むらくも

四国の山歩き

阿讃県境尾根歩き<余木崎~曼陀峠>…香川県

2012-04-21 | 阿讃山脈

大谷山・金見山         おおたにやま、かなみやま


標高              507m、596m
登山日             2012年4月18日
取りつき            観音寺市豊浜町箕浦余木崎国道11号線
下山口             旧曼陀峠直ぐ西の四国の道入口
駐車場             なし(取りつき近くには道の駅もしくは「ポプラ」に広い駐車場あり、下山口は車道広い路肩)
トイレ             なし
水場              なし

メンバー            単独




他人様よりも随分と長い期間を掛けて歩いた阿讃山脈県境尾根。
3月頃までには最後になった余木崎~曼陀峠間を歩いて総仕上げと思ってたが、所要が重なって延び延びになっていた。
やっと、余裕が出来た。
桜の花も散り、隣の庭では利休梅の真っ白な花が咲き誇っている。
山ではツツジがそろそろ咲き出している頃、ラストチャプターには案外に相応しいかもしれない。



自転車をワンボックスカーの後部に積み込んだ。

当初は旧曼陀峠の少し西にある四国の道入口から入って、大谷山から瀬戸内を見おろしながら下っていこうという思いが強かったが、下山した余木崎から登山口までをどうするか頭痛の種だった。
車2台で繋ぐか、もしくはオートバイを積み込んで余木崎にデポするかのどちらかになる。
今日は一人行動、オートバイを車に積み込むのも車内がガソリン臭くなるしで、しちめんどうな話。
余木崎から自転車で曼陀峠を上れないことはないが、それは空身での話で、ザックを背負って上る気力はない。
燧灘に向かって夕陽を眺めながら下る夢は諦めて、余木崎から取りついて、曼陀峠へ。
そして、自転車で余木崎まで走ることにした。

四国の道入口の標識杭に自転車をチェーンで括り付けた。
余木崎まで距離を測ってみた。
約20km、ゲロゲロ。
しかし、おおよそ半分の10kmは下り勾配で、足でこぐのは残り10km、のんびり行こう。
道の駅「とよはま」の駐車場で準備をしたが、思い直してコンビニ「ポプラ」のだだっ広い駐車場に移動。
香川県側から余木崎の海岸へ向かって歩く。

突先の崖にタッチ。
時刻はと思って時計を探すが、家に忘れてきた。
コンパスも高度計も忘れてる。
携帯電話を電源オン、時刻確認、7時54分スタート。

コンビニ前の国道11号線を走り渡って、適当なところから取りつく。




わずかに踏み跡らしいところがあるが、気にせず上へ上へ。
足元にはムラサキケマン、少し平たんになったところでは真っ赤なヤマツツジが出迎えてくれた。




羊歯が被い繁っているが、夏と違ってこの時期はまだ歩きよい。
やがて右からの簡易コンクリー舗装の道と合流。
小さな小屋と沼地、ここら辺りは昔、畑地だったようだが、いまは荒れている。
徐々に踏み跡が明瞭になってきた。




急斜面になり、汗が吹き出す。
薄い生地の帽子を被ってたが、縁から汗がしずくになってしたたり落ちる。

足を休めて後ろを振り返ってみた。
鉄塔と民家のある余木崎が見えた。




この時期の低山は新緑の独特なにおいでむせかえっている。
歩き出して50分ほどのところで今日初めての道標を見つけた。
どなたが設置されたのか、県境尾根歩きの標だ。
はっきりとは確認してないが、おもに西方面のあちこちに見受けられる。




三角点に出合った。
366.5mにある点名石ノ口のようだ。

国道からとっついて直ぐのところで45.6m点名余木崎の三角点があるのだが、これは見つけられなかったというか、羊歯などがあったので探さなかった。
要するに三角点にあまり拘ってはいない。
性格が元来邪魔くさがり屋のものぐさなのです。
言いかえればなまけもの。




花は散ってもうほとんど葉桜に近い。




お天気がいいことも手伝って、ウグイスが賑わしい。
あの異様に長い谷渡りのケチョケチョ声を聞いていると、息が詰まりそうだ。

ときおり、他の鳥の鳴き声も聞こえるが、大きな鳴き声にかき消されてしまう。
殊にこの時期にはあの外来種のコジュケイのやかましいこと。
この鳥、猟銃会が猟のために放った鳥なのだそうだ。
魚で例えるとブラックバスみたいなものかな。
鳴き声も「チョットコイ」と鳴いているように聞こえるそうで、鳥に罪はないのですがなんだかな~、オチョクットルノカという感じです。

猛禽類だろうか、ピイーッけたたましく鳴く。




おや?
監視小屋のようなものがありましたよ。
ひょっとしてイノシシ猟の小屋???

大谷山が目前です。
それにしても今日はトカゲが多いな~、落ち葉の上をカサコソ、何匹いるんだろう。




ちょっとばかし急登ですが、広い防火帯を登りきると、山頂には休憩のためのベンチがあります。




北方向には大谷山三角点への踏み跡もありますが、だいぶ先なので、マニアックでないわたしはズボラをコイテ、ベンチえどっかり腰を落としました。
ドッコラショ、とりあえずバナナ。




抹茶ゼリ-。
山歩きをするようになって、それまで間食などしたことがなかったのに、甘いものには目がなくなった。
体重も53kgが一時期64kgにも…、いまは58kg。

金見山が手まねきしている、いそがなくっちゃ。




まだ、ピンク色がところどころに山を彩っている。




防火帯を下ったところにもベンチが…。




田野々から川之江へ抜ける唐谷峠の車道が見えてきました。
たんまに忘れたころに車が通る程度の静かな峠です。
一度自転車で五郷の麓から登ったことがあるのですが、酸欠で心臓が口から飛び出しそうになったことがある。

車道を渡って、唐谷山への急斜面をよじ登る。




峠から10分足らずで唐谷山山頂に。
振り返ると大谷山から続く防火帯が万里の長城のように見えた。




天狗森、切山越(鞍部で左田野々へ下る踏み跡と右切山集落へ下る踏み跡あり)、木峰のそれぞれを過ぎて、山頂標識が五つもある金見山に。
周りのスミレも色あせて終わりかけていた。
写真を撮ろうとしたら、バッテリー切れ、昨夜充電した予備のバッテリーは…、ない、たしかカメラバッグのポケットに入れたんだがな~ない、落とした。
仕方ない携帯で撮ろう。

ガックリ、力が抜けたここでお昼の休憩としよう。


なぜかビーフジャーキーを齧るわたし、点けたラジオから古い歌が流れる。
「夢でもしあえたなら~、素敵なこ~とね~、あなたに会えるまで~眠り続けたい~♪」

おっとっと、今日は眠ってられない。




巻きずしを食べ、コーヒーも飲み、人心地着いたあと再び植林の中へ。
途中、10数本の山桜の木。
この時期、広葉常緑樹の落ち葉がふかふか。
歩く足に優しい。
12:25、丁字路に到着。
左へは踏み跡に木でとおせんぼをしていた。
右へ行く。
やがて右下谷八幡神社、左田野々への分岐も過ぎ、道標に書かれていた高丸山を目指したが、どこや~い?

左の縦走路を鈴を鳴らしながら歩くお方がお一人、少し遠目ではっきり見えなかったがたぶん男性。
わたし道を外れて適当に歩いている。




三角点のある石砂(いっさこ)に着いたぞ???

おりゃ~、ボーっとして歩いてたら、高丸山へは寄らずに通り過ぎてしまった。
どうやら、高丸山を右に見て、巻いてしまったようだ。
先ほどの小さなトラバース道を安易に歩いたのが間違いの元、まあいいっか、また来ることにしよう。




金見山までは登りということもあって、かなり時間を要したが、その後は多少のアップダウンはあってもあまり標高差はない。
ペースが速くなった。
やがて林道石砂線に出た、時刻はまだ午後一時を越えたとこ。
4時ごろまでに曼陀峠に着けばいいかなと思ってたが、この調子だと、2時頃には着いてしまう。




左手の渓に海老済(えびすくい)だろうか?の集落が見えてきた。




新緑で眼が洗われる。
ところどころに黒い糞の落し物。




おっと、縦走路は左へ巻いている。
直進は急登の尾根だ。
目が覚めた。
高丸山の二の舞は御免蒙る。
尾根をよじ登ると標高595.1m、三角点海老済のある曼陀峰。
下って四国の道に合流。
時刻は13:54、ベンチでコーヒーを沸かして一休み。




お地蔵さんがあって、あっけなくデポした銀輪の愛車へとたどり着きました。




自転車で井関池までほとんどペダルを踏み込むことなく下って、左への道へ。
果樹園に咲く真っ白な梨の花を眺めながら、一路遠くに見える余木崎へ。

これで阿讃山脈県境尾根歩きは完結しました。
一つ目標をやり遂げて、わたしの場合、なぜか寂しさがじわりっと滲みでてくる。
張り合いというのかそういうのがなくなるというのか、身体から空気が萎んでいくような印象だ。

もう一つ王手をかけているものがある。
四国100名山、あと権田山一座で終わってしまう。

目標がまた一つ消えていくな~。
なにか、他に探さなきゃ。




余木崎海岸7:54-山手取りつき8:05-366.5m三角点石ノ口9:18-10:10大谷山10:23-唐谷峠(田野々越)10:40-唐谷山10:49-天狗森10:58-木峰11:20-11:31金見山12:00-分岐12:18-544m峰12:27-588.9m三角点石砂(いっさこ)12:54-林道石砂線13:11-595.1m曼陀峰(三角点海老済)13:54-14:04四国の道入口


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