メランコリア

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おはなし名画シリーズ『クレー 絵本画集』

2012-10-04 22:49:56 | 
おはなし名画シリーズ『クレー 絵本画集』(博雅堂出版)
クレー/画

「若い頃から、わたしはクレーの絵にうながされて詩を書いてきた。
 ちょうど、モーツァルトの音楽にうながされて、そうしてきたように」谷川俊太郎

谷川さんの詩とともに、クレーの代表作が大型本いっぱいに紹介されている。
中でも「セネキオ(野菊)」のエネルギッシュなオレンジ色のユーモラスな顔は、
見ていると元気がもらえる好きな1枚だ。

「綱渡り芸人」のような小さきものの姿も愛おしい。
親の影響で音楽や文学にも精通していて、旅も好きだったクレー。
「将来は、建築と詩がとけあったような絵を描く画家になりたい」とイタリア旅行の日記に書いている。


チュニジアへの旅が転機となる。
「色がわたしを永遠にとらえたのです。色とわたしがひとつになったのです」


も大好きで、生涯たくさんの猫たちと一緒に暮らした。
ひとつだけ嫌いだったのは電話
絵や読書に熱中している時に突然鳴り出す電話のことを「悪魔の箱」と呼んで
家から電話をとりはらってしまったってエピソードは限りなく同感!


第1次、第2次大戦という2つの戦争を経験し、晩年は病魔に侵された日々。
クレーが一生に描いた約9000点のうち1500点は闘病中に描かれた/驚
自由のきかなくなった手で描いたのがあの天使シリーズ


「芸術とは、目に見えるものをあらためて描くのではなく、
 見えないものを、見えるようにするのだ」


ナチスによって102点の作品が没収され、
その内17点がミュンヘンの「退廃美術館」に展示される。


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