メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ドラマ『罪と罰 A Falsified Romance』

2013-10-09 10:47:04 | ドラマ
ドラマ『罪と罰 A Falsified Romance』(2012)全6回
原作:落合尚之 監督:麻生学
出演:
高良健吾(裁弥勒)
水川あさみ(飴屋英知香)
伊藤歩(裁喜乃)
中尾明慶(矢住賢道)
染谷将太(御子柴遥)
朝倉あき(中上明美)
萬田久子(裁好美)
田中哲司(首藤魁)
伊武雅刀(五位蔵人) ほか


「お前には行動が足りん。目を背けるな弥勒。欲望を肯定しろ。地獄こそが楽園だ」

田中哲司さん出演作としてチェック。この役は今までで一番深みがあってよかった。
ドフトエフスキーの原作は読んだことないけど、それをもとにした漫画のドラマ化なのか。
最近、こうゆう胃が痛くなるテーマばかりだな。それもふつーにテレビで流れるって。
こんな現実がほんとうに日常茶飯事になってるってことか?
脚本がとても味わい深くて、セリフ1つ1つが詩のようだった。


●第1話
「(教師だった)父のように立派な人になりなさい」と母・姉から送り出され、
上京してから、大学にも行かず、ひきこもる作家志望の弥勒。
ファストフード店でリサに援助交際のノルマをこなせと強要するヒカル。
ヒカルは援交や恐喝で集めた金を定期的にミーコを通じて暴力団に渡している。
その様子を調べてヒカルと接触し、「組織的な売春を取材させてくれ」と頼む弥勒。
リサを買って同じように手を汚すことを取材の条件に提示するヒカル。
そんなヒカルを親友だと言い張るリサ。
ヒカルの両親は著名人。1人暮らししているリサの自宅で3人の男にレイプさせた。
「わたしのイジメはリサにとって神様の慈悲そのものよ」と言うヒカルに殺意を抱く弥勒。

ユイちゃんのイジメっこ役、リアルすぎてヤヴァい


●第2話
リサが援助交際をやめたいと相談に来て、ヒカルがお金を渡す日は1人だと教えたため、これを啓示と受け取る弥勒。
リサの自宅から細工した電話で「警察が見張っている」と告げ、帰ってきたヒカルを襲う弥勒。
その現場にリサが来て「わたしのためにやってくれたのね。これからは私が守ってあげる」と言ったため、逆上してリサも殺してしまう。
翌日、警察から出頭命令が出て、東京地検の五位(伊武雅刀)に会う。
五位は弥勒の書いた小説『収穫者の資格』の愛読者だった。

憎むなら、売春をする少女より、それがはびこる社会のほうだろうに。


●第3話
1年前、弥勒は入社先で「典型的な受験エリート」と呼ばれていた。
大学の先輩・須藤(田中哲司)が昔、人を殺したという噂をきいて、弥勒は殺人犯の心理に興味をもつ。
須藤のいきつけのパブのオーナーに聞くと、東南アジアにいた頃、
世話になってたハウスキーパーの娘が自殺して、そこの父親も死んだという。

「私は人間だ。人間的なことは何によらず私と無縁ではない」
古代ローマの喜劇作家・テレンンティウスの言葉を引用する須藤。

「お前の思想には行動が足りん。外に出て世界に触れてみろ」

弥勒は、特捜宛とミーコに血のついた紙幣を送ったため、ミーコは暴力団に襲われる。

弥勒の姉・ヨシノは学費を工面するために社長のセクハラに耐えているのを須藤からとがめられると、
「なんでも自由だからといって幸福だとはかぎらないわ。
 一瞬のささやかな幸福の中に永遠の自由を見つけることもある。わたしはおおむねしあわせですよ」

弥勒は倒れて病院に担ぎ込まれた。隣りの患者はアルコール依存症のアメヤ。
校内でお酒を隠し飲みしているところを男子生徒に隠し撮られ、
脅されるままに女子トイレや更衣室に隠しカメラを設置する。
アメヤの妻は亡くなっていて、3人の子どもの世話をしてくれていた生徒のエチカ。
男子生徒グループはアメヤにエチカをレイプするよう強要する。

須藤は勤務先の女社長に弱みを握られていて、女社長殺害容疑で指名手配され、海外に逃亡する。

女王様からイジメられとります・・・
なんかいろいろ過去を抱えてる深い役だね。


●第4話
レイプ事件が上司にもバレて教師をやめさせられたアメヤ。
「あんたみたいな弱い人間にあの子たちが守れるもんか。あの子たちは私が守る!」
エチカは、あれは合意の上だと学校側にいって、アメヤと結婚し、家計を支えるためにAV女優になる。
「エチカは君が気に入ったみたいだ。だから君、オレの代わりにエチカを愛してやってくれないか?」
(アメヤには全然同情できないなぁ・・・

弥勒は特捜に尾行されていると気づき、女子高生に取材していたことを自ら明かす。
「誰がやってもおかしくない事件だ。でも、その先に行くには、踏み越える勇気と、やり遂げる意思が必要なんだ。
 それができるのは選ばれた人間だけなんだろうな」

「力を持つ者は行使する義務がある」

川に身を投げようとした弥勒を止めようとしてアメヤは轢かれた。
「ボクは姉さんのために世話の焼ける弟を演じてきただけなんだ。
 君が憐れな女を演じ続けてきたから、彼はダメ男を演じ続けた。君とボクは同じ獣なんだよ」
「今のわたしに分かるのは、あなたが途方もなく寂しい人だってことだけよ」

須藤が逃亡先から帰国する。パブのオーナーから青戸事件を聞き、弥勒がついに行動したことを知る。


●第5話
五位は、弥勒をショックでなかば植物状態となったリサの母に会わせようとする。
「あなたも力の行使に巻き込まれた人間の姿を知っておくべきだと思うんですよ。
 力を持たないことは罪でしょうか?
 あなたが掲げるロマンには、現実と闘い、それに打ち勝つ強さがなければなりません」

大きな圧力がかかって、ミーコが自供し、表面的には事件解決となる。
「日本の法律は未成年にはやさしくできているんだ。心神喪失、不幸な生い立ちもつければ大した刑にはならないさ」

エチカと一緒に生きるために、リサ殺しを告げる弥勒。
「ボクは証が欲しかったんだ。ボクの人生は、ボク自身のものだっていう証だよ」
「あなたの世界に、あなた以外の人間はいないの? どうしてそんな寂しいところで今まで1人で生きてこれたの?」

隣りの部屋で聞いてた須藤(
「お前を理解できるのは俺だけだ。
 ここはオレたちの楽園だぜ。欲に身をゆだねて楽しめばいいだけだ」

「お前の怒りが正当だったと信じているなら、なにも怯えることはないだろう。ようこそ俗悪の王国へ」
「地獄に咲く花を摘みに行こうぜ」て、けっこうキザなセリフが多い須藤
こうゆう役って演ってるほうも面白いんじゃないかな。



「遊び相手が欲しいだけさ。一人遊びはあらかたやり尽くしたからな」


●第6話
弥勒が犯人だと確信する五位は、自宅に行って自首をすすめる。

「取り戻したいとは思いませんか? 罪を償う権利を。心に秘密があるかぎり、あなたは誰とも笑い合えない。
 あなたを思う人の気持ちと、それに応える心があるかぎり、そのつながりこそ人間です」(五位は須藤と正反対だな

「償えば許されるんですか。人殺しは許される罪ですか?」
「希望は遠い星の光です。絶望を踏み越えた先に本当の人生が待っているんですよ」

「本当の人生というのは?」
「特別なことじゃない。ただ生きていく。つまりは生活です。
 働いて暮らしていくこと、人と関わること、愛し合うこと、傷つけ合うこと。
 それを死ぬまで繰り返す。単調だけど、みんながやってる、その当たり前のことが難しくて、貴いんです」

「絶望を知り、それでも希望を捨てない人間がいるならば、その人こそ真に誇り高い人間だと私は思うんです。
 あなた自身が星になるんですよ。暗闇を照らす光に」
伊武さん、素晴らしすぎ。


エチカを人質にとって弥勒を呼び出す須藤。
「邪悪で冷酷、それが人間の本性だからな」
「すべてをなげうつことで、すべてを支配する。それがマゾヒズムの真髄だ。
 だが、あんたの献身が今のところ誰一人しあわせにしてないのはなぜなんだろうね」


「オレと行ってはくれないのか?
 お前のその憎しみで、オレを地獄へ送ってくれ。オレはまた旅に出るんだ。帰らぬ旅に

自首しようと決意する弥勒。

「変わるんだ、もっと人間らしい人間に」



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