メランコリア

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ドラマスペシャル『白洲次郎』

2013-08-21 09:55:16 | ドラマ
ドラマスペシャル『白洲次郎』
出演:伊勢谷友介、中谷美紀、奥田瑛二、原田美枝子、高良健吾、塩見三省、石丸幹二、岸部一徳、原田芳雄  ほか

こないだ本で白洲さんのエピソードを読んだ縁もあるけど、
なんだか急に田中啓司さんてカッコいいなと思って、出演作を調べて、
今までけっこう見てきたことに気づいたw 最近よく見るなあとは思ってたけど、それ以上!
今作にも白洲の友人役でチラッと出演しているから見てみた。

原田美枝子さん×奥田瑛二さんの共演は豪華。
ずっと昔に見た「遠めがねの女」ってドラマが強烈な印象に残ってる。
故・原田芳雄さんが吉田茂役を演じているのにも注目。

白洲さんのダンディズムは、単に欧米化した生活習慣だけじゃなく、
日本人の誇りを持ちつつ、グローバルに考えて、常に先見の眼を持って、行動に表していたことだな。

やたらと音楽が凝ってると思っていたら、「あまちゃん」の大友良英さんだった


第二回 1945年のクリスマス



次郎の父は、「白洲将軍」と言われるほど傲慢な貿易実業家だった。
家に大工を住まわせて、家を建て増しするのが道楽。不倫相手が子どもを連れて金を要求してくることもあった。
次郎は、小さい頃とても体が弱く何度も死にかけた。母は懸命に介護したという。
♪浮世いうたかて 怖いことあらへん わてのイエスはん て大阪弁の聖歌が面白い。




次郎が17歳の頃は、ケンカ三昧の不良。英語の家庭教師がついていたため、英語力を買われて父にイギリス留学を言い渡される。
1923年、ケンブリッジに入って9年間勉強する。そこで教授から
「私の言うことを繰り返すだけではダメだ。自分で考えなければ。それが学問だ」
「まず否定しなさい。そして再考するのです」と言われて目が開かれる。

父が破産。送金がムリとなり、帰国せよと母の手紙がくる




1928年(昭和3年)。アメリカ留学から帰国した伯爵令嬢・正子と、ジャパン・アドバタイザーに勤務していた白洲が出会う。
いきなり英語で話しかけるってビックリ。

次郎「あなたはとても孤独な人だ。私と似ている。自分の責任を果たしたいが、何をどうしたらいいか分からない」
正子「私の自尊心を見透かされていた」

その後、見合い写真?に「君は僕の発想の源であり、究極の理想だ」て書いてあるのも落ちない女性はいないよね



正子の父は議員で、2人の結婚に猛反対するが「それなら家を出ます!」と叫ぶ正子。
海辺で後ろから抱きしめて、指にリングをプレゼントするって映画みたい。

父と母は別居し、次郎の仕送りで神戸に残るという母。

友人つながりで自由主義者の牧野、近衛らと引き合わされる。
「政治と無関係とは言わせないぞ」とハッパをかけられ、吉田茂と牧野との連絡役を頼まれる。

広田らの組閣会議に文句をつける軍部にキレた吉田は、イギリス大使に飛ばされる。

1937年。第一次近衛内閣。



白洲は「政治の野次馬」と自らを称し、近衛のフォローをしていたが満足していなかった。

父が大分で死去。遺書は「葬式無用。戒名不用」
父は田舎でひとり米や野菜を作って暮らしていた。
「死んだら腐るだけや。生きてるうちは楽しまな」



白洲は近衛のやり方に文句を言って去る。

1939年。ロンドン。
友人が集めた有力者の晩餐で、日本は狂気に走ろうとしている中、親英米派もいることを友人に伝えてほしいと頼む白洲。
次郎「私に立場などない。絶対の根拠は良心です。戦争を避けるために協力してほしい」と訴えるも
「感情論ではどうにもならない」と断られる。

1941年。近衛内閣総辞職。
太平洋戦争がはじまる

白洲家には3人子どもが生まれる。
日本は戦争に負けると発言したことで会社をクビになり、空襲も、食糧不足も見越して、一家で鶴川村に引っ越す。
家は「武相荘」と名付け、お百姓となる。40歳。妻32歳。


第二回 1945年のクリスマス
手取り足取り農業を教えてもらって、なんとか収穫。文句なく美味しかった
子どもたちにとってもいい環境だなあ!

「自由は本来は人間の尊厳だったはずだ」
「自由には責任が伴うものです」

正子は農業も、家事も、子育てにも関心がもてなかった。
「君はどこかへ逃げ出したいと思ってる」

40歳の白洲のもとにまで赤紙が届き、世田谷経堂町の辰巳を訪ね、「徴兵免除」を頼む。
白洲「人間にはそれぞれ天から与えられた天分がある。この無謀な戦争に関わることは、僕に与えられた役割ではありません!」

白洲は大空襲で焼け出された文士親子を連れてきて、一緒に住みはじめる。



昭和20年。終戦。GHQがなだれ込んでくる。マッカサーは近衛に新しい憲法をつくるよう命令。
近衛は次郎にプレス対応の翻訳を頼む。近衛は天皇を降ろすことも発言する。
アメリカのプレスは、近衛を激しくバッシングし、その内容は日本の社説にも取り上げられる。
「早く草案を出すべき」という白洲の声も無視され、マッカーサーは近衛起用を否定する旨を発表した。
先見の目がある者にとって、古い考えの者らを説得するのは容易じゃないな

吉田から手紙が来て、終戦の処理を任される。
吉田「戦争で負けて、外交で勝ったって事例もあるんだよ」
白洲は、「誇りある日本の再生」のために日本の窓口となって活躍し、GHQから「従順でない唯一の日本人」と呼ばれた。

正子は、青山次郎の弟子となる(白洲夫婦は、なぜ大事なことは英語で言い合うんだろ???

近衛が戦犯に指定され、次郎は入院を勧めが、近衛は自殺。

クリスマスに天皇からのプレゼントを「その辺に置け」といったマッカーサーに一喝。
「われわれは戦争に負けたのであって、奴隷になったのではない!」


第三回 ラスプーチンの涙
1946年。国務大臣・松本によって作られた憲法改正案を見せると、
「容認できない」と言われ、代わりにマッカーサー草案を出してきた。
「そちらの案がエアウェイなら、日本のやり方はジープウェイなのです」と説明する白洲。
「なんでも頭を下げればいいと思っている。あんたもやはり日本人だな」とマッカーサーは失望する。

天皇の扱いについて「助言と同意」と「輔弼」でモメる。
「あんたたちに日本語まで変えろというのか?! 文化を変えるつもりはない」とキレる松本。
「翌日までに最終原案を出せ」と脅される。
日本国憲法は、他国の干渉を経て、1晩で作られたのか・・・?
「いまに見てろ」という気持ちを抑えきれず、ひとり涙する白洲。

第一次吉田内閣ができ、また総辞職すると、農業に戻る白洲。
農業のほうが人間の暮らしには重要だな

吉田「これからの日本に何が必要か?」
白洲「プリンシプル。アメリカがらみの乞食根性を改めなければならない」
吉田「第二次吉田内閣のため、多少強引でも金をつくれるブレーンが必要なんだ」と頼まれ、また政界に関わる白洲。




広畑の製鉄所を英国企業に買ってほしい」と打診する白洲。
白洲を“日本版ラスプーチン”に例え、「権力を欲しいままにしたいかがわしい祈祷師」と叩かれる。
企業のトップがまだ「腹を切る」とか「日本の武士道を見せてやる」とかゆってる時代だもんね。

「外貨を稼いで、アメリカ経済から自立するんじゃなかったんですか?」
「島国根性を捨てろ!」と広畑に殴りかかる白洲。
「日本経済を立て直すのは貿易だ!」「鉄だ!」とケンカになる。世間の白洲叩きは日に日に増す。

新聞記者を家に入れる。
「あなたの良心というのは、傲慢ということですか?」
「肥やしだ。臭ければ臭いほどいい。この日本を一人前の独立国にしなければならない。
 肥やしにできるのは、金稼ぎぐらいのものだからね」

1951年。終戦6年目。サンフランシスコ講和条約調印に一緒に来るよう命令する吉田。
演説の原稿が英語で書かれていたことに激怒し、日本語に訳し、巻物状態に直させる白洲。




日米安保条約制定。6年8ヶ月におよぶ占領下の時代がようやく終わった。
白洲は吉田に引き際を説くが、拒む吉田。白洲は農業に戻ると告げる。
白洲「あなたは似てるんです、俺の死んだおやじと」



正子は「私は時代が変わっても変わらないものを探そう」と決心し、昭和39年に西国巡礼の旅に出た。

次郎が亡くなる2年ほど前、極秘文書を庭で焼く。正子は著書の中で振り返る。

「私は西行法師に惹かれた。どこにも属さず、なにものにも囚われず、正直に矛盾に満ちた人生を力強く生きた人。
 荒い気性に気づきながら、どうしようもないことに気づいていた。
 彼は世を儚んだり、世間から逃れようとしたのでもない、ひたすら荒い魂を鎮めるために出家した。

 出家はしても、仏道に打ち込むわけではなく、稀代の色者であっても、浮気者ではない。
 強いかと思えば、女のように涙もろく、孤独を愛しながら、人恋しい想いに耐えかねているといった風で
 まったく矛盾だらけでつかみどころがない。

 西行を私たちは複雑な人間に思っているが、本人にしてみれば究めて単純なことで
 心の赴くままに自然に生き、自由に行動していたに過ぎない。

 善悪の区別もわきまえず、悟りをも求めず、ただ、世の中をあるがままに生き、あるがままに死んでいく人々を
 西行はどんなに羨ましく思ったか。

 彼はあくまでも行動の人だった。出家はしても、あくまでも武士の魂を持ち続けた。
 私は真似ることができない人物であることははじめから分かっていた」


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