むらくも

四国の山歩き

石鎚山(表参道コース)

2009-11-30 | 石鎚山脈

石鎚山  いしづちさん


登山日  11月23日
標高   1982m
登山口  西条市石鎚登山ロープウェイ⇒山頂成就駅
駐車場  山麓下谷駅近辺に有料駐車場(参考 1日400円~500円)
トイレ  山麓下谷駅、山頂成就駅、前社森休憩所、三の鎖迂回路下、弥山頂上山荘
水場   なし




月日が流れるのは速い、11月も残すところ10日を切ってしまった。ついこの間までやれアケボノツツジだ~、オオヤマレンゲだ~、それシャクナゲだ~、キレンゲショウマだ~などと言っては山に登ってたような気がする。それがいつの間にか高山での紅葉は終わってしまい、冬支度に入っている。
山に住む動物たちも慌てて食料をかき集め、お腹いっぱいにたらふく詰め込み、皮下脂肪をパンパカパンに脹らませているころ。
そろそろと高い山から中腹へさらには人里近くへと降りてきているに違いない。

人も太古の名残か、なんとなく食欲の秋だなどといっては秋の味覚を追い求め、冬に備えて皮下脂肪をせっせと溜め込んでいる。
しかし、冬に突入するとやれ忘年会、今日も忘年会、明日も忘年会、やれクリスマス、動物や昆虫と違って冬眠もしないし、ジッとしていない、そのうち年越し蕎麦だのうどんだのと喧噪だ。
痩せる暇などどこにもなく、そのまま年を越すに違いない。
いつかきっと天罰が当たるわ、この罰当たり者どもめが。
というわけで蓄えた脂肪(ほんの少しですが?)をそぎ落とすため、今日もお山へ。





前日は雨、気温はここのところ冷え込んできている。しかも、この日の天気予報は快晴。
ひょっとすると高山は霧氷か…?紅葉も少し食傷気味だし、霧氷を期待して石鎚山へムヒョーッと行こう。
車はまだ冬タイヤに履き替えていないため、土小屋コースは諦めて、駐車位置が低い成就コースにした。
ロープウェイの始発時刻を調べたところ、11月4日からはスキー場がオープンするまでの間、休日のための早朝運行はなく平日の通常運行だった。始発は9:00なのでそれに合わせて家を出発。



<黒瀬湖から眺めた石鎚山>



8時20分頃に山麓下谷駅前の駐車場に着く。
いつもの駐車場のおじさん(といっても私とどっこいそっこいかな?)となんだかんだと話し込んでるうちに、今日は三連休だから、9時前に始発があるぞ、と言う。エッ!何分に?と聞き返しても返事は、いや~9時前やから、兎に角行ってみな、だって。お~い、早く言ってくれ~。
慌てて駅へ駆け上がる。
余裕で8時40分の始発に乗れた。(計画より20分のお得)他にお客さんは滋賀県からこられたご夫婦、高松と関東からの若い女性二人、高松からの女性二人ずれ、単独男性お一人…。もちろんこの時期はみなさん登山目的。




850mの標高差を8分ほどで山頂成就駅に到着。西之川から登ったことはまだないけれど、ロープウェイを使わずにコトコト歩いたら2時間半は掛かるらしい、それも休まずに。私たちだと3時間は十分にかかるな~。いつかは挑戦しなきゃな、陽の長い時期に、天狗岳を省き、休憩を削り、もたもたと写真を撮るのを我慢して。




滋賀組が出発、私たちも続いて出発、すぐに単独男性に追い抜かれ、成就社では高松・関東組に抜かれる。




参拝してる間に高松女性組にも抜かれ、とうとうビリケツになった。のんびり行こうや(~o~)アハハハ
山頂成就駅が標高おおよそ1300mだから、天狗岳までの標高差はわずかに680mそこそこやし、慌てずとも楽勝さ、アハハハ(なんだこの変な笑いと取って付けたような東京弁は?)9時26分、神門をくぐる。




神門から八丁坂への、下りの、ブナなどの雑木林は気持ちのよい歩きだ。紅葉が終わったこの時期はシーズンオフで日本百名山といえども静かな山歩きが堪能できる。




落ち葉をカサコソ踏みしめて、やがて鳥居の建つ遥拝所を過ぎ、刀掛けあるいは土小屋への分岐、そして小さな幟の立つ王子社。刀掛けへも土小屋へもまだ歩いたことがない。私にとって石鎚山系の山歩きは魅力的な存在だが、体力と脚力を考えるとここを日帰りで歩くのは容易ではないと思う。




やがて階段になり道や斜面には雪がチラホラ。息が切れ、汗が噴き出る頃に試しの鎖に着く。いつの間にか男性二人が追いついてきて、試しの鎖を登りだした。この方たちは多分9時発のロープウェイに乗って来られた方、20分もの差を早くも詰められてしまった。その後、岡山からの男性二人連れの方も鎖を登った。軟弱者の私たちはそれを無視して、前社森巻道の階段を上がる。




前社森上の休憩所で一休み。再度、急な階段を上がっていく。




途中で振り返ると、瓶ヶ森方面がすっきり見え、雲海とまではいかないが、棚引く雲がやけに綺麗だった。




道は平坦になり、剣山を巻くようにして夜明峠へと歩く。ここからの夜明峠を眺める景色と石鎚山を仰ぎ見る風景がなぜか大好きだ。




峠を過ぎるとここからの登りを一息で土小屋コースからの道と合流する鳥居に着く。道はところどころアイスバーン状態で滑りやすい。上から早くも降りてこられる方がいる。足元にはクランポンがつけられていて、階段をシャキシャキと音をたてて降りている。上は滑りやすいですかとお尋ねしたところ、下りは滑って危ないですよと教えてくれました。あれ?どこかでお会いしたことのあるお顔…以前に笹蔵湿原・筒上山で会い、その後にも東赤石山でお会いしたIさんご夫婦でした。いずれの山も今年のことなのになんだかとても懐かしい。Iさんも霧氷を期待して土小屋からやってきたとのこと。しかし、残念、期待どおりの霧氷ではなかったが、北面ではわずかに霧氷も見られたそうです。しばし、瓶ヶ森林道の状態などをお話ししお別れ、また、どこかの山頂でお会いしゆっくりお話しをしたいものです。




来る度にカラス天狗にお参りして、写真を撮るのですが、気をつけないと滑るぞと思いながらカメラを構えた瞬間に天狗の目の前でドッテンコロリン。大事なカメラは片手で上へ差し上げ、地面にぶつけないよう無意識にかばっている。天狗の目と合った、眼は、あんたドッタン(どうしたん)と言いたげだ。(笑えないな~(-_-))




鎖は敬遠し、巻道階段を上がる。土小屋からの方が圧倒的に多くて、絶えずすれちがうし、登っている方も増えてきた。霧氷もわずかだったがそれでもこの時期にしては十分で、それなりに楽しむことが出来ました。




12時7分、晴天の弥山山頂に立つ。




始発の便に乗ってた皆さんとも山頂で再びお会いする。鎖を覗いてみると、滋賀県からのご夫婦が颯爽と登ってこられました。奥さんがご主人の勇姿をパチリ。ご主人、得意そうに鎖を片手にして高々とピース。




マダラ天狗をパチリ。




瓶ヶ森をパチリ。




弥山で食事を済ませた後、天狗へ。途中の岩場でへばりついて北壁の絶壁を覗き込む。怖くて少ない髪が逆立ってますが、なんだかカビのような頭髪です。ここをロッククライミングする人の気が知れない。怖い、足が竦む。




滋賀県の旦那さん、格好良く弥山と西ノ冠岳を振り返ってます。




13時9分、天狗岳到着。




南方面には高知県の中津明神山をはじめ重畳とした山並が見えた。




二ノ森・鞍瀬ノ頭、そして五代ヶ森。口を開けた犬顔の岩もその口に雪をはむでいた。




颯爽と帰路につくが、その後ろ姿の頭髪は恐怖の逆立ちのままのカビ毛だった。ふむ、年齢の割にはバランス感覚がいいようです!(^^)!ジガジサン




13時28分、さて、帰るとしよう。16時のロープウェイに間に合いそうだ。氷った階段を下りる前にクランポンをザックから取りだして足に着用。




再び夜明峠をとおり、後ろを振り返る。




滋賀県のご夫婦と前後しながら、前社森階段を下る。しばらくのところでもう大丈夫とクランポンを外した途端に氷った雪ではなく、ぬめった木の階段で妻共々滑りドッテンコロリン、二人で溜息、あ~あ~。




15時39分、やっとこさ神門が見えました。少し急いで15時55分、山頂成就駅到着。




すっかり枯れ色のススキを前景に瓶ヶ森をパチリ。
滋賀組ご夫婦、そして高松・関東組女性、岡山組も到着し、同じ便で仲良く山麓下谷駅へ。





<所要時間>
山麓下谷駅8:40==山頂成就駅9:09-9:19石鎚中宮社9:26-10:26前社森10:37-夜明峠10:57-二の鎖小屋11:34-12:07弥山山頂12:54-13:09天狗岳13:15-弥山13:28-夜明峠14:23-前社森14:37-石鎚中宮社15:40-15:55山頂成就駅16:00-16:09山麓下谷駅


(注)GPSログではありません。

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鈴ヶ峰(徳島県)

2009-11-16 | その他<徳島の山>

鈴ヶ峰  すずがみね


登山日  11月14日
標高   394.7m
登山口  徳島県海陽町宍喰
駐車場  なし(ただし、登山口を過ぎて林道終点にちょっとした広場あり)
トイレ  なし
水場   なし(近くの沢に降りると水は豊富に流れている)




NHK朝ドラ「ウエルかめ」の舞台になってる日和佐から南西に直線でおおよそ30kmに位置する宍喰に、国指定天然記念物のヤッコソウが生える里山がある。ヤッコソウは熱帯性植物で四国では高知県と徳島県にしか見ることが出来ないそうです。徳島ではこの鈴ヶ峰と海部の妙見山(明現神社)にもあって、ここが北限地のようで、辺りの海岸線は室戸阿南海岸国定公園で風光明媚、自然がいっぱいの景勝地です。
里山のもっともいいところは、地図やコンパスはポケットにしまい込んだまま、多少迷ってもいいという気楽さでしょうか。ちょっと木の上に登ったり高いところに立てば、そこからは川や田圃や町の風景が見えます。





自宅から往復8時間近く掛かるため、行き先はこの日はこの山だけ、目的はヤッコソウと山頂からの展望のみ、帰りは何処にも寄らず温泉に入る。と決めて5時起床、いつもどおり、わんちゃん散歩、準備して出発、ところが忘れ物をしたりで、ロス、結局家を出たのが7時。徳島自動車道を降りて55号線を走り、宍喰から県道301号へ、1km少しのところで左側に交番があって、鈴ヶ峰登山口の案内板があるのでそれに従って行くと、11時前、登山口に着く。(写真左は下山後に撮影した鈴ヶ森、右写真は登山口へ行く林道分岐と鈴ヶ峰への案内板)





天気予報では午前中雨か曇りでしたが、晴れ間が出ました。しかし、空気はひんやりして冷たいし、いつ雨が降ってもいいようにザックに傘を入れ、長袖シャツにチョッキを着込んで林道手前から歩く。ほんの少しのところで第一番霊山寺のお地蔵さんがあって、柿の木の前にはヤッコソウ発生地の説明板がありました。ここはどうやらミニ八十八ヶ所の出発地でもあるようです。




お地蔵さんの横には「鈴ヶ峰観世音道」の石塔。そして丁石ならぬ町石。




雨が振った後の林道をシャカシャカ上っていく。ヒヨドリが甲高い鳴き声で静寂を突き破る。




林道終点には広々とした車の回転場があって、この近辺に駐車が可能なようでした。すぐに木の階段があって、右下、沢からはザワザワと勢いよく流れる水の音が聞こえてきました。




町石とお地蔵さんが津々と登る人を案内してくれます。櫨の木でしょうか、里山での紅葉一番手の木、標高100mにも届かない地点です。




間もなく傍らにお地蔵さんがあるシイと思われる木を見つけました。ヤッコソウが寄生する木を調べてみたところ、スダジイとツブラジイとがあるとのことですが、見分けがつきません。いずれにしても、ジイ・ジイ、孫が後ろから甘えた声で抱きついてくるような気が…(ナンノコッチャ)。標高130mの展望所に着きました。ベンチで一休み。ここにもスダジイかツブラジイの木。




大きく繁った枝先からは街並みと海が見えました。シイの木の下をくぐるようにして…。




町石には登り口から気になってた文字が刻まれていますが、楷書体ですら読めない字がたくさんあるというのに、なんやらスラスラと崩れまわった字は、よう読みません。ですがよく見ると、○△屋□▽×右衛門とか●▲■兵衛の字のようなものがチラホラ。この町石を施工寄贈した方のお名前が刻まれてるようです。11時44分、傍らのお地蔵さんは不動明王・青龍寺。




木洩れ日の植林地を登っていくと、ここにも大きなヤッコソウ説明板(環境庁)が施されていた。辺りをキョロキョロ。足元もつぶさに、目を皿のようにして…、シイの根元を見詰める。




わ~い\(^^)/一番左下のは雄しべの帽子を被ったヤッコ。その右隣は受粉した雌しべのヤッコでしょうか、頭が少し黒くなってます。その右隣はヤッコそのものの姿で手を広げてますが、これも受粉後でしょうか、頭がほんのちょっぴり茶色くなってきてます。手を広げた脇には甘い蜜があるそうですが、あまりにも小さくて、爪楊枝のさきっちょでもどうかなという感じでした。盛りは過ぎてるのか、蜂なども飛んでなくて、もう蜜はでていないかもしれません。




こんなにたくさん密生するんだ。小豆島の猿だんごとまではいきませんが、モゴモゴもぐれつくように…。ほとんど受粉後のヤッコソウのようですね。因みに天敵はこれを食べるノウサギだそうで、もっとも恐いのはシイの木を切ってしまったり、土を踏みつける人間だそうです。ヤッコソウは山道へも進出していますが、わずかに踏まれないように、登山者たちが周りに細々とした木の枝を立てているだけでした。




妻は夢中になってカメラを構えてますが、背中のザックが亀の甲羅に見えました。しかし、国指定の天然記念物の割には、保護されているようには見えません。環境庁は看板を施すだけなんでしょうか?膨大な予算と税金はどのように使われているのか疑問を持ちました。そういえば絶滅危惧種もレッドデータブックで示すだけで、積極的に保護をするために税金を使っているようには感じられませんが、どうなのでしょう?長い時間、ヤッコソウたちを観察した後、苔むした石段を上っていきます。




シイの大木?こちらにも?
スダジイとツブラジイの見分けは学者たちでもこれといった区別がつかないようで、わずかに木も葉も実もスダジイの方が大きいという程度だそうです。調べても実際はどうなのかそれすら分かりませんでした。




圓通寺廃寺に着いたようです。




往時のお寺が偲ばれます。苔むした石段と石垣を見ていると、口ずさんでしまいました。♪山寺の~和尚さんが~♪と唄うとすかさず妻が♪ポンポンポンポン♪とあいを入れる。まりはけりたしまりはなし~♪ポンポンポン♪猫をかん袋に押し込んでぽんとけ~りゃ、ニャンとな~く♪…可哀想に。




わたしたちはここで道を間違えました。お寺の階段を上がって、右奥から登っていくのが正解ですが、左奥へと進んでしまいました。ですが、ここでもヤッコソウが見られました。そのまま上へと行くとお地蔵さんのある、尾根筋に出ました。




尾根を右へと歩くとすぐに四国のみちの道標、直進して山頂へと向かう。青空が見えてきました。




ベンチのあるところに…。奥に三角点。天気予報に反してこんなにお天気がよくてラッキーな日になりました。ポカポカと温かい陽射しを浴びて、おひるごはん。その前にここまで汗かきながら我慢して履いていたズボン下を脱ぐことにしました。すると妻がすかさず「えーっ!」と大声をあげるじゃないですか。目を見ると「嘘やろ、信じれん」みたいな…。はい、わたしはヤッコソウが寄生するジイジイです。ここのところの気温の変化に身体が対応できないんですっ!半袖一枚になり、ズボンを捲り上げる。どうだ、これで短パン姿の生きのいい、若いにいちゃんになったろうが。




眼下には青い海の紀伊水道太平洋(誤り訂正…親切な方のご指摘により、2016年4月19日訂正)とのんびりした宍喰の町。




緩やかに流れる宍喰川、その向こうは高知県の東洋町と室戸岬方面。




パノラマ。




山頂でのんびりくつろいで下山。ヤッコソウの寄生するシイの大木はどうやら葉がついてなくて、枯れているようでした。




シイとウバメガシなどの自然林を過ぎて、再度、シダなどの茂る植林地へ。




展望所へ降りる。もう一度宍喰の街並みを眺めていると、ちょうど阿佐海岸鉄道の車輌が一輌ポツンと駅に止まってるのが見えました。ほんとうにのんびりっとした風景です。里山はほんとうにいいですね。




風もなく鏡のような入り江と紀伊水道太平洋。この山の沢筋はアキアカネ(多分)の生息地のようです。高山から里に下りたアキアカネがあちこちで飛んでました。




ナンバンギセルとアザミ。




イシミカワの実。登山口に帰り着きました。このあと行く山はなし、近くのホテルリヴィエラのヌメッとしたお湯に入って、帰ります。今日はビールは飲みません。





<所要時間>
登山口11:05-11:25展望所11:33-11:50ヤッコソウ群生地12:12-12:35鈴ヶ峰山頂13:33-13:47ヤッコソウ群生地14:02-14:48登山口


(注)GPSログではありません。概念図です。

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権現山(愛媛県)

2009-11-11 | その他<愛媛の山>

権現山  ごんげんやま


登山日  11月8日
登山口  愛媛県宇和島市薬師谷
駐車場  岩戸橋手前に広い駐車場有り
トイレ  登山口にあり
水場   薬師谷川へ降りると豊富な水あり




「権現山」と名のつく山は四国のあちこちにあるようです。この日に登る権現山は鬼が城山系の一角にある山で、麓には薬師谷渓谷があって、滝の名勝地にもなっているところです。山頂には山高神社があり、信仰の山でもありますし、また宇和海を見下ろす絶景ポイントですので、訪れる人は四季を通じて多いようです。登山口も薬師谷以外にアザミ峠、それと鬼が城山中腹を走る黒尊スーパー林道からも入れるようで、そちらからは手軽に登れる山のようです。
健脚な方は鹿のコルを基点に鬼が城山~八面山~権現山などをぐるっと周回するのもいいかも知れません。




午前中に譲ガ葉森を登り終え、その後、車で移動し(移動時間30分ほど)、薬師谷渓谷の入口にやってきました。入口すぐにある駐車場は私有地ですので、その手前にある広い駐車場に止めて、11時48分、出発。傍らにはクサギの実が生ってました。




ガイドブックには岩戸橋から山頂までの往復所要時間が4時間丁度となってましたので、出発時刻からも今回は滝および氷室跡などの見所はすべてパス。山道から見える滝巡りの遊歩道を左下にうらめしそうに眺めながら、山頂目指して一直線。




道標に従って折り返すように登っていきます。カラスがカーカーと鳴くのに合わせて妻がアホーアホーとカラスに切り返しています。う~ん、アラ・ヒフティも少し超えてアラ・カンに近づいてるんですけど、今もこれから先も心配です。




途中、少し道を間違えましたが、踏み跡と道標のある方へ復帰し、やがて篠駄馬に到着。




時刻は12時半、ザックを降ろしてお昼ご飯にすることにしました。ここ篠駄馬は昔には林業会社の種苗地だったそうです。そのため、綺麗な低い石垣の組まれた広い敷地になっていて、山に来たとは思えない雰囲気でした。古い農機具倉庫のような小屋の傍には大きな松とヒマラヤスギがグンと空高く伸びています。




大きな松ボックリ、こんな大きなのみたことない、と思ってたら、これはヒマラヤ杉のスギボックリでした。ヒマヤラスギは松科だそうです。ボックリの大きいのは15cmにもなるそうで、今日見たボックリは10cm、小さなほうのようでした。横に置いたラジオは9cmあります。因みにラジオからはなんの関係もない「もったいない」の歌が流れてました。黄葉したイチョウの木。




カエデもあって紅葉したものと、してないものそれぞれでした。ここは林業会社の庭だったところでしょうか?




カエデの庭の幹はこんな感じ。柿の木もあって熟れた実は食べごろのようでした。




篠駄馬の突き当たりは三叉路になってて、ケルンが積まれてます。ここを左折し、植林の道をどんどん登っていきます。しばらく歩いたところで上から三人の若者が降りてきた。「どちらへ」「権現山へ」「ここはまだ1/3のところですよ」と言われた。そうだわな、この時刻に山頂へ行くには遅いと誰もが思うわな。時刻は1時半。腕時計を見て「大丈夫です」と言ってしまった。若者の一人から「そうですね」とにっこり笑いながら言葉を返えしてくれたが、内心は2時半がきた時点で山頂に着かなければ諦めて引き返そうと判断した。




やがてY字の三叉路、左へはやや下り気味で、古い標識には「……氷棚」と書かれているように見えましたが、氷室となにか関連があるんでしょうか?ちょっと分かりませんでした。




そうこうするうちに「山高神社 90分」と記された標識に出会う。えっ!90分?時刻は2時17分、諦めかな。しかし、登山口からの経過時間、地形からいっても山頂は近づいてると思うんだけど、取り敢えずもう少し行ってから判断しよう。




尾根に着いた。時刻は2時22分。地図を確認する。右折して一踏ん張りすれば10分から15分のところが山頂だ。頑張れ。どうやら道標の90分は数字の読み間違えで20分が正解のようです。2の頭のところをぐるっと輪っかに書く方がいますが、それのようです。そして下の横棒が薄れて消えたのでしょう。振り返ると植林の緑と自然林の紅葉とだんだら模様の山が見えた。大久保山~八面山の稜線のようだ。




気持ちの良い尾根を最後の一踏ん張り。2時35分、山頂三角点に着く。




山高神社前の展望の場に立つ。宇和海と由良半島だろうか?20年ほど前によく釣りに行ってたところです。大物が釣れた日もあれば、ボウズに近い日もあった。どちらかというと釣りよりも、海をぼーっと眺めているのが好きだったようです。想い出せば懐かしい。先輩に、三度の飯よりも釣りの好きな方がいた。釣りをしてて、死ねば本望やと常々言ってたが、本当にそのとおりになった。先輩は今もこの島影のどこかで思う存分に釣りを楽しんでることでしょう。合掌。




北方向にアンテナのある綺麗な形をした山が見えた。泉ガ森のようですが?紅葉はこの標高だとまだまだ綺麗なようです。




確信は持てないが、眼下の細長い平地は薬師谷渓谷へ続く田園とその集落のように見えた。宇和島城も見えている。




宇和島市街と入り江、佐田岬が遠望できる。悠閑の一時だ。




この景色を見るために、ここへ来たのですが長くはいられません、絶景のために神社に拍手打つことを忘れてましたが、あらためてお参りして下山することにしました。




もう一度、宇和海を振り返って、瞼に焼き付ける。




毛山と鬼が城山も見えています。紅葉真っ盛りのようですね。大久保山斜面の紅葉をさらにUP。年配のご夫婦が登ってこられた。黒尊林道に車を止めてこられたようで、山登り姿ではありませんでしたが、山高神社とその風景が懐かしかったのでしょうね。わたしたちもいつかそんな思いで、里山を手軽に歩く日がくることを願っていますが、健康であることが前提です…常にリスクは付き物ですから。




帰りは慌てないよう、急ぎながらもしっかりと降りていく。篠駄馬では鹿が短く鋭い警戒音を発していた。近いが姿が見えない。




薬師谷渓谷に近づいたとき、妻はやはり滝を見たかったようだ。遊歩道へ一人で降りて行きました。
後ほどどうだった、と訊ねたら一言「怖かった」、この時刻になると谷はそうとう暗くなり、冷える。
4時6分、薬師谷登山口に到着。車を止めているすぐ目の前の斜面でお菓子のような赤い実が…蔓性の低木でサネカズラだそうです。別名「美男葛」、鬢付け油の原料にもなってたようです。

折角ここまできたのです、温泉に入らずに帰るのは後ろ髪を引かれてしまいます。
サッパリッとしてぽかぽか、長時間の夜間運転も苦になりません。(温泉でビールを飲んでしまい、運転は妻任せ(^^ゞアハハ、スマヌ)





<所要時間>
薬師谷登山口11:48-12:37篠駄馬13:11-尾根14:22-14:35権現山山頂14:52-篠駄馬15:38-16:06薬師谷登山口


(注)GPSログではありません。概念図です。

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譲ガ葉森(愛媛県)

2009-11-10 | その他<愛媛の山>

譲ガ葉森 ゆずりがはもり


登山日 11月8日
標高  1015.6m
登山口 愛媛県宇和島市津島町大道「畜舎跡」
駐車場 なし(林道路肩の広いところかもしくは畜舎の方にお断りして駐車のこと)
トイレ なし
水場  なし




宇和島の津島町にある譲ガ葉森はほぼ北に三本杭などの鬼ガ城山、そして南にはアケボノツツジで有名な篠山があって高知県境に近い位置にある。西方には豊後水道があり、釣りのメッカあるいは珊瑚のある海として有名な足摺宇和海国立公園が広がっている。
山名の「譲ガ葉森」は当初樹木のユズリハから名づけられたものだと思っていましたが、分県ガイドブックを読むと、そうではなく、南北朝時代に皇族の一人が、庭のユズリハの木越しにこの山を眺めたからだという伝説に由来すると記載している。
南北朝時代?歴史など薄くなった頭の毛ほどにも知識はない。どうやら足利尊氏や新田義貞や後醍醐天皇。光明天皇の時代らしい、といってもピンとこない。そういえば子供の頃に社会の時間にそんなことを習ったような気がします。
なんとなくロマンのある山のようです…。




アプローチは先週に行った徳島の湯桶丸よりまだ遠い。午前3時起床、4時半自宅出発、高速を走り、西予宇和ICで降りて国道56号線、そして津島町で県道4号線へ。大道川から広野峠へと左折し、民家のある広野峠三叉路から右折、やがて廃車の置いてある三叉路に着くが、その右奥が登山口のある畜舎跡です。
{写真は岩松川から撮った、譲ガ葉森}




香川の大野原・観音寺ICから4時間はかかるだろうと思ってたが、3時間少々で畜舎跡に着くことが出来た。駐車場がないのでどこに止めるか思案しながらの運転でしたが、畜舎近く、路肩広いところに止めることができ安堵。門扉は閉じられており、誰もいないようでしたので、門扉の左側から敷地に入らせてもらい、道標に従って上って行く。




すぐに右に振り、一番上の畜舎右から入っていく。




足元はシダ類が茂り、登山道らしくない。シダの枯葉を踏み踏み奥へ奥へと直進すると杉林への登山道があった。




整備されてるような荒れているような、どっちにでも解釈できる植林帯を登っていく。




杉落ち葉の下からキッコウハグマが申し訳程度にポロリ咲いて、可憐な白い頭花を精一杯持ち上げている。黒い鹿除けネットが山道脇に張られていた。




何度か林道を横切ったり、沿って歩いたりしながら、やっと林道最上部の山道入口へ辿りつく。




林道がない分、気持ち的にやや歩きやすいが、それでもまだ杉林が続く。なんだかよたよた歩いて、やっとこさ登山口からおおよそ1時間かかって加塚越の尾根に出る。標識は右、音無山、左、譲ガ葉森の記し。音無山へ少し登ってみたい気持ちも起きたが、止めにした。左、譲ガ葉森へと向かう。





尾根道からは自然林かな、と思ったが杉の木がちらほら植わっている。自然林でもなく、植林でもない。なんだか中途半端な風景のように見えた。





だんだんと景色が広がってきて、後を振り返ると音無山が見えた。樹木の状態が少し変だ、植林した杉はどうやら枯死して、育たなかった様子。センブリの花もちらほら、今年はあちこちでセンブリが多く咲いている。




先ほどからズボンやシャツの袖を引っ張るものがいる。よく見ると、サルトリイバラだった。アキノキリンソウがまだ咲いている。




センボンヤリもところどころでタンポポのような種穂をつけている。南東にわりと高い山が見えているが大黒山だろうか?





加塚越から40分ほどで三角点のある山頂に着く。今日は気温も高く、背中は汗びっしょりだ。ラジオから松山道事故のニュースが流れてきました。伊予ICから内子IC間が上下線ともに通行止めとのこと。帰る頃には解除しているでしょう。





背の高い黄色い花がある。なんだろう、初めて見る花のようだが?帰宅して調べてみるとキオンのようでした。山地の草地に咲く花で、それほど珍しいものではないらしい。北東方向に展望が開けているが、生憎のガスで景色は見えなかった。ガスがなければ、鬼が城山系の山並みが見えたのかな?





妻が木の小枝で変な感じの袋状のキノコを叩いている。胞子だろうか、頭先からケムリがプッププップ吹き出ている。小さい頃ケムリタケと呼んでたらしいが正しい名前は分からないとのこと。ケムリタケよりも叩いて喜ぶ妻の動作が面白い。山頂周りを少し歩いてみると先ほどのキオンが群生していた。





しばらくガスの晴れるのを待ってみようとしたが、諦めて、下山。登りには気がつかなかったユズリハが…。昔の人は風流だな、この木越しに遠くの山を眺めて、ユズリハの木が少ない山にわざわざ譲ガ葉森と名づけるなんて…(少し疑問を感じます、南北朝の頃はユズリハの木で繁ってた…?風流な心がない人間には疑いの気持ちしか起きないのでしょうね、捻くれてます。(-_-;))





山の中腹をよく見ると、小さく点のように自然林が残されたところでは綺麗に紅葉しているようです。画像をUPしてみると…、この辺りの山は相当に植林されていることが分かります。





イヌザンショウにはまだ緑々した実が生ってます。やがて、畜舎の青い屋根が見えてきました。





畜舎上のシダを踏み、山茶花の咲く脇を通って門扉へ。





門扉の傍にゴンズイの真っ赤な実が生ってて、ひときわ目立っています。葉っぱもこの後、素晴らしく紅葉する木だそうです。





樹皮が魚のゴンズイのような縞模様があるのでそこから名づけられたようですが、魚のゴンズイはトゲに毒があってうっかり刺されるとひどい目にあうようです。






畜舎跡に、今日は主人は来なかったようでした。門扉のところで香川から来られたグループの方が…、これから登られるとのこと。時間はたっぷりあるので、帰りには温泉でしょうか(^^)
わたしたちはこれから次の山、権現山へと向かいます。





<所要時間>
畜舎跡8:00-登山口8:09-林道上登山口8:42-加塚越8:54-9:37譲ガ葉森山頂9:52-加塚越10:12-10:41畜舎跡


(注)GPSログではありません。概念図です。

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湯桶丸(徳島県)その2

2009-11-06 | 海部山地

小ピーク手前でパンを齧りながら休息したあと、ほんの少しのところでピークに到着。黒塗りの立派な道標があった。崩れた登山口に在った、石の間から突き出た黒塗りの棒はこれと同じ作りだったんでしょうね。左、石原丸へ、右、湯桶丸へ1600mと記されている。右折、そこからはほぼ平坦な尾根歩き。倒木を潜り…。




色とりどりの落ち葉にうっすらと白いものが…。シャクナゲの葉にも…。笹の葉に積もる融けかけた雪が容赦なく体に振りかかる。




展望のある尾根道に差し掛かった。北西方向になんだか見覚えのある嶺、天狗塚・白髪山・石立山方面のようです。カメラを西に振ると、甚吉森が指呼の間に見えました。




突然目の前に…、うおっ!なんだこの岩を根で包み込んだ大木。妻が分県ガイドブックに載ってる桧の大木で、ヤマグルマとの共生木だと教えてくれた。




ヤマグルマの幹が桧の幹の途中からニョッと生えでて、そのまま上へと伸びている。ふ~ん、どうなってこうなったんだろう?お互いに仲がいいのか迷惑なのか、本人たちに本音のところを聞いてみないと分からないが、こうなると、迷惑だなんて言っておれない、末永~く仲良く、だよな。なんだか、夫婦・家族間の人生を語っているような気がしましたが、考えすぎですね。飽く迄も自然の成せるワザです。
次第に足元や辺りの木は白くなり、急登になりました。喘ぎ喘ぎ上り詰めていく。




オヒョー!霧氷が右斜面に見えてきました。かなり融けてて、早朝には相当に綺麗だったと思われます。




急斜面を足を滑らさないよう注意しながら、やっとこさ尾根の合流点に着く。ここから湯桶丸へは左に250m、右へは上の登山口に下りるようになる。左折し山頂へ向かう。霧氷が融けきった尾根上には赤い実のたくさんついた木が青い空に映えてました。




樹間から見える遠くの山並みを眺めながら少し歩くと、広くなった山頂に到着。山頂から延びる北東への薄い踏み跡は金瀬~神戸丸への縦走路、南東への濃い踏み跡は甚吉森への縦走路のようでした。足元の切り株から小さな秋。時刻は1時過ぎ、少し遅いお昼ご飯にすることにしました。




山頂からほぼ真南には高知県の山並み、太平洋がきらりと輝いています。奈半利沖の海だと思うのですが、どうでしょう?




山頂で小さなビールを飲みながら40分ほどのんびりしたあと、元の方向へと引き返し、合流点の分岐から直進、上登山口へと下る。




甚吉森とその稜線。千本山がこの方向にあるのですが、頂がどれなのか、それとも隠れているのかよく分かりませんでした。(写真中央の小さな尖りがそうでしょうか?)




次郎笈~一ノ森。剣山が白くなってます。この季節にしてはかなり積雪してるんじゃないかな。




石立山と高ノ瀬方面。




白髪山と天狗塚方面。




小さなコブを右に回りこむ。北斜面になると雪が現れる。この日は薄いフリースも持ってきたが、気温が上昇した上り始め時点から必要なくて、ザックに括りつけたまま歩いている。ウグィスが目前の木の枝に止まった。距離は3mほど、こんなに近くで姿を曝して遊ぶとは、用心深いウグィスにしては珍しい。



やがてスズタケが茂り、潜り込むようにしながら降りていく。妻がラジオから流れる紙ふうせんの「冬が来る前に」をハモってる。失恋というより恋の終わりを詩にした歌でしょうか、秋の思い出ですね。わたしにはそんなロマンチックな経験は小石の欠けらほどもなかったようです。あの頃にもう一度返りたいと思える方は幸せだが、今も楽しいと思える方はもっと幸せなのかもしれませんね…。杉の植林帯を少し歩くと…。




下には林道が見え、2時18分、上登山口に降り立つ。




林道を下っていくと、なんと、道が流されている。下の登山口まで大丈夫なのかな。一瞬、嫌な感じになったがなんとか下の崩れた杭と赤テープのある登山口まで辿りつくことができました。やれやれ。




時刻は3時を過ぎたところだが、もう陽は傾いている。クサギの実、のり面のススキの穂。




目の前をカモシカが撥ね跳んで行きました。朝、林道を歩いたときにあった動物の足跡は一段と数を増している。しかし、今日は一日中鹿の鳴き声を聞いてないので、この山域はどうやらカモシカの生息地のようです。赤く房状にたくさんの実を生らしているのはイイギリでしょうか?




林道を歩いている間に、だいぶ陽が陰ってきました。今日の紅葉の最後の一枚です。




朝、車を止めた辺りの橋が見えてきました。誰にも会わない静かな一日でしたし、初雪の中を歩きつつ秋満喫の山でもありました♪





<参考>
林道湯桶平井谷線入口駐車地点9:11-下登山口10:32-1185m小ピーク11:58ー合流点分岐12:59ー13:07湯桶丸山頂13:47-合流点分岐13:54ー上登山口14:48-15:08下登山口ー16:05駐車地点


(注)GPSログではありません。概念図です。

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