メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1992 part2)

2012-10-17 11:55:51 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『Dr.M』(1990)
出演:ジェニファー・ビールズ ほか
こうゆう退廃的な近未来映画、好きだなあ!
特に、今の私たちの年代にはピッタリくるものがあるもんね。
イギリス映画らしい『1984』タッチの映像。
怖いのは、もし現実にひとの心に影響するある偏った政策をとろうとすれば、
今の世の中決して不可能ではないということだ。
その媒体は、テレビ、ラジオ、コンピューター、多種多様に揃っているのだから。
ドクターMが殺人鬼でなく、悲劇の人物として描かれているのが印象的。
あなたも、さあ、架空の街テラトスへようこそ!


『Music Box』(1989)
出演:ジェシカ・ラング、フレデリック・フォレスト ほか
40年前の'44ナチスの支配下においてなされたユダヤ人大虐殺。
時代は移り変わり、戦争を知らない子ども達は、かつての悲惨きわまる事実を忘れようとしている。
とてもハードな問題を扱った法廷もの。

多分、事実に基づいていると思われる証言の数々は、聞くに堪えられないほど生々しく、
同じ人間がしたこととは到底思えない。
しかし、これらはまぎれもなく実際起こった出来事であり、
その事実は何十年経とうとも忘れられるべきではないことを作品は私たちに問いかけている。


『The Conversation 盗聴』(1974)



監督:フランシス・F・コッポラ 出演:ジーン・ハックマン、ロバート・デュバル、フレデリック・フォレスト、ハリソン・フォード ほか
世の中には、いろんあ仕事もあったものだと考えさせられるが、
こんな盗聴の仕事人や、盗聴仲間の集まりがあって、
最新盗聴機器がどんどん開発されているとは・・・
そのプロであるハリーの誰も信じられなくなった孤独感、無常観が、
ブルースとコッポラのゆったりしたカメラワークとともに私たちに伝わってくる。
どんどんと追い詰められ、神をも信じられなくなり、最後は疑心暗鬼の極地で
部屋中をひっくり返した後、ブルージィなサックスを吹くシーンは渋い。
人間と人間との関係がますます複雑化している今日、
あらゆる目的をもっていつしか我々の心の中まで盗聴される日も近いかもしれない。
フレデリック・フォレスト出演作第4弾。


『SALOME'S LAST DANCE』(1987)

 

監督:ケン・ラッセル 出演:グレンダ・ジャクソン ほか
フェリーニ映画の、サーカスのテントの中のような映像と
ストーリー展開をもっと下品にしたような感じ。
娼館で上演し、観客が作者一人とは贅沢で惜しいほど衣装やセットは凝っていて、
役者も不気味極まる顔ぶれ。

近親相姦の女王、娘に異常に執着する王、預言者ヨハネを愛しながらも
「その首が欲しい」と王の前で前代未聞のダンスをして見せるサロメ。
サロメ役の冴えないメイドの変わり身がビックリ
殺人を笑い飛ばして終わる異常さ。
異国か、はたまた地獄で行われたショーか。
青白い月明かりのもとで繰り広げられるラッセルの小舞台。


『ブロードウェイのダニー・ローズ』(1984)
監督:ウッディ・アレン 出演:ミア・ファロー ほか
'84年なのになぜかモノクロ。
昔の浅草芸人の世界のような、自分の命を賭けて、一つの芸に執着する、
今のタレントにはもうない職人かたぎ的なストーリー。
やりたい事し放題のティナと、恩や仁義を大切に思うローズの掛け合いが楽しい。
ラストには、ふっと温かさが感じられる。
アレンも56歳!『アリス』や『シャドウズ&フォッグ』などなど、これからも楽しませてほしい。


『ロリータ』(1962)(既出
監督:スタンリー・キューブリック 出演:ジェイムズ・メイソン、ピーター・セラーズ ほか
ちょっと期待ハズレ。モノクロということもあるし。
'62のイギリスとしては、とてもセンセーショナルな題材だろうけど、
現在は親や配偶者、血縁が幼い少女をレイプ、虐待している問題は増大する一方だから、
今のロリコンっていうと「幼児趣味」っていう意味にとらえられていて
この作品で義理の父は、精神的な愛まで欲していたのとはちょっと違う。
でも、原作のほうは面白そう。


『キング・オブ・コメディ』(1983)
監督:マーティン・スコセッシ 音楽監督:ロビー・ロバートソン
出演:ロバート・デ・ニーロ ほか
幻想癖のある男の夢想なのかもしれないし、なんでも起こり得るアメリカだから
こんな結末もあり得るかもしれない。
華やかなショウビジネスの裏の舞台劇を描いているが、
とにかくデ・ニーロは、なんにでもなりきっちゃうところがスゴイ。
山場のパプキンがステージで漫談するシーンは、彼が俳優なのも忘れて思わず笑ってしまう。
現実には、デ・ニーロこそファンにひっかき回される立場だから、
その熱狂さの裏返しがどんなに危ないものかひしひしと伝わってくる。
コメディアンに身を捧げて追っかけるマーシャは、絶対いがちなだけに恐い。
スコセッシの作品に使われる曲はいつも効果的。


『ワイルド・トゥ・ビー・タフ』(1985)
監督:フリッツ・キアーシュ 出演:ジェームズ・スペイダー ほか
よくありがちなハイスクールものだけど、スペイダーはじめキム・リチャーズ、
ポール・モネス(いいワルを演じている)、ロバート・ダウニー・ジュニアら
キャストがなかなかシッカリしていて、珍しく2時間近くじっくりと構成されている感じのストーリー。
キムが途中ディスコでノリまくって踊るシーンは『フットルース』並のテンポでいいシーン。
スペイダーもまだまだ下積みの頃の初期作品だけど、
すごくキレイで演技も特徴が出てて、シッカリしてる。


『SF謎の宇宙船遭遇』(1981)
監督:チャールズ・E・セリアJr 出演:ダーレン・マクギャビン ほか
久々に古い映像の作品を観てしまったって感じ。
現実に今そのような事実があって、それに基づいている部分も多いんじゃないかと思わせる。
UFOが存在するという事実は、それほど地球中をひっくり返すほどの大混乱に巻き込むだろうか?
もうそろそろ本当のところを話してもらいたいものだけれど。


『実録!UFO大接近 消えた412ジェット機隊』(1974)
監督:ジャド・テイラー 出演:グレン・フォード ほか
レーダーのテスト中、3つの不信な点が映り、探査ジェット機2機が同時に一瞬にして消えてしまった、
と同時に、その事実は特殊機関によってうやむやにされてしまう実話をもとにしているという作品。
怖いのは、これからは兵器での圧力よりも、
心理的に働きかけるもののほうが有利になるだろうということだ。


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