伊坂幸太郎原作、瀧本智行監督、生田斗真主演、『グラスホッパー』、12/4、Tジョイ久留米でのナイトショーにて鑑賞。2015年46本目。
金曜日の夜は久しぶりの久しぶりにナイトショーで映画を観てきました。
ナイトショーというのはレイトショーのさらに後の上映のことで、九州ではTジョイでのみ採用されているようです。
Tジョイはポイントによる割引がないですが、このサービスはありがたいなぁ。
さて、ナイトショーで何を観たかというと伊坂幸太郎原作の『グラスホッパー』です。
実はこの『グラスホッパー』、一度は劇場で観るのは止めておこうかと思ったんですよ。
どうもネットでの評判が芳しいものではなかったので。
自分は過去に同じ伊坂幸太郎原作の『陽気なギャングが地球を回す』を劇場で観て、そのあまりの不出来にブチ切れた経験があるので、あの轍は二度と踏みたくないなと思ったのです。
ただ、今回はいろいろ事情があって結局観に行くことになりました。
で、感想を先に述べておくと、、、充分面白いと思いましたよ。
面白いというか、正確には画(絵)的にとても安定していて、それが観ていて心地よかったというか。
画的に安定しているというのは冒頭からそうでしたね。
ドラッグでラリった男が渋谷の交差点で人を引きまくるというシーンで物語は始まるのですが、このシーンが本当に渋谷の交差点で撮影しているように見えるんです。
今の邦画でそういった撮影が可能なのか?あれだけ人が多い渋谷の交差点で?
自分にはあのシーンが本当に渋谷で撮影しているのか、それとも合成なのか、まったくわかりませんでした。
映画ってそういうふうにどのように撮影しているのか、まったくわからないというシーンが一つでもあれば、それだけで充分見る価値があるんじゃないかって思います。
安定した画はその後も続き、構図はきちんと計算されているように見て取れ、美術や小道具にも手抜き感はなく、またアクションシーンも非常にクオリティが高いように思えました。
痛いシーンが本当に痛そうに見えることって邦画では案外少ないのですが、この『グラスホッパー』ではアクションシーンもそうだし、拷問シーンでも本当に痛そうでしたよ。
何だかべた褒めしているようですが、必ずしもそういうわけでなく、脚本は正直「う~~~ん」ってレベルではありました。
冒頭の渋谷の暴走も、事件を起こすことで市場を混乱させ、ドラッグの流通をより簡単にするのが目的だそうで、、、ね、頭が悪い脚本でしょ?笑。
本作で脚本を兼ねた瀧本智行監督は、脚本に恵まれれば、すごい傑作を物にするのでは?と思いました。
瀧本監督には次回作を期待します。
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。
金曜日の夜は久しぶりの久しぶりにナイトショーで映画を観てきました。
ナイトショーというのはレイトショーのさらに後の上映のことで、九州ではTジョイでのみ採用されているようです。
Tジョイはポイントによる割引がないですが、このサービスはありがたいなぁ。
さて、ナイトショーで何を観たかというと伊坂幸太郎原作の『グラスホッパー』です。
実はこの『グラスホッパー』、一度は劇場で観るのは止めておこうかと思ったんですよ。
どうもネットでの評判が芳しいものではなかったので。
自分は過去に同じ伊坂幸太郎原作の『陽気なギャングが地球を回す』を劇場で観て、そのあまりの不出来にブチ切れた経験があるので、あの轍は二度と踏みたくないなと思ったのです。
ただ、今回はいろいろ事情があって結局観に行くことになりました。
で、感想を先に述べておくと、、、充分面白いと思いましたよ。
面白いというか、正確には画(絵)的にとても安定していて、それが観ていて心地よかったというか。
画的に安定しているというのは冒頭からそうでしたね。
ドラッグでラリった男が渋谷の交差点で人を引きまくるというシーンで物語は始まるのですが、このシーンが本当に渋谷の交差点で撮影しているように見えるんです。
今の邦画でそういった撮影が可能なのか?あれだけ人が多い渋谷の交差点で?
自分にはあのシーンが本当に渋谷で撮影しているのか、それとも合成なのか、まったくわかりませんでした。
映画ってそういうふうにどのように撮影しているのか、まったくわからないというシーンが一つでもあれば、それだけで充分見る価値があるんじゃないかって思います。
安定した画はその後も続き、構図はきちんと計算されているように見て取れ、美術や小道具にも手抜き感はなく、またアクションシーンも非常にクオリティが高いように思えました。
痛いシーンが本当に痛そうに見えることって邦画では案外少ないのですが、この『グラスホッパー』ではアクションシーンもそうだし、拷問シーンでも本当に痛そうでしたよ。
何だかべた褒めしているようですが、必ずしもそういうわけでなく、脚本は正直「う~~~ん」ってレベルではありました。
冒頭の渋谷の暴走も、事件を起こすことで市場を混乱させ、ドラッグの流通をより簡単にするのが目的だそうで、、、ね、頭が悪い脚本でしょ?笑。
本作で脚本を兼ねた瀧本智行監督は、脚本に恵まれれば、すごい傑作を物にするのでは?と思いました。
瀧本監督には次回作を期待します。
お気に入り度★★★☆、お薦め度★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。
小説を読む時は、頭の中で「文字」を「世界」に変換するわけだけど、例えば戦闘シーンのような知識や経験が少ないものって上手に世界を創ることが出来ないので、きっと小説が持っている「緊張感・緊迫感」の数分の一しか味わっていないのだろうな~って思います。
そういう意味でいうと、映画はもっている「ポテンシャル」を直接ぶつけてきてくれるので、けっこう楽しむことが出来ました。
原作との違いにもどかしさを感じるものもありますが、原作と映画は別物と考えると、それも気にならなくなりますし。
でも、どうしても気になるところもありました。
1つめは、出てこないはずの寺原が出てきたことです。警備のうすいアジトに出てくるより、要塞のような自宅に鈴木を連れ込むほうが自然だと思うんだけどなあ。
2つめは、互助会のプロジェクトが壮大なわりに大雑把過ぎることです。鈴木が復讐を決心しなかったら?途中で組織に捕まって寺原が来るまえに殺されていたら?組織が鈴木のことを疑わなかったら?寺原が自宅に鈴木を連れ込んだら?などなど。
(ネタバレになるので詳しくは書けませんけど)
それから、ユーレイって本当にいたんですね?
本当にいるのか鯨の幻覚なのか判らないのがイイと思っていたので、びっくりしました(^^;;
蒼史さんが気になったというところ、もっともです。
一つ目の疑問は、登場人物の事情というより、作り手の都合によるものなのでしょう。
そうしなければどうにも決着のつけようがないですからね。
二つ目の疑問も仰る通りで、互助会の計画は大雑把すぎます。
映画『グラスホッパー』は、脚本にだけ目を向ければかなりお粗末と言ってよいですよね。
自分がこの映画を支持するのは、やっぱり役者たちの演技が良かったからです。
役者の演技というものは、役者だけでよくなるものではないと思います。
監督が演技指導をして初めて役者は光り輝くのではないでしょうか。
そういった意味で瀧本監督の演出手腕は確かなものがあるのではないかと思いました。
>本当にいるのか鯨の幻覚なのか判らないのがイイと思っていたので、びっくりしました(^^;;
自分は特に何も思わなかったですが、蒼史さんがびっくりしたというのであれば、ああいうオチにして正解だったのかもしれませんね。笑。