この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

スピルバーグの最高傑作だと思った『ブリッジ・オブ・スパイ』。

2016-01-10 23:58:54 | 新作映画
 スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演、『ブリッジ・オブ・スパイ』、1/9、TOHOシネマズ天神にて鑑賞。2016年3本目。


 そんなこんなで正月早々つまんねー映画を観たな~と思ったのですが、これでもし次の映画までつまんなかったら、今年は映画を観るのは控えようかなってことになるわけです。
 が、幸いそういうことにはならなかったです。
 『クリムゾン・ピーク』の次に観た『ブリッジ・オブ・スパイ』は素晴らしかったです。

 スピルバーグが偉大な映画監督であるということに異を唱える気はないのですが、個人的にスピルバーグ作品を面白いと思ったことはありませんでした。
 すべてのスピルバーグ作品を見ているわけではありませんが、見た作品をざっと挙げていくと、『E.T』、『プライベート・ライアン』、『A.I』、『マイノリティ・リポート』、『ターミナル』、『宇宙戦争』etc、どれも正直ピンと来ませんでした。
 スピルバーグとはそういう関係が続いていくのだろうなって思ってました。まぁここまでベテランの作家に対する自分の評価ががらりと変わることもないだろうと思ってましたからね。
 それが違いましたね。
 『ブリッジ・オブ・スパイ』を観て、さすがはスビルバークだなと彼のことを見直しました(見直すというのもおこがましいのですが)。

 『ブリッジ・オブ・スパイ』、すべてが素晴らしかったので、何から取り上げるべきかよくわからないのですが、とりあえず実話を元にした重厚なストーリーもよかったですね。
 冷戦下のアメリカで、そして東ドイツで、そんな奇想天外な出来事が起きていたなんて!まずそのことに驚かされます。
 作中のそこはかとないユーモアには一度ならずクスリと笑わされました。
 トム・ハンクス扮する実直な弁護士ドノヴァンはいくつかの不可能事と思えるミッションをやり遂げるのに、唯一こなせなかったミッションが奥さんから頼まれたお使いだったというのは笑えますよね。
 俳優陣の演技も、冷戦時代の東ドイツを完璧に再現した美術も本当に素晴らしかったです。
 鑑賞後の余韻も本当によい作品で、『クリムゾン・ピーク』が本編終了後、よーやく終わった!という感じだったのに比べ、本作はいつまでもその作品の世界に浸っていたいと思わせました。
 何だか表面的な事柄への評価だけに終始し、この映画の持つ本質、人間の持つ実直さ、尊厳、信念、そういったことを語るのは今はまだ出来そうにありません。

 よい映画を観ました。
 2016年も多くの映画を観たいと思います。


 お気に入り度★★★★☆、お薦め度★★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。 
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