この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

SAW4。

2007-11-18 15:23:13 | 新作映画
 ダーレン・リン・バウズマン監督、『SAW4』、11/17、イオンシネマ佐賀大和にて鑑賞。46本目。

 シリーズ第一作目の『SAW』は単にホラー映画という枠に留まらず、およそあらゆる映画の中で、その結末の衝撃度はトップクラスであるといっても過言ではないと思う。
 インディーズ作品だったものが人々の口コミでいつしかカルト映画となり、作品を解説するサイトがいくつも出来、さらに続編が製作されたことなども非常に納得出来るものである。
 が、しかし、同時に映画『SAW』は衝撃的な結末以外何もない作品であるといっても強ち間違いではないだろう。
 よくよく考えてみると辻褄が合わないところがいくつもあり、はっきりいって衝撃的な結末がなければ凡作である(映画は必ずしも辻褄が合っていなければいけないとは考えていないし、結末の意外性だけで語られる映画があってもよいとは思うが。)。
 続く『SAW2』、『SAW3』はパート1の辻褄合わせのための作品だとい得ると思う(正確には『SAW3』が辻褄合わせの作品で、『SAW2』はその橋渡しの役目。)。
 およそ常人の価値観では計りきれなかったジグソウという存在を一人の人間として描いたためにジグソウの怪物性は薄れたものの、辻褄合わせという作業自体は嫌いではないので、『SAW2』、そして『SAW3』は個人的に決して評価は低くはない。
 シリーズ物は時として辻褄を合わせるためだけに製作されるが、決してそれは容易ではない。その失敗例の最たるものはいうまでもなくスターウォーズだろう。笑。
 さて、『SAW4』であるが、辻褄合わせが好きな自分でももういい加減その路線はいい!と思うので、新展開を望みたいところである。
 製作者側もその期待に応えようとしたようで、ジグソウの後継者というのが本作のモチーフであるのだが、、、残念ながらその狙いは失敗だったといわざるをえない。
 吐き気を催すような残酷描写、奇想天外なギミックを用いた処刑方法、目に優しくない映像的演出、予測の出来ない展開、そして予測の出来ない結末とこれまでのシリーズと共通するものもあるのだが、やはり如何ともし難いのはジグソウの後継者がジグソウほどは魅力に欠けることだろう。
 ジグソウは計りきれない存在であったが、ジグソウの後継者は単に理解し難いだけの狂人でしかない。
 また結末も予測こそ出来ないもの、衝撃度はほとんどない。あぁ、そういうこと、ぐらいの感想しか持てない。
 映画『SAW』が生み出したソリッドシチュエーションスリラーという新たなるジャンル、そこには数え切れないほどの亜流作品が生まれたが、本家の第四作をもってこのジャンルも終焉を迎えたといってもいいのかもしれない。

 次回鑑賞は11/23、『ナンバー23』の予定。
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5 コメント

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Unknown (shit_head)
2007-11-18 16:43:44
「SAW5」も作るみたいですよ。

アホですよね。

一作目はシチュエーション・スリラーとしてオモロかったけど、続く2と3はマジでアホでしたよね。

3の牛のミンチのシーンなんてアホっぷりが凄すぎて、殺意さえ芽生えましたよ。(笑)

まー、そんなバカな人殺し演出こそこのシリーズの見所と思えば腹も立たないんでしょうが。

つーか、他に見所ないしね。
このシリーズ。

あんまし頭良くない人たちが作ってるんでしょうね。
きっと、ただ悪ノリしたいだけの人たちです。
「ファイナル・デスティネーション」シリーズ作ってる人たちとほぼ同じ考えなんでしょうね。

まるで、レニー・ハーリンが「ディープ・ブルー」でマジメなシーンであるにもかかわらず、唐突にサミュエル・ジャクソンをサメに食わせてバカやって観客の失笑を買った感じですね。(笑)

レニー・ハーリンはどうでもいーけど、実は両シリーズともDVD持っていません。
パックで買い揃えますよ。
返信する
SAWシリーズ。 (せぷ)
2007-11-19 00:03:17
SAWシリーズ、自分は6まで製作されるっていう話(噂)を耳にしたことがありますが、結局作られるのは5までなのかな?
個人的には3までで充分!!って思ってますが。

shit_headさんは2と3に結構厳しい評価をしてるみたいですね。笑。
自分は意外と好きだったりしますよ。
辻褄を合わせること自体好きなんですよね。

殺し方のバリエーション、、、今回はネタ切れっぽかったですね。
1とかだとよくこんな殺し方を考えたなぁと感心したものですが、4はそこまで捻ったものはありませんでした。
見所がないかというとそういうわけでもなくて、冒頭のジグソウ検体シーンなどリアルすぎて笑っちゃうぐらいで、、、でも冒頭のシーンが一番の見所というのも映画として何か間違ってるという気がしないでもありません。笑。

レニー・ハーリン、一時期はアクション映画監督としてかなり期待されていましたねぇ、、、今ではビデオスルー作品でその名前を見かけるだけになってしまいました。
『ダイハード2』はまだしも面白かったような気がしますが。。。

『SAW』シリーズと『ファイナル・デスティネーション』シリーズも買い揃えるんですか!
shit_headさんの収集欲はとどまるところを知らないですね。笑。
自分も今月の給料が出たら『ボーン・アイデンティティー』と『ボーン・スプレマシー』の二作は買うつもりです。
どちらも¥1500で販売されていることを知ったからですけどね。
いつになったら自分のDVDライブラリーは充実するんでしょうか・・・。
返信する
未公開 (小夏)
2007-11-19 10:26:21
なんですよ・・・、我が家の方では。(;_;)


けど、あれを大画面で観るのはさすがの小夏さんもしんどそうだし、個人的にジグソウのメッセージひとつひとつに感動しまくっていた私としては、“ジグソウの出ない「SAW」なんて・・・”って気分ですよ(登場ゼロって訳でもないようですが)。
なので、WOWOW待ち(DVD待ち)ってことで充分です。(←強がってます)
返信する
Unknown (shit_head)
2007-11-19 20:27:56
ハーリンの愛すべきバカが、当時の奥さんジーナ・デイビス使ってブチかましたバカにも程がある超絶アクション「ロング・キス・グッドナイト」が来月廉価版で登場です。

脚本はシェーン・ブラック(「リーサル・ウェポン」「ラスト・ボーイスカウト」「キスキス、バンバン」)。

スバらしいですよ。
コレ。
安くなるのひそかに待っていたんです。

同時に黒澤さんの「用心棒」をハリウッド・リメイクしたブルリおやじの「ラストマン・スタンディング」も廉価化。

一緒に予約しました。

だけど、ヴァルキルとマーロン・ブランド共演のヘンテコ映画「D.N.A.ドクターモローの島」だけはどーしても予約できませんでした。
ごめんなさい。(笑)

「ボーン」シリーズが1500円ですか!!
知りませんでした。
お買い得じゃないですね。
買いましょう。

でも、きっとこのシリーズもいずれ三作まとめてパック化されますよ。
その時まで待てないですよね?
いーんです。
買っちゃいましょう!!
返信する
コメント、感謝です。 (せぷ)
2007-11-19 22:27:43
小夏さん、shit_headさん、コメント、感謝です。

>小夏さん
『SAW4』、小夏さんの住んでるところでは公開されないんですか。
shit_headさんも同じことを嘆いていましたよ。
東京や大阪には比べようもないですけど、つくづく自分は映画鑑賞環境に恵まれてるなぁと思います。

>あれを大画面で観るのはさすがの小夏さんもしんどそう
小夏さんはホラー映画を劇場で観るのが苦手なのですか?
んー、ホラー映画に関しては自分は真逆ですね。
家でたった一人でホラー映画を見る、ということに耐えられないです。
劇場ならどんなに怖い映画であっても周りに人がいるので安心して観ることが出来ます。
結局家で誰かと一緒に見るのが一番いいんですけど、一緒にホラー映画を見てくれる、その誰かがいないですから。涙。

本文では『SAW』は衝撃的な結末だけの映画だ、みたいなことを書いてしまいましたが、ジグソウの、命の大切さを説く殺人鬼というキャラクターも画期的ですよね。
でもだからこそジグソウの後継者がジグソウの理念を引き継いでいないということが問題だと思うんです。

>shit_headさん
『ロング・キス・グッドバイ』の廉価版を待ちわびていたのはきっとshit_headさんだけですよ。笑。
このことをジーナ・デイビスが聞いたら感激して涙を流すに違いありません。
もし彼女に会うことがあったらshit_headさんのことを必ず伝えますね(会わないっつーの!)。

そのさすがのshit_headさん『D.N.A』は予約できませんでしたか。
まぁあれは「どーにもなんないあれだけは」の略ですから仕方ないですよ(上手い!自画自賛。)。

『ボーン・アイデンティティー』と『ボーン・スプレマシー』、コンビニで発売中のものが今だけ1500円らしいです。
1500円なら買いかなぁと思っているところです。
2000円を超えると急速に購買意欲が失せてしまいます。笑。
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