メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『わたしの家族はどこかへん?機能不全家族で育つ・暮らす』

2013-02-06 15:20:23 | 
10代のセルフケア『わたしの家族はどこかへん?機能不全家族で育つ・暮らす』(大月書店)
レイモンド・M.ジャミオロスキー/著

10代のセルフケア3『共依存かもしれない』を読んで、同シリーズで関連がある今作も借りてみた。

【内容抜粋メモ】
また長くなりました/謝

家族に基本的に必要なこと byアブラハム・マズロー(心理学者)
生存(生きること)
安全と安心
愛情と帰属感(家族の一員であるという落ち着いた気持ち
自尊心
成長
自立して生活するためのスキルを身につけること

家族の一員であるということは、家族全員の必要が満たされるように協力しあうということ。
活動的、互いに助言し、勇気づけ、行動に責任をとり、問題を解決する。

機能不全家族は、結びつきが強くなる傾向があり、互いを縛りあう。
一人ひとりがいろいろな役割を持っている=加害者、被害者、共依存
共依存者は、事態を改善しようとするが、実際には機能不全を継続させる役割をはたしてしまう。

【生存】
食べもの、水、家、衣服、健康面のケア。
問題は、経済的に困っていなくても、生存に必要なものを意図的に無視する家庭。
ケンカの後に子どもを家から締め出す行為も法律をおかしている。ネグレクト(遺棄)

【安全と安心】
何かを達成したからでなく、ありのままの自分が受け入れられ、ありのままの自分に価値があると感じる必要がある。
家族の愛は無条件であるべき。
機能している家族では、何か間違っても家族からのけ者にされたと感じることはない。
子どもは親を手本にして愛することを学ぶ。愛されていると感じれば、他人を愛することができるようになる

【自尊心】
自尊心とは、自分は何かが出来ると思えること。自分には価値がある、責任がとれると感じられること。
人生で達成する大切な事柄のほとんどは、自信と決意があるから可能になる。自尊心がそれを後押しする。
自尊心は驕り、自己中心、自惚れとは違う。他人も同じように価値があると知っているため、
みんなと違う意見であっても、それが正しいと思うなら、勇気をもって信念を通すことができる。

【成長】
成長とは変化すること。

家族の2つの大きな責任とは
1.さまざまな感情を表現すること
2.ほかの家族の言葉に耳をかたむけること。
家族間のコミュニケーションは、成長するうえで不可欠。

【自立して生活するためのスキルを身につけること】
親の大きな責任の1つ。
子どものためにやりすぎてしまうのは、自分で学習する機会を奪う。
「完全主義」も成長の芽を摘み取ってしまう。結果、子どもを精神的に支配する。
完全主義の親の子は、完璧にやれないなら最初からやらないほうがマシだと、なんでも諦めがちになる。
人間は、子ども時代に困難なことやなにかを失う体験をしながら、それに対処する方法も見つけていく。


機能不全家族は、健全なメンバがいるゆえに団結する。一人も機能的な人がいなければバラバラになる。
完全に機能している家族というのもない。
子どもは10代半ばで急速に情緒的な変化と成長をするので、親は理解に苦しむ。
親が心理的に未発達なために必要なものを与えられない。

家族が機能しているかどうか判断する手段
互いに協力し、コミュニケーションと図り、思いやりを持ちあっているか。


――――――――機能不全家族のタイプ――――――――
1.情緒的な虐待
感情を意図的に傷つける言葉や行動をとること自尊心が育たない。問題解決力が身につかない。

2.ネグレクト(遺棄)

3.過保護
痛みや悲しみをいつもガードしていると、独立心、責任力、決断力が鍛えられない。

4.性的虐待

5.完全主義
期待に応えられないと家族の一員ではないと思い、帰属感もなくす。

6.薬物依存症

7.宗教や政治的狂信

8.ワーカホリック
子どもは最優先でなくてはならない。一緒に過ごす時間がないと、子どもは置き去りにされた気分になる。

9.精神的な疾患のある親
10.身体的虐待
11.きょうだいに障害がある子がいる場合
12.ギャンブルにのめりこむ

機能不全の程度は「少し調整が必要」「不健全な状態」「非常に危険な状態」まで幅がある。
治すには家族が一緒に取り組む必要がある。
家族に自分の気持ちを伝え、関心を向けてほしいと知らせることは、問題解決の第一歩になる
困難をうまく生き延び、健全で、生産的で、バランスのとれた大人になるという希望を捨てないこと。

――――――――――――――――――――――――――――――――

【情緒的な虐待】
どんなひどい言い方をされても傷つかないどころか、まったくその通りだと思う。
自分はなまけ者で、わがままで、馬鹿なのだと信じ込んでしまう。
情緒的に成長するには励ましが必要。自身を信じられなかったら、なかなか希望は持てない。
自分を信じることは、誰かがあなたを信じることから始まる。
「だらしない」などと言われ続けると、子どもは親の期待通りになるもの。
アメリカでは15~24歳の死因の3位は自殺。共通点は「希望のなさ」。

成功を体験する
自分の才能は何か考えてみる。なんでもよい。参加し、関わることで人の輪が広がり、励ましも得られる。

自尊心の低い人は、人を馬鹿にしたり、見下したりする。
周囲の人を惨めにすることに小さな喜びを感じる。

否定的な考えの人を避ける
情緒的な虐待を受けた人は同じような友だちを求めるが、健全な自尊心を持つ人たちと多くの時間を過ごすこと。

希望を捨てない
どんなに悲観的な状況に見えても、物事は好転させられる。
自分が今持っているものに感謝することから始める。


【ネグレクト】
泣き続ける赤ちゃんに「うるさい!」と怒鳴る父(ウチと同じだ)、病気になっても医者に連れていかない、など。
加害者を非難するのはけっして助けにならず、家族の絆は固くならない。
加害者が尊敬している人、カウンセラーなど外部に助けを得ること。


【過保護】
母の必要とすることが夫によって満たされていない場合、だれかと気持ちがつながっていたいため子どもに向く
母が子を利用して、自分の成長、愛情、帰属感を満たしているため健全とはいえず、子どもの情緒的な成長が止まっている。
習い事は一人ぼっちに直面せずに済んだ友だち関係を作れなくなる。
子どもは生まれた瞬間から家を離れる準備をしていく。
困難な状況を避けることではなく、その中でなんとか頑張ることで対処することを学ぶ。

そのままのほうが楽。「もうかばうのを止めて」と親に言うのは勇気がいるが自立には必要。
完全に親を切り離すのではく、少しずつ自分で問題に責任を持つようにする。
次のステップは、情緒的に支配してきた親に話をすること。冷静に自信をもって話す。
話すコツは、自分の感情と必要性に焦点を当てること。
自分の気持ちをだれかに話すことは問題に対処する助けになる。「悪い」感情について話すのは健全。
若い人たちは、親よりも仲間同士でいたいと思うのが普通だということを覚えておく。
信頼できる同年代の友人をつくる。


【性的虐待】
子どもは本来、大人を信じるもの。性的虐待は家族の中でのもっとも重大な「信用の乱用」
性的虐待は、家族のコミュニケーションをすっかり閉じてしまう。
加害者に怒鳴れない代わりに、信用できる友人にわけの分からない怒りをぶつけてしまうことがある。

よくある誤解
大人の男性に性的虐待を受けた少年は、「異性愛者から同性愛者に変わる」と恐れるがそれは間違い
少年を虐待する男たちの多くは、実は「異性愛者」であり、自分のパワーとコントロール力を誇示している。
普段は、自身が無力でコントロールされていると感じていて、その怒りを弱い者にぶつけている。

人の精神は、あまりに困難なもの、辛くて向き合いたくないものには、無視することで自分を守ろうとする。
なにが起こっているのか、あえて知ろうとしない。
性的虐待に詳しい専門科など強くて有能な大人の助けが必要。
自分の体と人生のコントロールを握っているのは自分と思えるようになるために、自己へのイメージ、自尊心を育て直す必要がある。


【完全主義】
ほかですべてAの成績をとっても、1つだけBだっただけで責められるなど。
自分の主張を曲げて、教師の好みに合わせるようになる。

動機づけ
能力のある子どもが頑張るにはいろいろな動機がある。
・親を喜ばせるため
・罰を逃れるため
・好きな教師を喜ばせるため
・人の期待とは無関係に自分で満足したいから など

学校で頑張っている小学生の大半は親を喜ばせるためにそうしている。
情緒的に健全な子どもは、親の承認と励ましを嬉しく思うが、成功のための動機づけをそれだけに頼らない。

問題の根っこはコミュニケーションのなさにある。
多くの若者は、親の承認・不承認を無視する自立に必要なスキルを発達させるための健全な欲求。
教師が尊敬できないとその科目を捨てるのはきわめて短絡的。判断力のある学生は、自身のために勉強する。
本当に自分が成功するためには、その源泉は自身でなくてはならない。
自分を励ますやり方を考え直すことが必要。他人のために頑張るのでなく、自分の中に動機づけする。
自分が頑張るのは親の評価のためではなく、自分のためだと気づくこと。


【薬物依存症】
アルコール、処方薬、違法薬物。自殺者の2割はアルコール依存症者。
アメリカでは、660万人の子どもがアルコール依存症の親と住んでいると推定される。
ブラックアウト(飲酒で記憶をなくすこと)家族を気にかけず、無関心となる。
アルコール依存症は病気。断酒は可能だが、再び普通に飲酒はできない/驚
回復中のアルコール依存症者と呼び、一生その状態。

子どもは、「自分がきちんとすれば親は飲酒をやめるだろう」と思い込むが間違い
また、「遺伝だけが理由」というのも違う。飲むかどうかの選択肢は自分にある。
AA(アルコホリクス・アノニマス)などの自助グループに参加するなどの方法がある。

薬物依存症者もまた、一生依存症者のまま。
NA(ナルコティクス・アノニマス)=違法薬物乱用者の自助グループに参加する。

体質、環境、遺伝、アルコールや薬物がもつ習慣性、社会など、
人が依存症におちいるプロセスはじつに複雑なため、外部の援助が必要。

共依存
共依存とは、ある行為をやめさせると、本人とその人との関係が壊れるかもしれないという恐れのために
不健全な行為をそのままにして、結果的に行為を続けるのを助ける人のこと。

メロディ・ビーティによる定義
「もしだれかの誤った行為が、あなたの人生に影響を及ぼしていて、
 あなたがその人のしている悪いことをコントロールしなくてはならないと感じるなら、
 あなたは共依存です」

共依存者は、その人のストレスを緩和しようとし、サポートしようとする善意の人たち。
問題を認めない態度をやめ、自身、愛する人への不満を認める。

相手の問題的な行為を助長すること=イネイブリング
イネイブリングをしているうちに自らも健康を害したり、人との付き合い、夢、希望が隅へと押しやられる。

薬物問題が、家族の他の問題の現れであることがよくある。
家族セラピーは家族をまとめる助けとなる。


【宗教や政治的狂信】
カルトとは
疑問を差し挟むことなく服従することを要求するグループ。KKK(白人至上主義)やネオナチなど。
人は意外とカンタンにカルトにひきこまれる。
加わる時に、違法か、道徳的にゾッとするような行為をさせられ、それを明かされるのを恐れて抜け出せなくなる。
こうあるべきという強い大義がなにより大事で、そのためには家族をなおざりにしても構わなくなる。

校長、教師、警察署長、公務員、政治家、学者、医者の子どもたちは、自分がいつも見られていると感じている
親が団体のリーダーの場合は、自分の仕事が子どもの行動によっても評価されていると感じるため。
親が宗教や政治的狂信になると、子どもにもその考えを押しつけようとする機能不全を受け継いでしまう。
子どもは親の仕事の成功(不成功)に責任はないと知ることは大切。

自分のものでなく、だれかの夢や期待に応えることは、成長とは逆。
強要に従うプレッシャーは、若者を反発させる。

従順と反抗は表裏一体
どちらも成長を妨げる。本当の成長は自身を知ること、自分が誇れるような選択肢を選ぶことから起こる。
従順は自由選択でなされたもの、恐れからでないかぎりは、1つの方法。そうでない場合は、組織を拒否すること。
難しいなら、親の規制を緩め、同時にその指導力を否定しないよう外部の助けを得る。
親によって強要された儀礼的行動は、自分のせいではないことを知るには数年がかりになる可能性が高い。
本当の自分を知るのは困難なプロセスとなる。


【ワーカホリックな親】
親が家庭ではなく職場に帰属している
仕事中毒は、仕事にのめりこみ、仕事がもたらしてくれる報酬に依存している。
ギャンブラーがギャンブルにのめりこむのと同じ。

人はどこかに帰属することが必要。家庭に帰属できず、自分に価値を感じられないと、ほかの場所に求める。
若くしてセックスする望まない妊娠、性病のリスクを負いやすい。

秘密を生むグループへの忠誠が強くなり、周りから孤立する。
貧しい家庭より、金持ちの子のほうが自殺を考えることが多い
未遂で救われた子らは「とにかく一人でいることが耐えられなかった」と話す。

仕事中毒者の子は、早くして「燃え尽き」を経験する。
親が賢明に働くのを見て、人生にそれほどの希望がないと思ってしまう。

親がワーカホリックの家庭は、互いをよく知らない。
皆が足元で起こっていることを無視することで対処している。
支援と同時に、新たな制限も設けられるかもしれないことを承知する。問題に一緒に立ち向かうには、妥協も必要。
しかし、ワーカホリックな親は状況を変えていくための提案を受け入れるのがもっとも苦手でもある。

周りの大人に話すことで自分の考えが整理される。
はじめに親と話すと、整理されてないから「大げさだ」ととりあってくれないかもしれない。
家族は近すぎて、冷静に受け止めるのが難しい。
親にきちんと話を聞いてもらい、理解してもらうと、問題解決と思うかもしれないが、これは第一歩。

健全なグループに参加する
いろんなタイプの人がいても、一緒に何かを達成しようとすることは、自尊心を育てるのに役立つ。

師を探す
完璧な人である必要はない。人を理解し、思いやりがあり、常識のある人であること。

自分で目標を設定する
小さなこと、短期間からはじめて広げていく。
目標を達成できなくても自分を責めず、もっと楽な目標に切り替えて取り組む。

親とずっと話しつづける
自分の夢や希望、やっていることなどを伝え、気持ちをわかちあう。親の人生もまた変わっていく。


【精神疾患】
うつ、双極性障害(躁うつ病)、不安障害、統合失調症、依存的行動など

状況的うつ
愛する人との死別などで起こる。治療できる。

大うつ病
深い悲しみや寂しさを抱えている。抗うつ剤、カウンセリングなどでの治療が必要。

双極性
うつより治療が難しいといわれる。

不安障害
パニック発作:これといった理由なしに起こる強烈なそわそわ感、恐れ、緊張感。処方薬が有効。

恐怖症
蜘蛛、狭い場所、自分の家を離れるなど、ある状況やモノを非現実的に、異常に恐がる。
カウンセラーや心理士が、恐れがどこから出ているのかを理解する手助けをしてくれる。
恐れの対象に直面しながら、リラックスする方法を学ぶ

強迫神経障害
どうしても頭から離れない、繰り返し起こる強迫観念。

統合失調症
思考と現実の区別ができなくなるような思考障害。誇大妄想など。

依存的行動
ドラッグ、アルコール、タバコ、ギャンブル、食べものなどに依存する行動。
治療のカギは、本人がそれをやめることを強く望むこと。

精神的疾患を治療しないのも機能不全家族を生む原因。
治療を始めるのが早いほど、家族が健全に機能するきっかけを早くつかめる。


【身体的虐待】
あざ、みみずばれ、やけど、切り傷、骨折は、理由に問わず身体的虐待の結果。
加害者への恨みをためた人は、相手をイラつかせるために、まずい選択をするもの。
本来は親だけが持つべき権力と影響力をきょうだいが行使している場合、
家族の主たるパワーをコントロールし、バランスをとらなくてはならない。
最初のステップは、親に「きょうだいの暴力や強制を止めてもらうよう説得してほしい」と言うこと。
両親は、きょうだいそれぞれの良さと能力を認める必要がある。

身体的虐待は、生意気なことを言って頬をぴしゃりと叩かれるといった範囲ではなく、傷を負わせることを指す。
防ぐ手立てがないなら、家を離れなければならない。
虐待は、繰り返されるほど、だんだん酷くなってゆく。


【きょうだいに障害がある子がいる場合】
障害者のいる家庭の多くは、とてもよく機能して家族全員のニーズを満たしている。

障害のあるきょうだいがいる子は、自分の怒りを出すのが困難な状態にある。
家族のだれかに腹をたてているとしたら、それがなぜかちゃんと知ることが大切。

怒りはゆっくりとたまっていくもの。何が問題か分からずに、人に皮肉、批判、敵意をもって接しているのに気づくことがある。
怒りを感じた直前に何が起こったか? 記憶を掘り起こしてみると、相手とは関係ないことに気づく。

怒りの対象が変えられない場合は、状況を受け入れる。
ダウン症のきょうだいは変えられなくても、両親は変わりうることを理解する必要がある。
状況をはっきりと伝えること。

障がい児の親は、子どもになんらかの埋め合わせをしようとして、いろいろな活動に熱中してしまうことがよくある。
障がい児を持つ両親にとって、活動の努力に対する表彰や感謝は救いとなる。
子どもが障害をおうことは防ぎようがない。
カギは、彼らをありのままに受け止め、感謝すること。

障がい児に普通の生活をさせてやりたいと望むものだが、障害のみにとらわれると家族全員の成長を忘れてしまう。
親は障がい児にかかりきりになっているので、あなたの気持ちに気づいていない可能性が大きい。
親が罪悪感、怒り、恨みを抱えているとコミュニケーションは難しい。親の言い分も聴く。
最初のステップは、自分が何を必要としているかを知ること。
どうやったら公正に両方のニーズを満たすことができるか考える。

自分に人に正直になること。
親が障害のあるきょうだいに時間とお金と愛情をつぎこむことの責任は、きょうだい本人にはないと理解すること。


【ギャンブルにのめりこむ親】
心理士の定義
「強迫観念とは、ある特定のテーマ(死、暴力、スポーツ、セックスなど)にしつこくとらわれ、頭からそのことを追い出せないこと」

強迫的というのは、自分ではコントロールできずに繰り返す行為のこと。例:何度も手を洗う など
強迫的ギャンブルは依存症(アディクション)。効果的治療場所としてGA(ギャンブラーズ・アノニマス)がある。
危険をはらむビジネス投資、株の購入など、すばやく金持ちになるための手段は、みなギャンブルといえる。
大きな問題の1つは、家計を脅かしていること。


――――――――まとめ――――――――

一人親
アメリカでは毎年、未婚女性が100万人以上の子ども産んでいる。
一人親だからといって、機能不全家族になるというわけではない。
しかし、未婚の親は情緒的なサポートを得る機会が少なく、また、婚外出産に偏見をもつ人も多い。
一人親の中には、金銭的な貧しさに圧倒的プレッシャーを感じている人、援助を受けるのが恥ずかしいと思う人がいる。
親は子どもに情緒的なサポートを求めてはならない。一方的に与えるだけになるのは親にとっても苦しい。

親の死
親が亡くなったからといって、家庭が機能不全になるとはかぎらない。
コミュニケーションが途切れると、辛い状況から薬物などにのめりこむ人が出る。
親戚の人などに一緒に過ごしてもらい、家庭内のやりくりを手伝ってもらうとよい。
感情を無視すると、喪失による悲しみを長引かせるだけ。
辛い感情を乗り越えるには、泣くことは健全な方法
亡くなった人を思い出す記念日などは過去に焦点をあてることになる新たな記念日やお祝いに目を向ける。

離婚
アメリカの子どもの65%が離婚家庭で暮らしている。
死別と同じような罠におちいる傾向がある=自身の感情を無視して、なんでもないフリをする。

継親
子どもは、生まれた時は宇宙の中心。親は子どもの欲求を満たすために自分を脇に置く。
一人親のパートナーが後から入ると、子どもは嫉妬を感じる。
おとぎ話などにイジワルな継母が登場するというイメージは、
子どもが「親は自分以外のだれかを必要としている」と認めるより「新しい親は悪い人だから嫌いだ」とするほうが簡単だから。

逆に、その人が加われば家族の問題すべて解決すると思い込むのも継母(父)の神話。
失望し、新たな親を恨むことになる。
みんなが正直になって、コミュニケーションをとることがカギ。


――――――――家族の問題にどう対処するか――――――――
家族が機能するのに、自分もその責任の一端をになっていると自覚する。

家族は変化に抵抗する
多くの大人は一人で生きるのは恐くて、たとえ酷い状況でもそこで生きることを選ぶ。
それ以外の生活が想像できないため暴力を甘んじて受ける。
「知らない悪魔より、知っている悪魔のほうがまし」
未知なものへの不安を抱き、これまでの習慣を変えようとしない。

自尊心が破壊されるため、決断や実行を起こせなくさせている。生活を変えたり、選ぶことにも自信が持てない
やりとりし合う言動は嫌いでも、互いに愛し合っているために、変化に反発する。
誰かを愛していることと、その人がとる行動を切り分けるのは難しい。

機能不全家族が変化を嫌う最後の理由は、プライド
「回復への第一歩は、助けが必要なことを認めること」
家族の変化は、2歩前進して1歩下がることをよく繰り返し、正しい方向に進む。忍耐が必要。

生まれた家庭には問題があるけれど、いつかは幸せで充実した人生をおくるという希望を持ち続けること。
機能不全を知りつつ、同じミスを繰り返さないようにする。
自分にはなにが満たされていないかを考えてみる。

ほかの人と同じゴールに向かって取り組めば、なしとげる体験が得られる。
まずは、自分が何をしたいのか考えてみる。目標を定める。
他の人を助けるのも1つの方法。老人、障害者、子どもを相手にしたボランティア。
人を助けることで、自分を認められるようになる。
地域でもっとも重要な資源は、自分自身。

自分に対する気分がよくなる=自尊心が育ちつつあるということ
責任感を養う最初のステップは、親に自分が今どう感じているか率直に話すこと。

将来築く家族も同じように機能不全になるのではないかとう不安をもつ。
=あなたの人生は、あなたのもの。


――――――――監訳者あとがきメモ――――――――
子ども時代に負ったトラウマ(心の傷)は、大人になってからの人生に大きな影響をもたらすと考えられている。

完全な家族、完全な社会というのも存在しない。
大切なのは、何か問題があっても、その問題に支配されないで生きること。
問題の影響を最小限に食い止めるためになんらかの方法をとること。

「生きにくさの病」
Disease=Dis(否定)+ease(たやすく)
つまり、生きることが簡単でない、生きにくいの意。

子どもは、どんな家庭でも、そこに適応して生きざるをえない。
自己主張を控え、辛くても我慢する、本当の自分を隠して、無視して生きることが存在を守る方法だった。
でも、大人になったら、その「楯」は、機能しないばかりか、楯ゆえに自分を傷つける。
古い楯は、自分の身を守ってはくれない。

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