゃない」と言ってくれたことで、恵理菜は少しずつ心を開き、
千草の言われるままに、かつて自分がいた場所を訪ね歩く旅に出る・・・
公開当時から、きっと重いけど素晴らしい作品だろうなと思っていたが、期待以上に素晴らしかった。
大半のロケ地はウィキであるとおり、小豆島だろうか。地元の方も出演して自然と寄り添った素朴な生活がステキ。
映画でも取り上げられている火
の行事は、「虫送り」といって、肥土山地区において約300年の伝統があるそうな/驚
ちなみに、エンジェルホームのロケ地は、長野県富士見町の廃校が使われているらしい/驚
社会から疎外され、男性から虐待等を受けるなどした女たちが逃げ込む、いわば「駆け込み寺」。
そこで暮らす子どもたちは、俗世間をまったく知らない純粋無垢な存在として尊重されているが、
団体解散後、特殊な環境で育った子どもたちは、急に現実世界に投げ出されたことでココロが歪んでしまう結果になるのも皮肉だ。
たしかに、恵理菜のたどった運命は過酷すぎるが、本作には絶対的な悪は存在しない。代わりに人間の弱さがある。
そして、どんなに傷が深かったとしても、幼少期に注がれた余りあるほどの愛情は、彼女のその後の支えにもなった。
千草は、タイトルにもある8日目の蝉の話を何度も恵理菜に問いかける。
蝉は生まれて7日で死んでしまう。それは皆死んでしまった後に一人だけ残されて悲しいことか?
それとも、もしかしたら、8日目に皆が見れなかったとても美しいものがたくさん見れて幸せだったか?
「お母さんとたくさんたくさん、キレイなものを見ようね!」
恵理菜は、もしかすると、ふつーに生まれた子どもより、ずっと濃くて、深い愛情に包まれて育ったのかもしれない。
そして、その愛された記憶は一生消えないんだ。
本作は、井上真央、永作博美、小池栄子という3人の女優の見事な演技が見物。
いろんな面で先日観た湊かなえ原作のドラマ『贖罪』も思い出して、小池栄子さんの演技の幅に正直驚いた。
『純と愛』でおかみさん役だった余貴美子さんの変身ぶりもびっくりだし/驚
きっと、テレビドラマのほうもいいだろうし、原作はさらに素晴らしいんだろうなあ!
原作者の角田光代さんの他の作品も気になってきた。
原作:角田光代 監督:成島出
出演:井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子、田中哲司、市川実和子、余貴美子、平田満、風吹ジュン、劇団ひとり、田中泯 ほか
主題歌:♪Dear/中島美嘉
「優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。」
▼trailer
▼story
野々宮希和子は妻子ある秋山丈博と不倫関係にあった。堕胎経験があったため、子どもが産めない体の希和子に対して、
妻の恵津子は、希和子のアパートを訪ねて「あなたみたいな空っぽの体の女に何ができるの
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恵津子が子どもを産んだ時、赤ちゃんの顔をひと目見れば気持ちに整理がつくだろうと思った希和子は、
恵津子が外出した時を狙って家に侵入し、泣いている赤ん坊・恵理菜を抱くと、無意識に連れ去ってしまった。
希和子が誘拐犯として逮捕され、恵理菜は大学に通いつつ、バイトをして自活している。
4歳まで母だと思っていた希和子を「家庭をめちゃくちゃにした女」として憎む一方で、
自分を母だと認めてくれない傷を持つ実母はヒステリーを起こし、両親とはどう接していいのか分からない。
そして、また、自分も希和子同様、妻子ある岸田との子どもを身ごもっていると分かる。
「過去の事件の話を書きたいから、詳しく話してほしい」と千草という女が現れる。
千草が「あれはあなたのせいじゃない」と言ってくれたことで、恵理菜は少しずつ心を開き、
千草の言われるままに、かつて自分がいた場所を訪ね歩く旅に出る・・・
公開当時から、きっと重いけど素晴らしい作品だろうなと思っていたが、期待以上に素晴らしかった。
大半のロケ地はウィキであるとおり、小豆島だろうか。地元の方も出演して自然と寄り添った素朴な生活がステキ。
映画でも取り上げられている火
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ちなみに、エンジェルホームのロケ地は、長野県富士見町の廃校が使われているらしい/驚
社会から疎外され、男性から虐待等を受けるなどした女たちが逃げ込む、いわば「駆け込み寺」。
そこで暮らす子どもたちは、俗世間をまったく知らない純粋無垢な存在として尊重されているが、
団体解散後、特殊な環境で育った子どもたちは、急に現実世界に投げ出されたことでココロが歪んでしまう結果になるのも皮肉だ。
たしかに、恵理菜のたどった運命は過酷すぎるが、本作には絶対的な悪は存在しない。代わりに人間の弱さがある。
そして、どんなに傷が深かったとしても、幼少期に注がれた余りあるほどの愛情は、彼女のその後の支えにもなった。
千草は、タイトルにもある8日目の蝉の話を何度も恵理菜に問いかける。
蝉は生まれて7日で死んでしまう。それは皆死んでしまった後に一人だけ残されて悲しいことか?
それとも、もしかしたら、8日目に皆が見れなかったとても美しいものがたくさん見れて幸せだったか?
「お母さんとたくさんたくさん、キレイなものを見ようね!」
恵理菜は、もしかすると、ふつーに生まれた子どもより、ずっと濃くて、深い愛情に包まれて育ったのかもしれない。
そして、その愛された記憶は一生消えないんだ。
本作は、井上真央、永作博美、小池栄子という3人の女優の見事な演技が見物。
いろんな面で先日観た湊かなえ原作のドラマ『贖罪』も思い出して、小池栄子さんの演技の幅に正直驚いた。
『純と愛』でおかみさん役だった余貴美子さんの変身ぶりもびっくりだし/驚
きっと、テレビドラマのほうもいいだろうし、原作はさらに素晴らしいんだろうなあ!
原作者の角田光代さんの他の作品も気になってきた。
今度、ぜひ借りて見てみます。小説派の僕は小説読んでみます。
原作はさらに人物の心理描写やらが分かって、
絶対読み応えありそうですよね!
読んだら感想聞かせてくださいませ~。