この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

世界の果てに待っているものは?『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』。

2014-04-13 21:05:12 | 新作映画
 エドガー・ライト監督、サイモン・ペッグ主演、『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』、4/12、Tジョイ博多にて鑑賞。2014年16本目。


 ゲイリー・キングはその名の通り王様だった。
 どこの国の?いや、国じゃあない、ニュートン・ヘイブンという田舎町の、ちっぽけな高校の王様だった。
 高校生活の3年間で、彼はやりたいことをやりつくした。王様である彼が望んでできないことなどなかった。
 ただ一つ伝説のパブクロールを除いて。
 一晩で十二軒のパブを飲み歩く!まことに馬鹿馬鹿しく、かつ過酷な荒行である。
 ゲイリーは破天荒を極めた高校生活の締めにそれを企てたのだが、何やかやあって失敗に終わってしまう。
 二十年後、単なるアル中に落ちぶれたゲイリーがかつての栄光を取り戻すべく再び伝説のパブクロールに挑む!
 彼は今度こそパブクロールの偉業を達せられるのか?
 十二軒目のパブで彼を待ち受けているものとはいったい?
 

 かなり良く出来た映画だとは思うんですよ。
 一見すると馬鹿馬鹿しいだけのお話かと思わせといて、途中から想像を絶する展開が待ち受けていて、最後の最後にはシュールかつイケてるオチが用意されている。
 伏線が周到に引かれ、過去の名作SFへのオマージュがちりばめられ、さらに均一化した商業主義と高度化した資本主義への痛烈な皮肉が効いている。
 作品としてよく出来ている。

 それでも個人的にあまり乗れなかったのは、自分が主人公とは違って戻りたい過去がないからかなぁなんて思ってしまいますね。
 戻りたい過去があるからこそ、ゲイリーの行動が痛々しいだけでなく、共感が出来るのだと思います。
 逆に言えば戻りたい過去がある人なら本作は充分楽しめるのかもしれません。
 
 
 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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