メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(2002.1~ part1)

2014-01-17 11:15:31 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回は黒のルーズリーフからご紹介。いきなりスカパラにどっぷりハマった。
きっかけは「HEY! HEY! HEY!」で♪美しく燃える森 を観て冷牟田さんに釘付けになってから

  

photo1:いきなりスカパラ登場! ♪美しく燃える森 の歌詞をメモ。
photo2-3:友だちと大阪行ったメモ。

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『大地の子守歌』(1976)
監督:増村保造 出演:原田美枝子、田中絹代 ほか
図書館で美枝子さんのエッセイを読んで、そこに今作のロケ話があったことで観た。16歳!にしては成熟してる。
で、終始強烈なエネルギーを発する奇人?の役だけに、おっとりしたイメージが一変。
ずっと肩に力が入る、妙な後味は'70代のせい? 監督の演出のせい? 美枝子さん独特の雰囲気のせい?
今でも強烈に印象に残ってる出演ドラマは、やはり閉鎖的な島が舞台で、父(丹波鉄郎)の偏執的な愛で育ち、
ラストは男が自分の足の肉を食べてしまう、あのドラマの役にも通じる。

狂気が漂うウェットな役が多い。3ヶ月の撮影、八王子と四国のロケ、数々の賞に輝いたという。
島という特殊な環境と、昭和初期の苦難、同じ設定でもこれが昭和30~40年代に撮られていたら、
もう少しソフトに仕上がっていたかも?

「困ったら土につっぷしてみれば答えが返ってくる。山へ帰ってこい」と聞こえるばばの声。
でも考えたらこんなに人間不信にして、人生をより辛くするよう育てたのは、このおばあさんのせいじゃないか?
まあ元々気性の強さはあったろうけど。

小気味よく動いて、ずっと声は張りっぱ! 次にどう出るか予想のつかない奇行ぶり。
遍路が終わった後はどうするつもりなのか?フシギな映画だ・・・
唯一力の抜けた自然な演技を見せる田中さんはやはり違う。


『青春残酷物語』(1960)
監督:大島渚 出演:川津祐介、久我美子 ほか
なんか今回はみんな後味の悪いようなのばっかり たしかに残酷な青春だ。
民主主義で戦後、自由、豊かになっても迷える若者らのはしりか。
久我は40代?にしては全然変わらない美しさと威厳

若気の至りにしてはあまりにバカな感じ。
そんなにネガティブに考えずとも、フツーに学生するか、働いて恋愛すりゃいいのに、
ムリするから道を踏み外して悪い連中に絞られるのでは?
若いうちに安易な金で遊んじゃいけない。好き勝手やるのが青春じゃないでしょ。
ジミーディーンの反抗と違ってカッコ良くないんだな。暴力的な性描写が当時は斬新だったみたい。


『黄色いからす』(1957)
監督:五所平之助 出演:淡島千景、伊藤雄之助、田中絹代、久我美子 ほか
戦後の教育問題も変わったことを物語る1作。子どもの描く絵から児童心理分析をするあたりなんか、
ガンコ一徹オヤジ世代ではかなり意識改革しなければならなかったろう。
でも家事をしたり、話し合って決めたりと、このだんなは理解ある“進んだ夫”だ。
この伊藤氏は時々見かけるが、いかつい顔でインテリくさく、どこかおとぼけな、いい役者さんだなあ。
鎌倉、江ノ島の様子も今と随分違ってのどか!

作った粘土細工を褒めてもらいたかったのに「もっと算数とかやらなきゃダメだ」とか、
小さい食い違いで子どもの心は少しずつ傷つき、いじけてゆく。
それに気づいたのはいいけど、今となっては子どもの機嫌をうかがう単なる甘やかしになってしまった。
子どもの教育って難しい・・・親も子どもとともに学んで悩んでいくしかないんだ。

明治のチョコレートだの、サンドイッチでピクニックだの、オルゴール、パステルetc...
外国製品と文化が急速に入ってきてる1つ1つが面白い。
隣りのオバサンは戦争孤児を養女にしているらしいことも時代を反映している。


『続・拝啓天皇陛下様』(1964)
監督:野村芳太郎 出演:渥美清、久我美子、岩下志麻、藤山寛美、小沢昭一、佐田啓二 ほか
『男はつらいよ』の原型になったとはいえ、戦中・戦後の体験記としての記録映画的シリアスドラマでもある。
同じ呑気なキャラでも体一杯熱演する渥美さんの役者魂を感じる。

天皇が「人間宣言」したってゆーのにもビックリ。特殊な世界だったんだな。
物のない時代、競輪やパチンコが大流行したり、とにかく何も無い状態から這い上がったこのパワーはスゴイ
今から見ると本当にあったとは思えないくらい、第二次世界大戦後の朝鮮戦争とか、
今作は日本人から見たものだが逆から見たらもっと悲惨なものだったろう。


『新・平家物語』(1955)

監督:溝口健二 出演:市川雷蔵、久我美子、木暮実千代 ほか
動乱の時代、平清盛の若い頃のほんの一幕を描いている。
相変わらず人々は貧困にあえぎ藤原貴族の“朝廷”、白川上皇らの“院”、平家ら“武士”、
果ては坊さんまでが槍を持って勢力争いに余念がない。

グルーチョみたいな眉の市川、ほんの数シーンの久我の喋りやふるまいは現代劇とも変わらぬ個性。
小暮は胸出しルックで女の色香全開 こんな着物があったんだ。

「公家共よ踊りたきゃ踊れ。お前らに未来はないのだから。明日は俺たちのもの」
と言って終わる。これから面白くなりそーなのに・・・
父が最期に息子に託したのは、上皇とともに詠んだ歌の書かれた扇子。
「後は頼んだよ」みたいなことが書かれている。こういう教養が昔の人にはあったのね。


『長尾紳士録』(1947)

監督:小津安二郎 出演:飯田蝶子、青木放屁、河村黎吉、吉川満子、笠智衆 ほか
いーなーやっぱし・・・小津作品の滔々と流れる時間の世界。セリフや動きで笑わせるシーンも所々効いてて、
同じ人情ものでもお涙頂戴ではない。ココロの底にじーんとくる、このどこか切なくてあったかい静かな感動
戦中・戦後ものでもすさんでいない貧しさがある。

「海岸で貝拾っといで」と行った隙に猛スピードで走って逃げるが追いつかれちゃうシーンも可笑しいw

「もう情が移っちゃったんだよ。犬でいったら土佐犬だね。ちょっとブル入ってるけど」w

当時は戦争孤児も多かったのか。配給制とはいえ、子ども1人くらいはなんとかなる時代だったのか?
このかあちゃんの子どもらは成人したのか、“後家”っていうから戦死したのかも知れない。
2人並んでノミに肩を揺らす仕草も可笑しい。飯田の怒った顔は本当に鬼面のようだし


『秘密』(1999)
監督:滝田洋二郎 出演:広末涼子、小林薫 ほか
今頃観たちょっと前の話題作 ベッソンがコレを観て自作起用を決めたらしい。
“なり代わり”の典型パターンなんだが(しかも相変わらず2Hドラマほどの低予算な邦画)やっぱ引きこまれちゃう。
小林薫ファンだから?w 広末もイケてる。ラストがちょっと納得いかないゾ。

40代でも新婚ホヤホヤみたいな夫婦も珍しいが、娘の体を夫に捧げちゃう母の心理はどーなの
だんなに理性が残ってたからまだいーものの。
それにしても、こんな憑依ってあるのかな、世の中には・・・?


『TOUR! PUFFY! TOUR!』(1997)

♪セトリ:
とくするからだ、simple、渚にまつわるエトセトラ、長生きしてね、ウサギチャンネル、
ショッピング、パフィーのHey! Mountain、サーキットの娘、アジアの純真、これが私の生きる道、すばらしい日々

奥田民生のフシギで心地よい脱力感はPUFFYにもしっかり受け継がれてるw
2人がピッタリはまるのは天命か、はたまたプロデュースの腕か!?
Tシャツにジーンズ、ダラけた振り付けw、なにもかも、それまでのアイドルの伝統を打ち破って
♪アジアの純真 でいきなりブレイク、はたまたアジアでも大ブレイクしてしまった快挙。
それが井上陽水の作詞作曲と最近知って2度びっくり。

今作はタラタラとリハする2人のはじけぶりと、DJ風景、移動、各ステージでのパフォーマンス、
そして“地元産のコーナー in 広島”では御大?奥田も登場(あくまでさり気ない
楽屋では正座して反省会w 師弟関係なのか? うらやましくもある

聴けばけっこー昔懐かしい'60代テイスト。ビートルズ、ザ・フーを思いっきりパロった、ラトルズ的な曲が見つかるのもまた楽し。
ギターロック野郎の民生が、先人にならってガールズグループをプロデュースしたのもその辺の追従か?
いやー自曲も書きーの、平行してるんだから、桑田に負けないハイペースな実力。
実はそんなパフィーの2人に投影されてにじみ出る奥田の魅力と、彼女ら本来の個性のぶつかりどころもまた楽し


『八月のクリスマス』(1998)
監督:ホ・ジノ 出演:ハン・ソッキュ、シム・ウナ ほか
新作に並んだ時「きっと重いだろーなあ」とパスしてたけど、同僚のおススメで借りたらやっぱ重かった
でもベタベタした重さじゃなく、淡々としてジーンとして、こんな風に穏やかに自分の死を迎えられたら、とは思う。
けど死を見つめながら生きるって辛いだろう。

「記憶の中の写真みたいに愛も思い出になると思ってたけど、君は違った。
 想いを胸に旅立たせてくれたことに感謝したい」

人はそれぞれ生きる権利と死のスタイルも選択できる(不意でなければ
AはRに告げずに迷惑をかけまいとし、優しい思い出と、進行形のままいくことを選んだ。

余計な音楽を入れず、自然のままのシーンがリアルな効果を生み出す。
ド派手アクション系の香港映画と違った趣のある韓国作品もなかなかのもの。
この冒頭で監督に追悼が捧げられてるが、亡くなっているのだろうか?
「幽霊は怖くないのかも」という兵役時代のユーレイ話の件もイイ。


『宋家の三姉妹』(1997)
監督:メイベル・チャン 出演:マギー・チャン、ミシェール・ヨー、ヴィヴィアン・ウー ほか
歴史ものは背景を知らないとなかなか感情移入が難しい。


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