地蔵山、チキリ峰、風戸山 じぞうやま、ちきりほう、せとやま
山行日 2017年2月16日
標高 122.9m、119m、116.5m
船の時刻など 四国汽船→こちら
島町営バス時刻表・レンタサイクルなど
ベネッセアートサイト→こちら
登山口 地蔵山<中学校前の道沿い生垣の間>、ちぎり峰<貯水槽右側>
風戸山<三菱マテリアル擂鉢谷堆積場フェンス右>
トイレ 宮浦港および宮浦港から直島小・中への道沿いにコンビニ有り
水場など 宮浦港売店・自動販売機、上記コンビニ
メンバー ピオーネ、むらくも
ピロリ菌がいなくなってほぼ4年、体重が増え続けトータル5kg増。
菌を放牧していた10年前と比べると、8kg増。
20年前比10kg増。
ピロリ菌による栄養横取りは微小なもので、主な原因は基礎代謝の低下。
危機感を感じて断食によるダイエットを始めた。
1回目4食抜き2kg減、1kgリバウンド。
2回目4食抜き1.5kg減、0.5kgリバウンド。
トータル2kg減。
目標はBMI22を目指して6kg減、やっと目標の数値の1/3に達したところ。
BMI22という数字がいいのかどうか、よくわからない。
最も病気になりにくい適正体重はBMI22だが、長寿体重となるとBMI25~30未満のちょいデブがよい。
しかし、単に長寿と健康長寿とは異なっており、病気をして寝たきり長生きというのも長寿に入るので話しはややこしい。
ならば健康長寿で長生きというのが一番いいのだが、それはもうちょい医学の進歩を待つ必要がありそうです。
断食によるダイエットがいいとは言えないかもしれないが、とにかく始めてしまった。
明日から2日間のダイエット宣言、もう止まらない。
そんな日に山へ行くことになった。
お天気がいい日には島の里山に遊ぶ、それとも断食、どっちを選ぶ?
どっちも選んだ。
行く島は直島。
2日間の断食、内心無理かもしれないなと思ったが、なぜかともに実行すると宣言した妻は絶対無理やと呟いた。
矛盾がある、宣言したことにはならん。
ならば、いけるところまで…。
この言葉は山での禁句用語、ギリギリまで行動してはならないことを意味しているが、山のことではないのでオゲンタイだ。
直島の一番高い山は標高122.9mの地蔵山。
行きたい山リストの一つとしてノートに記して、かれこれ10年以上になる。
やっと行く気になった。
前日の夕方、赤星山から帰ってきてすぐに寝てしまった。
日付が変わって間なしの、丑ひとつ時に目を覚まし、こもれびさん、reikoさん、エムテック松本さんの直島レポートを急いでちら読みした。
地蔵山はサルトリイバラやシダの茂るヤブ山、登山口には道標もなくわかりにくい。
大丈夫かなーと思いつつ、船便や島のバスなどアクセスを確認し、地蔵山以外のチキリ峰と風戸山の位置を押さえた。
他に京ノ山、鎧山、姫泊山がエムテック松本さんのレポで紹介されていたがいずれも酷いヤブ山、地蔵山はこの島の顔的存在なので外すことはできないが、妻からのブーイング必至、体力・時間制限も考え割愛した。
高松港 宮浦港
今日から二日間の断食の始まり、妻も減量につき合ってくれるので、小さなリュックに非常食だけを入れて自宅を6時に出発。
行動中の飲み物はお茶のみ、一応念のためにスポーツドリンクはリュックの底に入れたが、これも非常用、この日は本当に身軽でした。
高松港から1kmほど西側にある一日490円の駐車場に車を停め、コトコト歩いて四国汽船切符売場へ。
8:12、高松港出港、9:02直島宮浦港着岸。
着いて驚いた。
今まで行った瀬戸内の島と趣も雰囲気も少し違う。
港には大きなターミナルがドンと建っている。
建物は海の駅「なおしま」、フェリーターミナルだけでなくバスターミナル、待合室、インフォメーション、観光物産売り場、そしていいカフェがある。
なによりも意外と便数の多い町営バスが走っていて、便利そう。
すぐに発車する便があったが、肝心の登山口がはっきりせず、下車するバス停を把握できていない。
みやんだ池 直島小学校
取り敢えず、地蔵山の聳える東方向に車道を歩いた。
途中にコンビニがあった。
ないものと思いこんでたのでこれにもびっくりした。
コンビニの隣には大きなガソリンスタンドもある。
思わずコンビニに入りそうになったが、断食を思い出し、止した。
散歩をしていた方がおいでたので、地蔵山登山口を訊ねてみた。
昔はみやんだ池右奥から尾根へと通じる道があって、山頂へ子どもを連れてよく行ったもんだが、いまは道はなくなり、山頂へは行けなくなっている。
イノシシがはびこったり、過去にこの近くで山火事があってね、歩いたり整備する人がいなくなったりで、入れる状態ではない。
わたしも山が好きで、槍ヶ岳や剣岳へも行ったりしたんだがねー。
随分と懐かしそうに話しをしてくれたが、地蔵山に関しては無理とのこと。
お礼を云って、教えていただいたみやんだ池土手のフェンス右側から尾根へと入って、しばらくそれらしいところを探したが、シダの大藪でとても踏み込める状態ではなかった。
場所を替えて、エムテック松本さんが取り付いた火葬場奥の尾根を探ったが、ここも同じくシダの大藪で駄目だった。
この様子なら、こもれびさんやreikoさんが歩いた、中学校付近からの登山口も駄目かもしれん。
ほぼ諦めつつ、ダメもとで中学校へと向かった。
小学校前にある広い運動場を横切って…。
登山口 シダ
ありました。
中学校前の道沿いに生垣があって、その隙間から山手奥に延びる踏み跡。
すぐに踏み跡は途切れるだろうと思ってたが、意外にもところどころに赤テープが施されている。
上るにしたがい踏み跡は心もとないものになり、やがてシダが覆いかぶさってきた。
鎧山 サルトリイバラ
足元はかつての登山道を示すわずかな窪みが残されていて、シダが心持ち薄くなっている。
上から目線では踏み跡は分らないので、手でシダを分け、足元を見つめながら判断する。
シダの中から乾いた埃が舞い上がり、喉が痛くて咳が出る。
サルトリイバラもすごい勢いではびこっていて、シャツやズボンをパリパリと引っ掻く。
少し開けたところで後ろを振り返ると、鎧山が見えていた。
前方のシダ藪の中で何かが動く音。
逃げて行った。
鉄柱 三角点
登山口から40分ほどのところでシダに埋もれていた錆びた鉄アングルに足をとられた。
上を向くと同じように傾いだアングルがニョッと突っ立っている。
ほんの少し進むとシダの中から二等三角点が現れた。
点名直島。
古い山頂標識が木の枝に括りつけられていたが、文字は消え板だけ。
シダジイ シダバア
西側にあるお地蔵さんと鉄塔ピーク方向を探った。
極わずかな隙間がある。
ちょこっとだけ進もうとしたが、後ろから妻の怒声が…。
「行かへんで!ここまでや!わたしは行かんきんなっ!」
……
「下りよう」
足元には人の手が加わった長い石が落ち葉の中で横たわっている。
辺りはシーンとして静か、少し間を置いたあと、押し倒してきたシダヤブを下る。
ピースバア 中学校(右側)
上りと変わらない時間で登山口に着く。
途中の、こもれびさん、reikoさんのレポートにあった大岩は登山道からは見えず、寄ることが出来なかった。
運動場を横切り、車道に出た後、チキリ峰に向かう。
小学校隣に直島幼児学園があってその前に北へ向かっているアスファルトの細い道があった。
その道がチキリ峰への最も近い道なのかもしれないと思ったが、止めた。
だいぶ遠回りになるが幹線道路を歩き才ノ神へ行き、北側から回り込むことにした。
効率が悪いと思ったが、地図を持ってきていないことと、下調べが不十分なことが原因でした。
チキリ峰へ コンクリート道
途中、風戸山への登山口があるのでそちらを先に登れば効率がいいはずなのに、なぜかそれをしようとしない二人、あっちでもないこっちでもない、迷いながらチキリ峰への道を歩く。
この夫婦、特に夫の方は頭が固くて禿げてるし、少しも融通が効かない。
ちーと馬鹿でないかと…。
僻みド根性人生をまっしぐらに突き進んでいる感じ。
世の中にはいろんな人がいて、ゴミゴミしてるねー。
貯水タンク 登山道
民家の前を通り、左へのコンクリート道へ入ってすぐのところに貯水槽があった。
貯水槽の右フェンス側(南側)の道を上る。
三菱マテリアル煙突 無線中継所
歩きよい尾根道をほんの少し上がると眺望のある岩場があって、そこからは三菱マテリァルの紅白の高い煙突を見ることが出来る。
NTTの無線中継所があった。
施設名板にはチギリ峰無線中継所と書かれており、ギが濁っている。
国土地理院地図に記されたこの山の山名は濁ってなくて、キだ。
どちらが正しいのか、それともどちらも正しいのか、判断がつかないので、一先ず、国土地理院の山名を採用させてもらうことにした。
山頂の様子 風戸山
登山口からわずかに14分で山頂に着いたが、なにもない。
岩場に戻り、次に行く山の風戸山を眺める。
地蔵山 擂鉢谷堆積場
先ほど登った地蔵山も見えていた。
歩いてきた道を戻って、風戸山登山口の擂鉢谷堆積場へ行く。
フェンス右外側 コンクリート道
堆積場門のフェンス右側を上がってゆくと、すぐにコンクリー道に出る。
チキリ峰と地蔵山 三菱マテリアル精錬所
コンクリート道はまだできたばかりの新しい道で、景色は非常にいい。
南東方向にはチキリ峰と地蔵山。
そして、北には鶴石ノ鼻、獅子渡ノ鼻がちらりと見え隠れし、雨で流され地肌が出た尾根上には破線の道があって、地図で破線を辿ると才ノ神にある南北に細長い池の北側車道に辿り着くようになっている。
貯水タンク 三角点
登山口から20分ほどで貯水槽、その左側を奥へと進むとほどなく風戸山四等三角点・風戸山が埋設されている箇所に出る。
山頂は三角点以外にはなにもないが…。
山頂南西側岩場
ほんの少し南西側に足を運ぶと岩場が現れ…。
荒神島
絶景を楽しむことが出来る。
大岩
角の取れた丸まっちい、いまにも海に転げ落ちそうな団子のような大岩の横に座り込む。
葛島 高速艇
眼下には穏やかな直島水道と荒神島や葛島、対岸には宇野港や三井造船所の工場群と鉄塔などを眺めることが出来る。
貨物船 トンビ
高速艇や貨物船が海面を走り、空ではトンビやミサゴたちが舞う。
人間は過去、現在、未来という時間の中で生きているが、ここでは現在その一点だけがいつまでも留まっていて、動いているようにはみえない。
トンビと巣 巻雲
ほとんど平坦な尾根を南に歩いてみた。
電波塔が下のほうに見え、トンビがピーと一声甲高く鳴き、空へ舞い上がった。
塔の先丸まったところには巣があった。
空高くやや乱れた巻雲があり、白っぽく広がる傾向にある。
お天気は下り坂なのかもしれない。
柔らかい土 登山道のある尾根
台地上のふんわりした土の尾根を三角点のある山頂へと戻り、下山することにした。
五剣山 浄願寺山、勝賀山
遠くに一本の角の生えた五剣山と、高松周辺の山が霞んだようにして見えている。
山火事の跡 家島
尾根筋には若くて丈の低い松などの木しか生えてないところがあって、黒っぽく焦げ跡が残っている。
過去にあった山火事の現場だ。
14:38下山。
次の高松行きフェリーは17時ジャスト、時間が余ったので、宮浦港の東側にある直島港側へと回ることにした。
湾に出ると家島と向島の間に赤茶けた井島、その右奥に豊島の壇山が見える。
直島町営バス ヒラメ料理のお店
景色はいいのだが車道歩きはやっぱり退屈で、朝からお茶しか飲んでない身にはやや辛かった。
だんだんと足が草臥れ、肩で息をするようになったので、中学校バス停前で丁度来合わせたバスに乗り港へ。
ターミナルのベンチにへたり込み、お茶を飲み続ける。
しかし、ときどきスポドリを飲んだり、お菓子を齧っていた妻は元気で、一人でターミナル付近の街角ウォッチングに出かけた。
島食DOみやんだ
撮ってきた写真はレストランや銭湯がほとんどで、やはりお腹が空いていたのだろう。
直島銭湯 魚河岸7070
お腹がグー、それでも我慢のジジババだった。
赤カボチャ 大崎の鼻、小槌島夕景
ターミナルの待合室は次第に混み、ベンチはいっぱいになった。
若い人が多く、ほとんど観光客のようで、話す言葉も韓国語に中国、台湾など国際的。
船を待っている間はスマホをいじくっている方がほとんどだったが、船に乗ると打って変わって賑やかに、甲板などを元気に胸を張って歩き回る。
うーん、日本人はおとなしくて負けているな。
生活習慣や文化の違いもあるが、食べ物の違いが一番大きな原因ではないかと思ってしまった。
カモメ 漁船
ああー、おらっちも外国に旅してみたいよな。
一生に一度といわずに、二度も三度も、チマチマと山を歩いている場合じゃないぞなもし。
そのためには、ゼニじゃゼニゼニ!
待てよ。
命が…もう老い先は長くないぞなもし。
高松港8:12===宮浦港9:02-<ロス60分>ー地蔵山登山口10:43-山頂11:21-地蔵山登山口12:00-チキリ峰登山口12:49-山頂13:03-チキリ峰登山口13:21-風戸山登山口13:32-山頂13:55ー<岩場にて休憩21分>ー<寄り道10分>-風戸山下山口14:38-直島港15:07-15:23中学校前バス停15:25==<バス>==15:28宮浦港17:00===18:00高松港
YAMAPログ(登山口の位置、距離、時間などがわかる地図)→こちら