メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1993.6~ part4)

2012-11-30 11:33:56 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづきで、ベージュのノートはこれがラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『The Rainbow』(1989)
監督:ケン・ラッセル
『トミー』や『サロメ』を撮った後の作品にしては案外古典的でノーマル。『白蛇伝説』の毒消しに撮ったのかしら?
グエンティンてゆう活動的で昔にしてみれば発展的な少女の思春期とそこから脱するまでを描いている。
昔の小説の映画化らしいが、現代の女の子にも通じるモラトリアム 現象を見ているようで、
ふと自分とも重なる部分も見つけてしまう。

常に先へ進むことばかり考えて、自立した自由な生活を夢見るんだけど、
結局は面倒をみてくれる親元という帰る巣があることを知っていて、
実は巣立ってない状態で一人じゃ生きていけないんだってことが分かってる。
今は女性も職業を持つのが普通だけど、本当に男女平等になったかといえばそうじゃない。
結局は個人の主体性、考え方が問題になるのよね(もう分かってたんじゃん/驚

グエンティン役の女優は女教師役の女優同様、現代にはない独特の個性がある。
「男は自分の勝手な要求にピッタリの女を見つけると愛していると言うのよ」
「男から情熱をとったら何も残らないわ」
でもやっぱり女にも男と同じくらいの偏見があることも確かなんだ。


『永遠に美しく・・・』(1992)
監督:ロバート・ゼメキス 出演:メリル・ストリープ、ゴールディ・ホーン、ブルース・ウィリス ほか
傑作 どぎつい性描写なし、エグいスプラッタシーンもなし、だけど始まりから終わりまで
友だち、家族みんなで100%楽しめるユニバーサル風娯楽映画
1993年の正月映画として『ドラキュラ』と対照的な話題を呼んだ今作がもうビデオで観れるなんて幸せな世の中だ。
美貌も経験も積み上げた円熟の極みの女優2人の怪演がなんといっても見どころ。
そして映像カラクリの特撮技術が進歩するほど、そこに広がる架空現実世界は無限に広がってゆく。
♪Forever Young と歌ったディランもビックリ! 永遠の若さ、永遠の命ってどうゆうことか、
今作をじっくり観て考え直したほうがいいってゆう人類へのメッセージなわけ。
ここまで人間の永遠の夢を完全に皮肉ったところはお見事。
天才的医師ながらどこか冴えないボケまくりな外科医をブルースが今までとはうって変わった演技をみせる。
ラストのオチまで最高! SFXよりビックリなのは、ホーンが48歳!?
全然変わらない魅力で輝いている若さの秘訣を教えて欲しい。


『米米CLUB大全集Vol.14 ANTI SHARISHARISM 右脳と左脳の恋物語』(1991)
「右脳編」は、小野田商事の物語。新入社員のてっぺーちゃんが入って3日目でてごめにされちゃうってゆう危ない寸劇
「左脳編」は、衣装の違うライブ映像を組み合わせたメドレーもあるし、シュークリームシュとのダンスシーンもいい。
115minいっぱい、ステージいっぱい、人数もいっぱい使って、ついでに観客まで使っての
まさに他じゃめったにない米米ならではのサーカスみたいな、なんでもありの楽しいステージ
金かかってるゾってゆう派手さと凝りようが見物。
キメる時はちゃんとキメて盛り上がり、ボケるところは完璧にボケまくる。
観客も一体とゆうより、石井さんのペースにハマって操られている感じw
今、日本で一番イッちゃってるバンドってゆう雰囲気が漂っているのと、
バンドのメンバそれぞれが自分のパートの役割を創っていて、自身も楽しくてしかたない感じが伝わってくるのがイイ。
石井さんがデザインした衣装やセットもスゴイ!

なんでもいいんじゃないの


『カラヴァッジオ』(1986)
監督:デレク・ジャーマン
16Cの天才画家ミケランジェロ・カラヴァッジオの生涯を古典的に描いた作品。
ゲイだったのか? そのスキャンダラスな生活をセピア色に上品に撮っている。
時代背景や詳しいことは全く分からないが、そうとう昔なのに人々の生活、
とくに貧民の暮らしや考え方は今に近くて、日本の昔とは比べ物にならない感覚。
ホモセクシュアルも結構歴史が深くて、いまさら不自然でインノーマルじゃない気がしてくる。
でも、この時代にはエイズは存在していなかったのかな?
ミケーレ役もラヌッチオ役も美形ぞろい。
男女入り組んだ複雑な愛憎関係を画家の才能とともに繊細なタッチで描いている。
『ジュリア ジュリア』でも使っていた「愛する者を探せど見つからず」という聖書の一節を引用しているのが印象的。


『Roger Corman's FRANKENSTEIN unbound フランケンシュタインの解放~禁断の時空』(1990)
監督:ロジャー・コーマン 出演:ジョン・ハート、ラウル・ジュリア、ブリジッド・フォンダ ほか
まさに近未来のSF映画 ここに再び運命的出会いを感じた。
今作が日本未公開のままビデオショップの中に埋もれているなんてもったいない!
この監督作品をぜひすべて観てみたい。

長い間、映画界でドラキュラと同様に受け継がれているモンスターだが、
コッポラが完全に古典に忠実に撮ったのに比べ、彼は現代を超えてはるか未来の文化とまで対面させ
バイロンや、女流作家メアリー・シェリーまでいた1800年代にタイムスリップしてしまった!
なにからなにまでハチャメチャなアイデアなのに、ゾッとするほど現実感がある。


キャストがまた最高。ジョン・ハートは『エイリアン』以来の本格的SFで原点回帰し、
スタイリッシュな未来的スーツ姿も、中世の衣装も見事に着こなして、メアリーとのロマンスまであるし、
ハードアクションもピッタリはまって、信じられないくらいカッコいい
博士役のラウル・ジュリアとの共演は舞台を見ているような錯覚を起こす。
注目されている若手女優ブリジッド・フォンダがメアリー役、ジェイソン・パトリックがバイロン役。
そして、数々の未来的セットをデザインし稼動させた撮影スタッフもまた素晴らしい
未来万能型の車は、いつか実用可能なんじゃないか?と思えるリアル感。
今やSF映画は夢物語ではなく、何年か先に実現するかもしれない可能性がある。


「meet my monster...」
人造人間を創り上げた博士を「神を冒涜した」と責めたが、科学の進歩もまた自然を侵し、人間を無力なものにした。
でも、科学者なのにタイムパラドックスという大きな危険を知らないのかしら?
「殺さねばならない私は一体誰なのか?」
フランケンは恐れられると同時に悲哀に満ちた者として存在していることが人気の秘密ではないだろうか。
これは完全永久保存版で文句なく脱帽の一作。

(これももう一度観たい1本なんだよなあ!



【その他の読書感想メモ】
『五番目のサリー』ダニエル・キース

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