私の記憶が確かならば。
「ユーノス」「アンフィニ」「オートザム」といった多ブランド戦略の失敗に気付いたマツダが、もう一度「マツダ」ブランドを立て直そうとして、'93年に登場したのが、「Lという名のクルマ:ランティス」であった。
サッシュレスドアの4ドア車2種。
ハッチバックのほうは「4ドアクーペ」とネーミングされて売り出されていた。
うーん、今となっては感慨深い。
「4ドアクーペ」については、カラーが4種類しかないのがやや淋しい。
ユーノス・ロードスターも発売当初は赤・白・銀そしてマリナーブルーの4色しかなかったものだ。
ランティス・クーペで私が選ぶとしたら、やや消去法的な選択で「スパークルグリーンメタリック」にするであろう。
全高は、クーペを名乗るだけあって、1355mmと、とても低い。
現代のクルマでコレと同じようなコンセプトのクルマを探すのは難しいが、現行フォーカスよりも13cm、さらにはシトロエンC4クーペよりも12.5cmも低い。
現代のクルマは背が高くなっているのだ。
ちなみに、前回紹介した「初代ホンダ・クイント」の全高は、このランティス・クーペと全く同じ1355mmなのだよ。覚えておこう。
しかし、この斜めうしろから見た姿は、ピンとした張りがあり、今なお魅力的である。
今出せば、けっこう売れるのではなかろうかとさえ思える。
やはり時代より進みすぎていたのだろうか・・・日本でこのクルマが売れなかったのは、実に残念なことだ。合掌。