メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1996.7~ part1)

2013-07-26 11:14:27 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回は赤いノートからご紹介。見応えある名画が多かった!

  

photo1:開いて1ページ目に大きなダリの顔写真!
photo2:X-FILESシリーズもまだまだつづきます。
photo3:この頃の字好きだな。字の書き方は自分の中の流行によってけっこう変遷がある。

若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『the best of SATURDAY NIGHT LIVE hosted by ROBIN WILLIAMS』(1992)
製作総指揮:ローン・マイケルズ 監督:ポール・ミラー
出演:ロビン・ウィリアムズ、ダナ・カーヴィ、ケビン・ニーロン、サイモン&ガーファンクル ほか
こんなに力入ってMCが長い人もいない 彼もSNL出身なのね。今じゃ自分のプロダクションを持って映画も好調ってさすが。

ギャグメモ:
P.サイモンがコンサートに来た女性の髪型やアンコールまで覚えているのに相方のA.ガーファンクルを思い出せない
ポールとロビンのAlone Againもイイ。
地図を舐めまくって広げ、適当に指して「今ここで、ここへ行きたいんだが」物差しもなく指で測るとスーパーまでも1万マイルにもなるw


『さすらいの青春』(1966)
監督:ジャン=ガブリエル・アルビコッコ 出演:ブリジット・フォッセー ほか
悪夢みたい。長いことあらすじも展開も分からずに観せられて、何のディテイルもないから説明のしようもない。
最初からよく分からん。どこが「さすらいの青春」なんだ!?
中世と現代のタイムトリップストーリーで、森が時間を行き来する扉とかって話ならもっと面白いのに。
せっかく夢みたいなユラユラした映像や白黒にしたりする工夫があるのに。
なんか有名な小説の映画化? ヒロインが今作で再び脚光を浴びたらしい。


『テレーズ』(1991)
監督:アラン・カヴァリエ 出演:カトリーヌ・ムシェ ほか
仏の実話を基にした尼僧の話。ヒロインの純真無垢なキャラクターはピッタリ。
いったん真っ暗になって、再びライトアップされる手法が面白い。
そうとう信仰心の篤い家庭に育ったんじゃないかな、この姉妹らは。
でも私が思うに、本当の試練はこの俗世間で雄々しく生き続けることでは?
檻の中では精神修行にはなるけど、「神は愛しているけど、罰など当たらない」って言ったリュシ-みたく
信仰心を持ちつつ、周りの人を助けることに努力したほうがよっぽど神の道に近いんじゃないか。
閉じこもってるだけじゃ何も生まれないもの。
病身のテレーズが十字架を踏むシーンは、ちょっとした復讐心からか?
ここまで1人の男を崇めようとする気持ちって何なのか???


『ウォーカー』(1987)
監督:アレックス・コックス 出演:エド・ハリス、マーリー・マトリン ほか
エドファンになるずっと以前に記事を切り抜いていた作品(カルトって言葉に弱いから
なんともハチャメチャな軍リーダーの役をまさにカルティックに演じているハリス。他にも隠れた名作がありそう。
ウォーカーの人生は最愛の人の急死で変わったんじゃないか。死に急いだだけで他の事はどうでもいいって感じ。
1824年うまれ、'55~'57までニカラグアを支配して、処刑されるまで。
ラストはレーガン大統領本人のスピーチと「防衛のため」と殺人を続けて侵略してゆく米軍と犠牲になる現地民の実写フィルム
妙に軽快なBGMが面白い。


『ヌーヴェルヴァーグ』(1990)

監督:ジャン・リュック・ゴダール 出演:アラン・ドロン ほか
ドロンも相変わらず元気でなにより。歳はとったけどやっぱり南仏の海と日差しがよく似合う。
それにしても仏映はだんだん気難しくなる老人みたいだ。
画面いっぱいに広がる川面、太陽、木々、「フランスの美しい自然紹介」といった感じの絵は、
最も美しい瞬間ばかりをコレクションしているゴダールの鋭い目。
セリフが全て詩。一言ひと言が意味深く、聞き流すにはもったいなさすぎる。

「思い出は天国と同じだ。過去をいつまでも待っている」

オールバックでスーツでキメたドロンは最初とは別人のよう。
「自分はもう一人の他者である」いろんな格言をつぶやく庭師がイイ。
途中「芝居は終わった」などのテロップが出る。ゴダールってこうゆう手法好きだよね。
もっともっといいセリフがいっぱいあったけど、全て記憶に留められなかった。


『アメリカの夜』(1973)

監督:フランソワ・トリュフォー 出演:ジャクリーン・ビセット ほか
フェリーニも自分の撮影現場を撮った作品があった。先ごろ他界した巨匠トリュフォーの撮影風景も面白い。
分身と言われるJ.P.レオとは互いに本当に分かり合っている様子。
周りを何でも映画にとりこんでしまうところはさすが。それでセリフが生きているわけね。

ホテルにあった花瓶を使ったり、ハシゴ上の窓だけのセットで向かいの家と思わせたり、
ヒロインのスタントがカツラをかぶっただけのごっつい男だったり、大雪のシーンを泡で演出したり、映画トリックの裏側が楽しい。

「昔は女優は女優で、メイクはメイクだったわ」
「妙な仕事ね。皆集まって愛し合い、やっと慣れたと思ったらみんな分散する」

監督の少年時代だろうか、映画館の「市民ケーン」のポスターを盗むモノクロシーンもイイ。
監督って楽天家で、精力家で、1分1秒も映画に捧げてる人じゃなきゃ務まらない仕事だね。
レオがいつも「映画を観に行こう」って言ってるのもイイ。彼も根っからの映画人だ。


『愛の嵐』(1973)

監督:リリアナ・カヴァーニ 出演:ダーック・ボガード、シャーロット・ランプリング ほか
女監督?これが噂の作品かあ! '57にウィーンで再会する元ナチ指揮官と囚人の禁断の愛って話。
ボガードってこうゆう変態臭いジメっとした役が多いよね。A.パーキンス系の。
ランプリングは退廃的マイナーの女王だし、もろデカダンス。ルキノ・ヴィスコンティを思わせる。
過去と現在の映像の組み合わせ方が心憎い。

「聖書の話だ。サロメが頭に浮かんだんだ」「狂ってるわ」「正気と狂気の違いとは何だ?」

上半身裸に吊りズボン、軍帽でシャンソンを気だるく歌うランプリングが印象的。
骨董品屋で少女の頃に着せられたドレスと似た服を買って死ぬまで着てる。こんな細かい演出は女性監督ならでは。
戦犯でありながら「ネズミのように生きたくない。今でも地位を取り戻したい。生まれ変われたら同じことをするだろう」と敬礼する姿は怖い。


『コレット 水瓶座の女』(1991)

監督:ダニー・ヒューストン 出演:クラウス・マリア・ブランダワー、マチルダ・メイ、ヴァージニア・マドセン ほか
81歳で亡くなった実在の人物。'58に『GIGI』というミュージカルでオスカーをとった。
こちらもぜひ要チェック。娼婦の話じゃなかったかな?
生前にこれだけ成功を味わえるなんて幸福。「愛人」の作者同様、自分の人生が映画や舞台劇にされたのを観る気持ちってどんなかな?
M.メイとV.マドセンの共演は華やか。

こんな運命的な出会いって本当にあるのね。
'30~'40代のファッション、パリの夜街の様子なんかも華やかに妖しく描かれているのも興味深い。
フレンチカンカンのダンスはロートレックの描いたとおり。
コルセット、レースの下着やらでゴテゴテ締め付けて、昔の女性は大変だね
性の解放と、キャリアで成功する女性、まさにシンデレラ・ストーリー。
でもやっぱり女が成功するには男のパトロンの存在が必要なんだ。
主演のブランダワー(妙な名前)がイイ味出してる。


『乙女の祈り』(1994)
監督:ピーター・ジャクソン 出演:メラニー・リンスキー、サラ・ピアース ほか
キョーレツ。こんな実話があったなんて。肉親殺しほど悲惨な罪はないけど、
そこに至るまでの重い話を、よくここまで美しく荘厳かつシュールに描いた、と絶賛もの。
特別にクレジット紹介のあるこの若い特異な女優2人にも拍手。

死刑にはまだ早い2人は、別々の刑務所で無期懲役。それぞれ'60代に釈放されたけど、絶対会わないことが条件
それなら檻の中でも同じこと。それでも年月が少しは変えたかしら?
女の子の成長過程は複雑で、思い込む時期があるものだけど、
無学で17歳で内縁となった過去が娘に厳しすぎる結果となったのか。母親は浮かばれないね。最愛の娘に殺されるなんて。


『狂えるメサイア』(1972)

監督:ケン・ラッセル 出演:ドロシー・テュティン、スコット・アントニー ほか
アンリ・ゴーディエ・ブレシュカ。まさに野生児。宝石の原石といった感じの若き天才芸術家(天才は自らが天才だと知っている!
をK.ラッセルらしく奔放に描いた作品。「マーラー」「チャイコフスキー」他、天才アーティストの激しい生涯を描くのが好きみたい。
通じ合うものがあるのかも。時代が目覚める前の19世紀はじめをよくぞここまでエキサイティングに撮った!

「名作は自分の部屋に飾るべきだ」に納得。1915年6月戦死した。23歳という若さで!
作品はダイナミックながら、芸術家の人生は作品からははかりきれないものだ。ミケランジェロを尊敬していた。
「アーティストには観客が不可欠だ。観客を必要としないなら、それは聖人だ」
誓いをたて名を与え合い、結婚で結ばれる前に永遠の別れとなったソフィはその後どうしたのかしら?
止まることのない青年アーティストのエネルギーが全編に溢れている。


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