この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ウルヴァリン:X-MEN ZERO。

2009-09-12 23:46:37 | 新作映画
 ヒュー・ジャックマン主演、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』、9/12、Tジョイ久留米にて鑑賞。2009年36本目。


 『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』を観てきました。
 観てきたのはいいんですが、本家である『X-MEN』シリーズはパート1を見ただけで、パート2、3は未見なんですよね。
 なぜ見ないのか(見る気になれないのか)、我ながらちょっと不思議で、別に超能力ものが嫌いってワケでもないですし、アメコミ原作に抵抗があるってワケでもない、ブライアン・シンガーが苦手ってワケでもなければ(『スーパーマン・リターンズ』はその年のNo.1)、ヒュー・ジャックマンが殊更嫌いってワケでもない、自分でも自分の嗜好がよくわからなかったりします。笑。

 ともかく、本レビューは『X-MEN』シリーズをかろうじてパート1だけ見ていて(それもうろ覚え)、パート2、3は見ていない人間によって書かれているということを前提に読んでください。

 そんなわけで『X-MEN』シリーズにはまーったく思い入れがない自分なのですが、本作はそれなりに面白く観ることが出来ました。
 アクション映画として評価するのであれば、充分及第点を与えられると思います。
 ただ、ストーリーを丁寧に追っていくと意味不明というか、首をひねらざる得ない箇所が多々あるんですよね。
【以下若干ネタバレ】
 主人公ウルヴァリンの思考と行動はものすごくわかりやすいんです。
 掛け替えのない恋人ケイラを兄ビクターに殺され、復讐に走る男ウルヴァリン。
 わかりやすい。実にわかりやすいです、ウルヴァリン。
 でも彼を除いて、彼を取り巻く人物がことごとく行動原理がわかりにくいんですよね。

 まず、謎の組織を率いる、本作の黒幕ストライカー大佐。
 彼はビクターを倒させるため、ウルヴァリンに改造手術を受けさせます。
 ウルヴァリンが改造手術を受ける理由はわかるよ?
 そうしないとビクターに敵わないから、だよね。
 でも大佐がウルヴァリンに手術を受けさせるのかがわからない。
 ウルヴァリン自身には、私は凶暴化したビクターを閉じ込めたのだ(そのために怨まれている)、みたいなことをいってますが、それが嘘であることは後々になってわかります。
 また、彼には息子がいて、その息子がミュータントであり、その息子のために彼はミュータントを使った実験を行っていることが判明するのですが、だからといってそれがウルヴァリンを彼の支配下に置くことなく手術を受けさせる理由にはならないはずです。
 まして、ウルヴァリンが手術後に脱走し、彼の忠実な部下を殺すことまですべて計画通りだったとは到底思えません(計画通りであれば意味不明だし、計画通りでなければ間抜けすぎる)。

 しかし、ストライカー大佐に輪をかけてわからないのがウルヴァリンの兄であるビクターなんですよね。
 彼は第一次世界大戦、第二次世界大戦、ベトナム戦争といった一連の戦争の中で自らの残虐性に目覚め、まったく罪のない村人たちまでその手で殺そうとし、そのことでウルヴァリンと反目し、ウルヴァリンは彼と袂を分かつのです。
 つまり途中までは完全な悪役なんですよ。
 しかし、クライマックスのスリーマイル島での戦いではなぜだかいいヤツっぽくなっちゃってて、、、あれ、いつの間に改心しちゃったの、コイツ?って思っちゃいましたね。
 
 ついでにいっておくとウルヴァリンの恋人であるケイラ。彼女は妹をストライカー大佐に人質に取られていて、そのためにお目付け役でウルヴァリンの傍にいた、という設定なのですが、、、でも彼女は触れた人間を思い通り操れるという、ある意味本作最強の能力の持ち主なんです。
 そんな力を持っているなら、わざわざお目付け役なんて引き受けなくても簡単に妹を解放できるんじゃないの?って思ったのは自分だけでしょうか。
 何といってもミュータントが閉じ込められている檻ってすごいチャチですしね。鍵も単純な南京錠(みたいなヤツ)だったし。せめて電子錠で閉じ込めて欲しいところです。
 っていうか、あんなお粗末な警備システムから脱走できないミュータントって、、、って思っちゃいましたよ。

 といった具合に、ツッコミどころ満載の本作ですが、そういった脚本や設定上の矛盾が気にならないというアクション映画好きの方、逆にツッコミを入れるのが大好きな方にはお薦め出来る一作です。

 お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夏祭りで。 | トップ | 削除と追加。 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
見てきました (元B級読書家の幸太郎)
2009-09-19 14:56:59
まだ、封切りして時間がたってないと思うのですが、
平日の第一回目とは言え、観客はわずか15人ほどでした。
エンドロールでちょっとしたオチがありましたが、
そこまで見ていたのは、私と連れの二人だけです。
Xメンシリーズは、私は最後に出てきた
パトリック・スチュアート(ハゲのオヤジ)が好きなので全部見てます。
大佐は、親玉としては小物過ぎましたかね。
ビクターは、確かに突然の改心でした。
大佐に騙されていたとか、なんらかの伏線がないと
ちょっと無理がありました。
ま、助けた時に「お前を殺すのは俺だ」とか言っていたのを
信じてやることにしましょう。
返信する
ご覧になりましたか。 (せぷ)
2009-09-19 22:03:01
幸太郎さんも『ウルヴァリン』、ご覧になりましたか。
アクション映画としては悪くはなかったですが、脚本は若干お粗末な部分がありましたよね。
ビクターが完全な悪人でないなら、途中で瞬間移動能力を持つ黒人を殺す理由がなくなってしまいます。
個人的に虫が好かないだけだったのかな。笑。

>パトリック・スチュアート(ハゲのオヤジ)が好きなので全部見てます。
パトリック・スチュワート好きなら必見の作品がありますよ。
『トラブル・ボーダー』というタイトルの映画なのですが、彼にしては珍しく自棄を起こして絶叫するシーンがあります。
お薦めの映画なのですが、残念ながらDVDにはなってないんですよねぇ。
出来たら中古ビデオを入手して是非見てください。
返信する
思いました! (あん)
2009-09-23 15:04:39
>ストライカー大佐に輪をかけてわからないのがウルヴァリンの兄であるビクターなんですよね。
>そんな力を持っているなら、わざわざお目付け役なんて引き受けなくても簡単に妹を解放できるんじゃないの?って思ったのは自分だけでしょうか。

この2つ!私も思いました!(笑)
ビクター、熊じゃなく鮫の脳みそ並だったのかも~(笑)
わけわからん男でしたね。
ケイラも早くその力使いなさい!ってトコですよね。
3人で組めば、世界を掌握できるのにね(笑)

ただ『アメコミ原作」だし、ヒュー・ウルヴァリンしか見てなかったので、まっいいか...と楽しんだ作品でした。

TBを送らせていただきました。
返信する
コメント、感謝です。 (せぷ)
2009-09-23 23:58:56
あんさん、コメント、感謝です。
TBも送っていただけるそうで嬉しく思います。
コメントつきのTBなんていつぐらいぶりでしょう。
場末のブログなのでたまにしかTBは送られてこないのですが、そのTBもツールで送ってるんじゃないの?と穿った見方をしてしまうんですよね。
先日も『ミラーマスク』という映画の記事をアップしたら、インフルエンザ用のマスクのTBが送られてきましたし(自分の記事を読んでない!!)。
あ、ついTBに関して愚痴っちゃいましたね。
初めて来た方にすみません。

『ウルヴァリン』、脚本は何だかテキトーでしたよね。
アメコミ原作なのだから仕方ないのかな、とも思いますが、初めからそう開き直られるのはやっぱりちょっと気に入らないですね。

こちらからもTBさせてもらいます(十二時現在まだ送られてきていないのですが)。
返信する

コメントを投稿

新作映画」カテゴリの最新記事