この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

設定の作り込みが出来ていないと思った『ザ・ヴァンパイア ~残酷な牙を持つ少女~』。

2015-09-21 23:58:48 | 新作映画
 アナ・リリ・アミリプール監督、シェイラ・ヴァンド主演、『ザ・ヴァンパイア ~残酷な牙を持つ少女~』
、9/19、KBCシネマにて鑑賞。2015年32本目。


 ヴァンパイアは物語を作るのにとても魅力的な存在だと思います。
 闇の世界を永遠に生きる者の悲哀を描いてもいいし、ヴァンパイア・ハンターとの戦いを中心にしたお話も面白いし、また暴力的な君主としての一面にフォーカスを当ててもいいですよね。
 ただ、そのためには設定、それに世界観の作り込みが必要だと必要だと思うんですよ。
 具体的にいえば、ヴァンパイアが吸血行為によって仲間(もしくは下僕)を増やせるのであれば、なぜ世界はヴァンパイアに溢れ返っていないのか、その理由を考える必要がある。
 でも実際にはそこまで言及したヴァンパイア・ストーリーはあまりなくて、映画でいえばスピリエッグ兄弟の『デイ・ブレイカーズ』ぐらいですかねぇ(他にもあるかもしれませんが)。
 
 さて、新人監督であるアナ・リリ・アミリプールが作り出した『ザ・ヴァンパイア ~残酷な牙を持つ少女~』にもヴァンパイアが出てきます。
 映画はモノクロのトーンが退廃的なムードを醸し出していて、それ自体は悪くないと思うのですが、肝心のヴァンパイアがどんな存在であるのか、まったくわからなくていまいち作品にノレませんでした。
 単純に吸血行為を繰り返して、それによって人を殺めるだけの存在であれば、警察に捕まるんじゃないの?って思ってしまうんですよね。

 各国の映画祭ではそれなりに高く評価され、ホラー映画マニアの受けもいいようですが、自分はあまり面白いとは思いませんでした。
 ホラー映画で設定の作り込みが必要だと考える自分の方が間違っているのかもしれませんが。

 
 お気に入り度★★、お薦め度★★(★は五つで満点、☆は★の半分)。
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