この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

設定的には受け入れがたいが、物語的には面白かった『LOGAN/ローガン』。

2017-06-03 23:19:52 | 新作映画
 ヒュー・ジャックマン主演、ジェームズ・マンゴールド主演、『LOGAN/ローガン』、6/3、Tジョイ博多にて鑑賞。2017年21本目。


 『X-MEN』シリーズ最新作『LOGAN/ローガン』を観てきました。
 設定的にはいろいろ受け入れがたいものもありましたが、物語的にはそれなりに面白かったです。
 
 設定的にいろいろ受け入れがたいというのは、まず最初に登場するミュータントですね。『X-MEN』シリーズ前作の『X-MEN:アポカリプス」では主要登場人物だけで10名以上のミュータントが出てくるんですよ。
 けれど本作はミュータントが絶滅しかかった近未来が舞台で、最初ミュータントは三人しか出てきません。
 あれだけうじゃうじゃいたミュータントが三人しかいない、というのはすぐには受け入れられないです。
 一応作中で「新たなミュータントはもう何年も生まれていない…」というような台詞があるのですが、「新たなミュータントが生まれてこない」=「これまでいたミュータントがいなくなる」ことではないので、三人しかミュータントがいないのは考えてみればすごく変です。

 仮にミュータントだけが罹る流行り病があってミュータントだけが死んだとしても、残った三人のうちにプロフェッサーXがいるのはやっぱり変です。
 もっと体力自慢のミュータントがいくらでもいましたよね。ジジィのプロフェッサーXが生き残って、体力自慢のミュータントが先に死んだ、というのはちょっと考えにくいですからね。

 ただ、そこら辺の設定の無理矢理さに目をつぶれば、本作は物語的にそれなりに面白いです。
 何しろ命の尽きかけた男が娘のために最後の戦いに挑む、というお話ですから、観ていて熱くならないわけがない。

 まぁ設定的にはどこまでもぬるくて、ミュータントの子どもたちが国境さえ越えれば安住の地を得られると言っているのは、ミュータントの捕縛のために手段を選ばない追跡隊が国境を越えられてしまったぐらいで追跡を諦めるとは到底思えませんでした。そこら辺が作品の世界に完全に没頭できない理由となってしまいましたが、自分みたいに重箱の隅をつつかずにはいられない人間でなければ、『LOGAN/ローガン』は古き西部劇を思い起こさせる格調高い作品なので、多少残酷描写はありますが、老若男女にお薦め出来る作品です。
 


 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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