石鎚山 いしづちさん
登山日 11月23日
標高 1982m
登山口 西条市石鎚登山ロープウェイ⇒山頂成就駅
駐車場 山麓下谷駅近辺に有料駐車場(参考 1日400円~500円)
トイレ 山麓下谷駅、山頂成就駅、前社森休憩所、三の鎖迂回路下、弥山頂上山荘
水場 なし
月日が流れるのは速い、11月も残すところ10日を切ってしまった。ついこの間までやれアケボノツツジだ~、オオヤマレンゲだ~、それシャクナゲだ~、キレンゲショウマだ~などと言っては山に登ってたような気がする。それがいつの間にか高山での紅葉は終わってしまい、冬支度に入っている。
山に住む動物たちも慌てて食料をかき集め、お腹いっぱいにたらふく詰め込み、皮下脂肪をパンパカパンに脹らませているころ。
そろそろと高い山から中腹へさらには人里近くへと降りてきているに違いない。
人も太古の名残か、なんとなく食欲の秋だなどといっては秋の味覚を追い求め、冬に備えて皮下脂肪をせっせと溜め込んでいる。
しかし、冬に突入するとやれ忘年会、今日も忘年会、明日も忘年会、やれクリスマス、動物や昆虫と違って冬眠もしないし、ジッとしていない、そのうち年越し蕎麦だのうどんだのと喧噪だ。
痩せる暇などどこにもなく、そのまま年を越すに違いない。
いつかきっと天罰が当たるわ、この罰当たり者どもめが。
というわけで蓄えた脂肪(ほんの少しですが?)をそぎ落とすため、今日もお山へ。
前日は雨、気温はここのところ冷え込んできている。しかも、この日の天気予報は快晴。
ひょっとすると高山は霧氷か…?紅葉も少し食傷気味だし、霧氷を期待して石鎚山へムヒョーッと行こう。
車はまだ冬タイヤに履き替えていないため、土小屋コースは諦めて、駐車位置が低い成就コースにした。
ロープウェイの始発時刻を調べたところ、11月4日からはスキー場がオープンするまでの間、休日のための早朝運行はなく平日の通常運行だった。始発は9:00なのでそれに合わせて家を出発。
<黒瀬湖から眺めた石鎚山>
8時20分頃に山麓下谷駅前の駐車場に着く。
いつもの駐車場のおじさん(といっても私とどっこいそっこいかな?)となんだかんだと話し込んでるうちに、今日は三連休だから、9時前に始発があるぞ、と言う。エッ!何分に?と聞き返しても返事は、いや~9時前やから、兎に角行ってみな、だって。お~い、早く言ってくれ~。
慌てて駅へ駆け上がる。
余裕で8時40分の始発に乗れた。(計画より20分のお得)他にお客さんは滋賀県からこられたご夫婦、高松と関東からの若い女性二人、高松からの女性二人ずれ、単独男性お一人…。もちろんこの時期はみなさん登山目的。
850mの標高差を8分ほどで山頂成就駅に到着。西之川から登ったことはまだないけれど、ロープウェイを使わずにコトコト歩いたら2時間半は掛かるらしい、それも休まずに。私たちだと3時間は十分にかかるな~。いつかは挑戦しなきゃな、陽の長い時期に、天狗岳を省き、休憩を削り、もたもたと写真を撮るのを我慢して。
滋賀組が出発、私たちも続いて出発、すぐに単独男性に追い抜かれ、成就社では高松・関東組に抜かれる。
参拝してる間に高松女性組にも抜かれ、とうとうビリケツになった。のんびり行こうや(~o~)アハハハ
山頂成就駅が標高おおよそ1300mだから、天狗岳までの標高差はわずかに680mそこそこやし、慌てずとも楽勝さ、アハハハ(なんだこの変な笑いと取って付けたような東京弁は?)9時26分、神門をくぐる。
神門から八丁坂への、下りの、ブナなどの雑木林は気持ちのよい歩きだ。紅葉が終わったこの時期はシーズンオフで日本百名山といえども静かな山歩きが堪能できる。
落ち葉をカサコソ踏みしめて、やがて鳥居の建つ遥拝所を過ぎ、刀掛けあるいは土小屋への分岐、そして小さな幟の立つ王子社。刀掛けへも土小屋へもまだ歩いたことがない。私にとって石鎚山系の山歩きは魅力的な存在だが、体力と脚力を考えるとここを日帰りで歩くのは容易ではないと思う。
やがて階段になり道や斜面には雪がチラホラ。息が切れ、汗が噴き出る頃に試しの鎖に着く。いつの間にか男性二人が追いついてきて、試しの鎖を登りだした。この方たちは多分9時発のロープウェイに乗って来られた方、20分もの差を早くも詰められてしまった。その後、岡山からの男性二人連れの方も鎖を登った。軟弱者の私たちはそれを無視して、前社森巻道の階段を上がる。
前社森上の休憩所で一休み。再度、急な階段を上がっていく。
途中で振り返ると、瓶ヶ森方面がすっきり見え、雲海とまではいかないが、棚引く雲がやけに綺麗だった。
道は平坦になり、剣山を巻くようにして夜明峠へと歩く。ここからの夜明峠を眺める景色と石鎚山を仰ぎ見る風景がなぜか大好きだ。
峠を過ぎるとここからの登りを一息で土小屋コースからの道と合流する鳥居に着く。道はところどころアイスバーン状態で滑りやすい。上から早くも降りてこられる方がいる。足元にはクランポンがつけられていて、階段をシャキシャキと音をたてて降りている。上は滑りやすいですかとお尋ねしたところ、下りは滑って危ないですよと教えてくれました。あれ?どこかでお会いしたことのあるお顔…以前に笹蔵湿原・筒上山で会い、その後にも東赤石山でお会いしたIさんご夫婦でした。いずれの山も今年のことなのになんだかとても懐かしい。Iさんも霧氷を期待して土小屋からやってきたとのこと。しかし、残念、期待どおりの霧氷ではなかったが、北面ではわずかに霧氷も見られたそうです。しばし、瓶ヶ森林道の状態などをお話ししお別れ、また、どこかの山頂でお会いしゆっくりお話しをしたいものです。
来る度にカラス天狗にお参りして、写真を撮るのですが、気をつけないと滑るぞと思いながらカメラを構えた瞬間に天狗の目の前でドッテンコロリン。大事なカメラは片手で上へ差し上げ、地面にぶつけないよう無意識にかばっている。天狗の目と合った、眼は、あんたドッタン(どうしたん)と言いたげだ。(笑えないな~(-_-))
鎖は敬遠し、巻道階段を上がる。土小屋からの方が圧倒的に多くて、絶えずすれちがうし、登っている方も増えてきた。霧氷もわずかだったがそれでもこの時期にしては十分で、それなりに楽しむことが出来ました。
12時7分、晴天の弥山山頂に立つ。
始発の便に乗ってた皆さんとも山頂で再びお会いする。鎖を覗いてみると、滋賀県からのご夫婦が颯爽と登ってこられました。奥さんがご主人の勇姿をパチリ。ご主人、得意そうに鎖を片手にして高々とピース。
マダラ天狗をパチリ。
瓶ヶ森をパチリ。
弥山で食事を済ませた後、天狗へ。途中の岩場でへばりついて北壁の絶壁を覗き込む。怖くて少ない髪が逆立ってますが、なんだかカビのような頭髪です。ここをロッククライミングする人の気が知れない。怖い、足が竦む。
滋賀県の旦那さん、格好良く弥山と西ノ冠岳を振り返ってます。
13時9分、天狗岳到着。
南方面には高知県の中津明神山をはじめ重畳とした山並が見えた。
二ノ森・鞍瀬ノ頭、そして五代ヶ森。口を開けた犬顔の岩もその口に雪をはむでいた。
颯爽と帰路につくが、その後ろ姿の頭髪は恐怖の逆立ちのままのカビ毛だった。ふむ、年齢の割にはバランス感覚がいいようです!(^^)!ジガジサン
13時28分、さて、帰るとしよう。16時のロープウェイに間に合いそうだ。氷った階段を下りる前にクランポンをザックから取りだして足に着用。
再び夜明峠をとおり、後ろを振り返る。
滋賀県のご夫婦と前後しながら、前社森階段を下る。しばらくのところでもう大丈夫とクランポンを外した途端に氷った雪ではなく、ぬめった木の階段で妻共々滑りドッテンコロリン、二人で溜息、あ~あ~。
15時39分、やっとこさ神門が見えました。少し急いで15時55分、山頂成就駅到着。
すっかり枯れ色のススキを前景に瓶ヶ森をパチリ。
滋賀組ご夫婦、そして高松・関東組女性、岡山組も到着し、同じ便で仲良く山麓下谷駅へ。
<所要時間>
山麓下谷駅8:40==山頂成就駅9:09-9:19石鎚中宮社9:26-10:26前社森10:37-夜明峠10:57-二の鎖小屋11:34-12:07弥山山頂12:54-13:09天狗岳13:15-弥山13:28-夜明峠14:23-前社森14:37-石鎚中宮社15:40-15:55山頂成就駅16:00-16:09山麓下谷駅
(注)GPSログではありません。