メランコリア

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第五福竜丸展示館

2010-06-01 20:15:22 | 町歩き
第五福竜丸展示館

主な展示品
・福竜丸の船体と付属品(いかり、漁具類など)
・船室内の模型、乗組員の生活用品類
・マグロ漁の模型
・無線機・大漁旗
・航海日誌・公式文書
・久保山愛吉さんの船員手帳、手紙類
・ガイガー検知器
・「死の灰」
・ビキニ水爆被災にかんする写真パネル多数
・当時の新聞・雑誌
・その他、原水爆被災にかんする資料(本・ポスターなど)

まずは「福竜丸」本体がどーんと残されていることに驚く。展示館は船に合わせた形に建てられている。
こないだ読んだマンガで読む歴史にも書かれていたが、こうして実物を見ると伝わってくるインパクトが違う。
階段を上って、上からも俯瞰できる。

危険区域外にいたにも関わらず被爆し、死の灰をかぶって入院した若い船員たち。
ニュースで若い女性がインタビューを受けて「福竜丸の船員らと結婚したいですか?」と聞かれて、「とんでもない、あんな人たちと結婚したくありません」て答えていたのをテレビで見て悲しかったと日誌に書いてあった。
その年の9月、久保山さんが亡くなる。医師、看護婦らの必死の看病も叶わず、「医師として冷静でいなければならない立場も忘れて、ほかの船員たちと男泣きに泣いた。なぜこんな目に遭わなければならなかったのか」
遺影を抱いて号泣する母、妻、2人の娘さんの写真パネルを見て涙がにじんだ。

アメリカは水爆実験による被爆を認めず、後に社会問題として大きくなったためある程度のお金を払って終わりにした。
ビキニ環礁近辺のマーシャル諸島は、豊かな自然あふれる平和な島々だったが、住民は灰を浴び、
ひどい火傷を負い、吐き気に襲われ、その後長い間苦しむことになる。ガン、肝炎で亡くなる人も多数。奇形児も生まれた。

予想を超える広範囲の海域が放射能に侵され、大量のマグロが築地の地中深くに埋められた。
漁獲量が激減したことにより、魚屋さん、お寿司屋さんが生活できないくらいに追い込まれた。
人々は魚が感染しているのではないかと怯え、放射能汚染された雨に怯えた。

「ラッセル・アインシュタイン宣言」が発表され、反核運動が高まる中、打ち捨てられ、忘れ去られようとしていた福竜丸を
原爆ドームなどと同様、後世に残して、この事実を伝え続けてゆくべきだという声により、こうして展示館がつくられたとのこと。
久保山さんは生前「原水爆の被害者はわたしを最後にしてほしい」とゆった。

資料の中には、原節子主演による映画『原爆の子』、野坂昭如が書いた戦争童話集『ウミガメと少年』も紹介されていた。
展示館の周辺には、「マグロ塚の碑」(築地は整備中なので暫定的に置いてある)、「エンジン」などもある。


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