メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1990~1992 part2)

2012-10-20 13:45:24 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『バーチャル・ウォーズ』
監督:ブレット・レオナード 出演:ピアース・ブロスナン、ジェニー・ライト ほか
ジェニー・ライトが強烈トリップでイカレちゃうセクシーな後家さん役で出ている。
現代科学が生み出した映画の新時代が始まった予感を受ける(全篇の3割に使われたCGのこと
もし、人が望むだけの夢、快感や刺激がカンタンに手に入れることができるようになったら、
私たちはそれをどこまでコントロールしてゆけるか?
それは、個々の倫理観に任されるだろう。

『ブレイン・ストーム』には成し得なかったコンピュータ映像や、現実との合体シーンは、
スクリーンで観たら三次元の世界を体験できるかもしれないほど迫力あり。
脳への刺激で潜在的な超能力まで引き出せるとしたら?
でも、いつの世にも新たな力を悪、とくに戦争に利用したがる連中はいるもの。
もっと人類や地球、ラヴ&ピースのために利用されるのは、地獄を見て後悔した後じゃなきゃいいけど。


『ザ・リバー』(1984)
監督:マーク・ライデル 出演:メル・ギブソン、シシー・スペイセク、スコット・グレン ほか
130エーカーの土地いっぱいのとうもろこし畑と、すぐに豪雨で何もかも押し流してしまう泥の河と
全身で戦う農夫らの生活を描いたシリアスでハートウォーミングなお話。
スペイセクとギブソンの若いながら互いに心から愛し合っている夫婦と、愛らしい子どもたちの姿がイイ。
奪い合うほどしかない仕事口と、数えきれない職にはぐれた人々。
そして、今もまだどこかで小さな谷底の村が大きな決断を迫られているのかもしれない。
スコット・グレンの演技も光っている。


『仮面の中のアリア』(1988)

 

監督:ジェラール・コルビオ 出演:ホセ・ファン・ダム、アンヌ・ルーセル ほか
似た作品では『パガニーニ』の衝撃と比べると、こちらはかすかな郷愁さえ覚え、
思わず溜め息の出る感動がある。
作品中の音にはひとつのムダもなく、『インテリア』にも通じる非常にハイレベルな
極められた上品さ、美が感じられる。

ジョアキム役のファン・ダムは、小太りだが小奇麗で、髪は寂しいが、繊細な顔の線を持っている。
アンヌも上品な美人。対照的に、貧しい青年ジャン役のヴォルテールの野性味ある個性も光っている。
古風で美しい仮面で歌声を競い合うオペラという肉声の芸術のきわみに、
まったくの素人ながら興味をそそられる一作。


『スーパーマン2』(1981)
監督:リチャード・レスター 出演:クリストファー・リーヴ、ジーン・ハックマン、マーゴット・キダー ほか
同じクリスト星の悪の頂点である3人と闘うストーリー。
2にして早くも、ドジでとろいクラークがロイスにスーパーマンだと知られる。
看板にぶつかったり、高層ビルの窓を突き破って、空中に飛び出したり、
超人同士の闘いがとっても面白く描かれている。
それにしても、アメリカ映画だからって、スーパーマンは地球のためより
アメリカのために戦っているのかしら?


『ルパン三世 ロシアより愛をこめて』
原作:モンキー・パンチ 監督:出崎統
これだけ毎回政情をとりまぜて、流行に敏感に反応しているアニメーションも珍しい。
常に時代の先をいってた原作のオシャレさを崩すまいとしているのか、
ルパンファミリーも何十年前のまったく歳をとらない変わらぬ軽いノリで
スタントもいらないアニメの世界ならではの、そしてアニメとは思えない迫力の
アクションなどの見せ場がある。

今回は五右衛門ととっつぁんの役割が少なくてちょっと寂しいが、
ロシアの経済危機、大統領が頼るサイキックパワー(といっても読心術だっけ?)
を持つインチキ占い師などなど、冗談じゃ済ましきれない場面もチラホラ。
それにしても、声を担当する方々が全然衰えてないって本当にすごいことよね!


『SOLAR CRISIS』(1990)
監督:リチャード・C・サラフィアン 出演:チャールトン・ヘストン ほか
なんだかよく分からんなぁ。
IXLはどうして地球が焼けてしまう危機を信じないで、
せっかく大投資した爆弾をあくまで阻止しようとしたのか(・・・等々途中略
ただ、素晴らしかったのは、太陽に近付いてゆくSFXの映像。
形容しがたいコロナの炎のショーはスゴイ。
日本人がクルーとして参加しているのは現実の話で、
洋画でも活躍しているのが嬉しい。


『八月の狂詩曲(ラプソディ)』(1991)
監督:黒澤明 出演:リチャード・ギア、吉岡秀隆 ほか
1946.8.9 11:02。夏が来るたびに原子爆弾の“巨大な眼”を思い出す体験者の老人たち。
今は観光地の一つと化して、戦争と同様にピカドンの本当の恐ろしさ、
身内を失ったことの本当の辛さを知っている者は年月が経つにつれて少なくなってゆく。
故郷の長崎に遊びに来た4人の子どもたちが
体験者のおばあちゃんからいろんな話を聞き、私たちもまた改めて考えさせられる話。
ギアも当時42歳。渋いロマンスグレーになって、アメリカ人の代表として難しい役を演じている。
悪いのはアメリカではなく、戦争を繰り返す人間の愚かさなのだ。


『フラッシュ・ゴードン』
なんだか『スーパーマン』より話が唐突で、脈絡の合わない場面も所々。
でも、もともとマンガの虚構の世界の生まれだから、超自然的成り行きもうなづける。
そのマンガ自体、日本じゃあまり見かけないから、
フラッシュが飛んだりパワーをもつ超人じゃなく、プロフットボール選手なのもよく分からないけど、
SF映画・小説に出てくる宇宙生命体がやっぱり同じ人間的な存在なのって、人間の欲目なのかな。

天候や自然災害も宇宙人の仕業だなんてアイデアもすごい。
デイルはヒロイン役にしてはちょっと控えめ。
クイーンの手がけたテーマ曲もイイ。
宇宙を支配している割に敵の軍隊がそうそう強くなく、
人間臭いところがマンガや映画の世界っぽい。


『エルヴァイラ』(1988)
監督:ジェイムズ・シニョレリ 出演:カサンドラ・ピーターソン ほか
てっきりシェールが演じているのかと思いきや全然別人だった。
そっか、あっちじゃ映画解説者も並の人間じゃウケない訳ね。
それもB級ホラー専門だなんて面白い。
とにかく露出だらけの黒ずくめ。普通じゃないのも当たり前。
300年も前に生まれた魔女の娘だって!

それがモラル、モラルのお堅い田舎町へ遺産の館と料理の本、犬(賢くて可愛い!)
を取りにやってきて、悪魔の御大みたいな叔父と対決するなんてもう大騒ぎ。
ラスヴェガスでのとんでもないダンスといい、
よくぞここまで開き直ったってゆう怪演。
手放しで楽しめるホラーコメディ。


『女囚地獄 白い肌への異常な密室』(1985)
監督:ロバート・コレクター 出演:リンダ・ブレア ほか
なんとも薄暗い気分にさせてくれる映画だが、監獄にもいろいろな恐ろしくシビアな問題がある
という事実に考えさせられてしまう。
特に社会情勢の不安定な国では、公平な尋問や裁判もなく、
自由や権利どころか身の安全さえ奪われた非人間的な場所で
次第に身も心も蝕まれ、再起不能な結果にまで追いやられる。

ここでは、性が暴力と虐待となり、悪に身を売る者のみが生きてゆく。
みんなひっくるめて国境さえ越えればなんとかなるっていう仕組みにはいつも大きな疑問を感じる。
リンダ・ブレアはさておき、シルビア・クリステルはビーナスから一挙に180度変貌し、
見事に女囚地獄の御大を演じている。
そんな女囚の多くは、日常においては虐待の大きな犠牲者であることを忘れるべきではない。


『屋根裏部屋の花たち』(1987)
監督:ジェフリー・ブルーム 出演:ルイーズ・フレッチャー ほか
映画の歴史の中で“家族の愛の絆”は、それこそ数知れず問われてきたけど、
今改めて家族が危ない!とゾッとさせられる作品。
一見穏やかに保たれているように見える光景も、幼児虐待、父親の娘に対する近親愛など、
暗い屋根裏部屋のような秘密をひたすら隠しているのかもしれない。
原作を読めばもっと事実関係がハッキリするだろうが、
根本的なところまで分からないからこそなおさらひしひしと
子どもたちが味わう不安や恐怖が伝わってくる。


『エルム街の悪夢 ザ・ドリームマスター最後の反撃』(1988)
監督:レニー・ハーリン 出演:ロバート・イングランド ほか
同じ人気ホラーシリーズの『13日の金曜日』のジェイソンところではない。
舞台は夢、それもとびっきりの現実悪夢だけに、なんでもありの映像とアイデアが目白押し。
みんなドリームマスターにパワーを与えて死んだ。
フレディいわく「俺は絶対死なないんだ!」


『クラス・オブ・1999』(1990)
監督:マーク・L・レスター 出演:ブラッドリー・グレッグ、トレイシー・リン ほか
今から遠くない未来、各地で警察も野放しにした不良学生の無法地帯で
毎日のごとく発砲や暴力事件を起こしているという、そう作り話でもない話。
そこに送り込まれた教育ロボットは、いつしかコントロールが効かなくなり
不良生徒と戦争ゲームを始めた。
「しつけるダー」(?)どころじゃなく、ここまで悪化した学校状況も、
悪はつぶして解決しようとする無情な教育も怖い。
また近未来の話だけあって、現代っ子風なグレッグは、クールな魅力があるし、
ファッションも凝っていて、ちょっとした遊び心がうかがえる。


『ブラック・ライダー』(1986)
監督:ハーリー・コクリス 出演:トミー・リー・ジョーンズ、リンダ・ハミルトン ほか
時速260kmという光のような高速で走る車が巨大な車泥棒企業?に盗まれ、
それを取り返そうとハイテクビルの厳重な警報装置やモニターを細工して
どんどん侵入していっちゃうプロフェッショナルさもすごいけど、ラストは本当に圧巻もの。
ハミルトンは『ターミネーター』の当たり役をもらう前だが、
この頃はもうマシン狂いで男とひけをとらずにやりあう“強い女”のイメージが漂いはじめている。
ダークヘアのジョーンズも人間味が感じられる現代の泥棒役で魅力的。
ロバート・ヴォーンは相変わらず悪玉のボス役が板についている。


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