むらくも

四国の山歩き

妙見山-横峯山-大浜…香川県(荘内半島)

2014-03-29 | その他<香川の山>

妙見山、横峯山           みょうけんやま、よこみねやま



山行日               2014年3月28日
標高                319.8m、279m
取りつき地点            三豊市詫間町香田東
下山地点                 詫間町大浜
駐車場               なし
トイレ               なし
水場                なし
メンバ-              単独




先週末、金曜日に降った雪で山は真っ白だったが、その後気温は上昇し、あっというまに融けてしまった。
近くの川で早朝にはガ-ガ-と賑やかだった冬鳥たちは、北の方へ旅立ってしまったようで、いつの間にか姿が見えず、静かになった。
日中の気温は18度から20度、ソメイヨシノも開花し、隣の庭ではモクレンが満開だ。
虫たちもそろりっと地上に姿を現しているのか、裏山の小鳥たちも活発に木から木へと飛ぶようになった。

今日の日中予想気温は21度で快晴、里山を歩くには少し暑い。
きちっとした山道を歩くぶんにはまだまだ涼しくて問題はないのですが、ヤブのなかへ潜り込んだりするには、これから先はきつい。
特に困るのは、なにか訳の分からない虫たちがヤブの中には潜んでいることで、噛みついてきたり刺しにきたりする虫もいるわけで、そういうのがシャツの中に入り、家に持ち帰ったりして、慌ててしまう。
低山歩きはそろそろ終わりに近づいている。

とりあえず、今日は先週に続いて、荘内半島の横峯山から大浜へと歩いてみよう。
香田東から砂防ダムのあるところへ入り、そこから支尾根伝いに標高156mポイントの妙見山と横峯山の鞍部に出て横峯山に登り、三角点・立石山へ。
立石山からは西への尾根を辿り、標高58mポイントの林道を横切りさらに西へ。
そして標高115.3mの三角点・鴨ノ越を経て、大浜にあるバス停に降りる。
バス停からは自転車で出発点の香田東へと走るという段取りです。




自宅近くの山は、出発をゆっくりできるので気持が楽です。
妻が仕事にでかけたあと、8時過ぎにゴゾゴゾ布団から這い出して、ベッドじゃないもので、寝具類を押し入れにごそっと放り込んで、パンなど焼いて、牛乳飲んで、欠伸しながら歯を磨いて、めちゃんこ薄くなった髪をブラッシングもせずに、そのまま玄関を出る。
用意した物は、自転車とナップザックとログ取りのためのGPSと財布だけ、途中のコンビニで弁当とお茶を買って、熱いコ-ヒ-を飲みながら詫間町大浜のバス停へ。
自転車を塀の鉄柱にチエ-ンロックして、香田東へと引き返す。

10:23、ポンプ場を出発。
畑の道から赤ちゃんを抱っこしたお母さんがやってきてご挨拶、赤ん坊はよく寝ていました。
道前方には妙見山から横峯山への尾根が見えていますし、鞍部の位置がよく分かります。




右手に作業小屋が見え、山手の高い木に真っ白な花がたくさん咲いていました。
遠目でちょっと分かり難かったですがモクレンかもしくはコブシの花でしょうか。
この花が咲き出すと、子どもたちは春休みのシ-ズン。
わたしたちが小さい頃は、こういう山手にあるため池へ出かけて、一本25円か30円で買った竹竿で釣りをよくしたものです。
エサはアカムシと言って、ダイコンの輪切りの上で、釣り針にエサを刺していました。
セッピンやアカマツなどの小魚を釣って、小さな水槽で飼って観察などをしていましたが、この頃では子どもたちが小さな池で釣りをする光景を見ることはほとんどなくなり、大きな湖や川でブラックバス釣りを見かける程度です。




道なりに歩いて行くと、やがて大きなカ-ブのところで舗装されたコンクリ-トからダ-ト道に変わりますが、そこには右山手側に三段まきの黒テ-プが施されており、明瞭な踏み跡があります。
とりあえず、ここから取りつくことにしました。

足元にはスミレが咲いていましたが、葉の全体が丸く心型で、葉脈が紫色ではないのでナガバノタチツボスミレとはまた違ったスミレのようでした。




どんどん登って行きますが、やがて踏み跡はなくなり、方角も地形の様子も目的の鞍部方向とは違っていることに気がついた。
修正するにはすでに遅すぎた。
いまさら鬱陶暗く茂った谷へと降りて、尾根を二つほど乗り変えるのには気が重たすぎる。
妙見山方向へと歩いていると感じたので、そのまま尾根筋を進むことにした。
妙見山を経由すると時間的にはかなりなロスになるが、せいぜい1時間から1時間半程度だろう。




黄色くて目立つ花が咲いてました。
標高は250mほどの位置だろうか、この標高だとアブラチャンかなと思ったのですが、希にダンコウバイもこの位置で自生するそうなので、よく分からなかった。
やがて、見覚えのある歩きよい尾根に出た。
博智山から妙見山への縦走路だ。
11:17、妙見山山頂に到着。
歩き出して1時間と掛かってない、意外と歩きやすい尾根で、早く着いたっていう感じでした。




星の石・千貫松方面へ。
足元にはたくさんのヤシャブシの花がポロポロ落ちている。
見上げると、オオバヤシャブシ、そしてこちらはヒメヤシャブシ。




11:23、展望の好い星の石で腰を下ろしお昼ご飯。
若い男性二人連れが千貫松を見物がてらにやってきた。
「春休みですか?}
「はい、そうです」
「いいね~、この時期は思いきり遊びに行けるね~」
「エヘヘ、はい~」
高校生風でしたので、香川高専の学生さんでしょうか、博智山から登ってきたようです。
この年齢の子どもたちを見ると、眩しいくらいに輝いて見えて仕方がない。
わたしもこういう頃があったんだね。
お別れして、千貫松の横から鞍部へと下る。




ヒサカキの花、里山特有の匂いがする。
鞍部が近くなったところで、細尾根の左側には荒れた元作業道が続いている。
ここはイバラなどでヤブいているので、出来る限り細尾根を外さないようにしながらさらに鞍部へと下ることが肝要だ。




12:07、鞍部手前の石仏に到着。
あれれ?石仏手前にあった三段まきの青テ-プを見逃したぞ。
引き返して確認したところ、三段まきではなく二巻きははがされており、一巻きだけになっていた。
前回にここを訪れたのは9日前、その間にどなたかがここへやってきて、外したらしい。
それとも、ここに棲む古たぬきの仕業か?わしゃ、騙されてるのか?
石仏さんに一礼して、横峯山へと登る。




景色が開けてきた。
左奥から稲積山、江甫草山、小蔦島、大蔦島。




振り返って妙見山を眺めた。
写真では分かり難いが、千貫松と星の石がよく見えている。
名部戸方面にある小さな山斜面にはポツポツとピンク色に染まったところがある。
山桜がそろりと咲き始めましたね。




12:27、横峯山山頂。
展望のいいところでコ-ヒ-ブレイク。

粟島。
三角点・立石山へと歩き出す。
ところがここでハプニング。
三角点手前の笹藪の中から、獣の威嚇するおとろしげな声が聞こえてきた。
ガルガルガルルガ-ッ!
その声の方を見ると、なにか真っ黒いモノがこちらを睨んでいた。
ゲボッ!大きなイノシシだ。
驚いて腰が抜けそうになったが、ジッと我慢の子、耐えて動かないようにした。
すると、グホン!と一声叫んで左の名部戸方面へと駆け下っていった。
ドドド-ッと凄まじい音がした。
ふ~!恐かったな~!やれやれと思いながら、歩き出した途端に、今度は黒く小さな四つ五つの固まりが、笹藪をザザザザ-ッと同じく左下へと駆け下った。
親子のイノシシじゃわ、危機一髪、危なかったな~。
もし母親に突っかかれたりしてたら、今頃骨が砕けて、噛みつかれて血が出てたかもな~。
そうならなくて、良かったが~。




13:03、三角点・立石山。
○米さんが木に括り付けた古い点標のさらに左側に薄い踏み跡があって、そこから西へと尾根を下る。




躑躅もポツポツと咲き始めている。
左方面に見えている形のいい山は名部戸にある前山だろうか。




13:14、ちょっとした開けた尾根の肩に着いたので、泥色に染まってしまったリュックを降ろして、一休み、食べ物は定番のバナナ。
このリュックどうみても品がなく汚らしいのですが、ヤブ山には欠かせないお伴なのです。

山桜の大きな木が斜面で花を咲かせていました。




少々ヤブいているのですが、ときには歩きよい陽の当たるところもありました。
割れた大きな岩を遣り過ごして…。




車道に降りました。
降りた斜面はズリズリとこんな崖でした。
丁度降りているときに車が一台通り過ぎましたが、なんだか恥ずかしかったな~。
わたしがもしも車の運転手だったら、なんじゃこいつは、人なんか歩きそうもない山から突然崖を滑り降りてきて、気が狂ってるかアホやないかと思うわな。

ところで、再びトイ面の崖をよじ登って尾根に乗らなあかんのですが、よう登りません。




左へと車道を歩くと、お地蔵さんがありましたが、その裏の斜面もヤブいてきつそうで、引き返して、峠の思いきり右下方(船越方面)へ移動して、そこから尾根へと取りつく。
遠くで大きめの躑躅が綺麗に咲いていました。




ヤブを突っ切ると、なんと尾根には踏み跡がありました。
行き着いた先には古い作業小屋があって、そこから先はやっぱりヤブの中。




我慢して我慢して、ヤブとの根比べです。
ヤブの向こうには紫雲出山が見えていました。
かきわけかきわけして降りたところは、再び車道の走っている峠道。




道を渡って、今度は登りやすい手すりの着いたコンクリ-トの斜面が尾根へと導いてくれました。
ところどころに穴となった肥えタンゴの跡。
子どもの頃、野山で遊んでいて、肥えタンゴに一度だけ落ちてしまったことがあります。
体はうんこだらけになりましたが、不思議と臭くなかった。
屎尿やうんこも熟すると、臭いがなくなるんですね。
それでもものすごく情けなかった記憶が残ってます。




おや、立石山から先の尾根では初めて見る赤テ-プ。
薄い踏み跡ではありましたが、頂上まで続いています。
着いたところは、三角点・鴨ノ越、標高は115.3m。




三角点のすぐ傍の木には○米さんの点標がテ-プで括りつけられていました。
踏み跡はここまで、そこから大浜方向は再びヤブの中。

かき分けくぐり抜け、ちょっとした開けたところからは大浜と紫雲出山が見えております。
もうちょいだ、頑張ろ~!




やっとこさ、写真を撮る余裕のあるところへ出て、そこは大浜集落からすぐ近くだったようで、車やバイク音が聞こえてきました。
一安心して、坐って甘いド-ナッツをいただきました。

麓から人声も聞こえてきました。
畑の放棄地でしょうか、李の白い花が咲いてましたよ。




イノシシに間違われないようにイバラをソッとかき分けて、降り立ったところは大浜からの林道で、さらにその上は行き止まりのようです。
どうやら、当初に予定していた下山地点へドンピシャで降りられたようでホッとしました。

畑で作業をしておられた方に挨拶をして、紫雲出山方面に降りてゆきます。




出たところは、亀さんに乗った浦島さんのモニュメントがある荘内浦島郵便局。
バス停ではマイ・バイクが待っていてくれました。




海岸から眺めた粟島の全景。




帰路ちょっこし寄り道した、鯉のぼりの泳ぐ小さな公園、いい季節ですね。
長袖シャツは着ていたのですが、それでも腕はひっかき傷だらけ。
今夜のお風呂は傷に沁みます。
そろそろ、里でのヤブ山シ-ズンは終了でしょうか、それとももう一回くらいあるのでしょうか。
最近、惚けてしまって、本人にもよく分かってないのです。




出発地点10:23-取りつき地点10:37-妙見山11:17-11:23星の石11:40-石仏12:07-横峯山12:27-三角点・立石山13:03-三角点・鴨ノ越14:13-下山地点14:36-大浜バス停14:39-<自転車>-15:09出発地点


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