メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1990~1992 part1)

2012-10-20 13:45:25 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
またスクラップブックに戻って、10作ずつのご紹介。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。

上の写真は、普段持ち歩いていたメモ帳で、1人でランチに行った際、
料理が運ばれてくるまでの間や、食べ終わって休憩時間が終わるまでなどの合間に
その日あったこと、詩作のアイデアなどのつれづれを書いていた。

久々読んでみたら、ほんとアナーキーなんだよね。とても人には見せられない
この頃から、花粉症と、眩暈などなど体調が悪かったんだ/驚
それに労働を心底嫌っていたのが分かる


『エイリアンコップ』(1990)
監督:ケヴィン・S・テニー 出演:ランス・エドワーズ ほか
『ターミネーター』と『ヒドゥン』あたりをゴチャマゼにした感じ。
すごい再生能力は持っているが、脳に損傷を受けると死に至るというエイリアン。
どちらがピースメイカーで、どちらが殺人鬼か分からなくなるが、
結局若くてセクシーなほうが善玉だったのは映画のイイところ。
ヒロインのヒラリー・シェパードは、黒髪のちょっと違った魅力ある女優で、
作品全体が'90だけあって感覚が今風。
セリフの中でエイリアンにユーモアと現代のセンスが効いていて、
異星人同士の恋愛話も今じゃそれほど珍しくないかも?


『ミラクルマスター 七つの大冒険』(1982)
監督:ドン・コスカレッリ 出演:マーク・シンガー ほか
淀川さんの話だとカメラマンが『2001年宇宙の旅』や『時計じかけのオレンジ』などを
てがけたピカいちの人だそうで、言われてみれば'82にこれだけの太古の雰囲気を
よく引き出せたなって感心する。

マークはなぜか筋肉ムキムキのただならぬマッチョマン体型をしているが、
動物と会話し、鷹の視覚を持つ、とても純粋で、
通常の映画のヒーローと違って、茶目っ気のあるところがイイ。
続編もできたとのこと。ぜひ観たい。
神話がかっていて、現実離れした古代のストーリーは、
これからも格好の映画の題材とされるだろう。


『ベッドルーム・アイズ2』(1989)
監督:チャック・ヴィンセント 出演:ウィングス・ハウザー、リンダ・ブレア ほか
前作はある家を覗き見した男が殺人事件を目撃してしまうというストーリーだったはずだが、どうもよく覚えていない。
今回はその続きものだけに、人間関係がよく分からないが、
男が思い切りマヌケなのに、そこまでしてあげるほどじゃないって感じで、
なんだか女が憐れっぽくてイヤ。
ブレアもいい女優に成長したからこれからに期待したい。


『13日の金曜日 PART8 ジェイソンN.Y.へ』(1989)
監督:ロブ・ヘッデン 出演:ジェンセン・ダジェット ほか
電気ショックで何度も死から蘇るのは、ジェイソンの十八番になっているが、
今回は彼にちょっとばかり同情心が湧いてくる。
いかにも現代風に東洋系もまじえて、高校生たちを無意味に殺してゆくジェイソン。
でも、ある見方では、悪に悪をもってして倒す!ような一面もうかがえ、
現代アメリカの抱える数々の問題をも破壊し得るモンスターってかんじ。
それにしても、一時的にせよ、彼を眠りにつかせるのは本当に至難の業だよね


『ペンタグラム 悪魔の烙印』(1990)
監督:ロバート・レズニコフ 出演:ルー・ダイヤモンド・フィリップス ほか
期待通りの出来上がり、現代の悪魔憑き!
儀式めいた異常殺人は『羊たちの沈黙』『TWIN PEAKS』などでも扱われているが、
こんな死刑囚が復活したら本当にたまらない。
高層ビルから飛び降りたり、クルマがひっくり返ったりで、殺人鬼も刑事もとってもタフ。
ラストも一筋縄にはいかない。


『シェイクダウン』(1988)
監督:ジェイムズ・グリッケンハウス 出演:ピーター・ウェラー ほか
麻薬捜査をしているうちに、出世の見込みのない刑事が彼らの麻薬と金を横領する。
そんな刑事がいたらどうしようもないね。
同じ題材を扱った映画は、ほかにも『Q&A』など硬いのが揃っているけれども、
そんなアメリカの汚点をウェラー演じるローランドという変わったジミヘンフリークの弁護士が
頑強でまったくアウトローな刑事と組んで、片っ端から抹殺してゆく。
現代のN.Y.のひっちゃかめっちゃかぶりがうかがえる。
タクシーの運ちゃんがものすごいカーチェイスをしたり、飛行機と無関係なパイロットと
悪玉2人もろとも爆弾で吹き飛ばしちゃうところは、同じアクションでもちょっと違うセンス。
金持ち娘と元恋人の検事との間で優柔不断に揺れるところも今っぽい。


『咬みつきたい』(1991)
監督:金子修介 出演:緒形拳、安田成美、石田ひかり ほか
遂にでた日本版のドラキュラ映画
ドラキュラフリークの女医がどこからか入手したドラキュラの血を輸血すると
ドラキュラになってしまう設定。
あっけらかんとした登場人物とハンパな元サラリーマンドラキュラのボケぶりが可笑しい。
安田成美も石田ひかりもイイ役どころだけど、日本版ドラキュラ役に緒形拳っていかにも。
映画界で十八番中の十八番であるこのドラキュラというキャラは、
これからも新しいアイデアを吹き込まれ、もっと活き活きと活躍してほしい。


『悲しみよこんにちは』(1957)

 

原作:フランソワーズ・サガン 監督:オットー・プレミンジャー
出演:ジーン・セバーグ、デヴィッド・ニーヴン、デボラ・カー ほか
またひどく暑苦しい夏がやってこようとしている
サガンのこの短い話を読んだのも、とても暑い夏だった。
読後はそれまで毛嫌いしていた夏を少しだけ好きになったのを覚えている。

サガンがなんと18歳の時に書いた処女作が、これほど世界中で人気があるのも
主人公が17歳の少女で、鋭くかつ微妙な独特の思春期の女の子と同じ年代のうちに書き留めたのが
とくに同性の共感を呼んだのではないだろうか。
ブルジョアジーの退屈しのぎの例年のバケーション
避暑地でのひと夏は女の子を確実に大人へと変えた夏だった。

自分もこのアンヌと同じ道をたどらないとも限らない。
未来に確固としたイメージもなく、パーティーに明け暮れる毎日には何の希望も生き甲斐もない。
そして、男に頼り、甘い時が過ぎた後、捨てられて傷つくのはたいてい女だ。
妻を亡くしてから孤独を恐れ、女遊びを続ける父、
そして父親のかわいい人形のように期待に応え、すっかり父と同化していた故に
アンヌによって自分と向き合うことに気付いたセシル。
楽しくもないパーティーや競馬などに「楽しかったわ」と言い続ける彼女は、
どうして本当の気持ちを隠しつづけるのだろう。

原作に忠実に美しくイノセントな海、その大きな海の見える家。
当時話題になったベリーショートのジーン・セバーグは、ハツラツとした魅力に対して、
デボラ・カーの落ち着いた大人の魅力、いかにも快活で暇をもてあます遊び人といったニーヴンも役にピッタリ。
このフランスを代表するサガンの代表作、次はぜひフランスの監督が映像化したものを観てみたい。


『ドラキュラ』(1979)
監督:ジョン・バダム 出演:フランク・ランジェラ、ロレンス・オリヴィエ ほか
怪しくて妖気にみちた怪紳士ドラキュラ。
その名前だけでも思い切り怪しいが、まだ人々はこのドラキュラが
トランシルヴェニアに古くから伝わる吸血鬼だとは知らない18世紀末が舞台。

コウモリや煙、狼にも化けられるが、相変わらずニンニクと十字架、太陽に弱い。
醜男を下僕にして埃まみれの洋館に独りで棲み、
美女とその血を求めて夜の闇に徘徊する。
彼はモンスターであり、また孤独で究極的ロマンティストのドンファンなのかもしれない。
オリヴィエ晩年の熱演が楽しめる。
致命傷を負ってもなお蘇る暗示と期待を残す中世のジェイソンなんだ!


『エイリアン・ネイション』(1988)
監督:グラハム・ベイカー 出演:ジェイムズ・カーン、テレンス・スタンプ ほか
あらゆる民族・人種を受け入れてきたアメリカだが、
ついにエイリアンも無条件に受け入れ、解放したというから驚き。
そのエイリアンはかつて奴隷で、異なる環境への対応が究めて早く、
人間生活に溶け込み、エリートまで活躍しはじめたというから、これまたビックリ。
ミルクが大好物、心臓が2個あって、わきの下が急所、海に入ると溶けてしまう・・・などのアイデアが面白い。
警官と協力して悪玉を倒すラストはスプラッタ並み。
new commer を最初けなしながら、自分なりに理解しようと奮闘するカーンの地味な刑事もなかなかイイ。


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