言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。
<川柳マガジン3月号 掲載句>
明るい色で描く未来図
(十四字詩「明」五十嵐淳隆選・佳作)
いちねんをこれから詰めてゆく手帳
(全国誌上句会「雑詠」 浜 知子選・佳作
水野奈江子選・佳作)
できること探し続けている両手
(川柳霜月賞「手」こはらとしこ選・秀逸)
手を出さず見守るという愛もある
(川柳霜月賞「手」相田柳峰選・佳作)
たくさんの傷を抱えた優しい手
(川柳霜月賞「手」新家完司選・佳作)
つなぐ手も拒絶する手も人は持つ
(川柳霜月賞「手」鈴木順子選・佳作)
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<鈴鹿インターネット句会・2月>
「譲る」
(平井美智子・西山竹里共選)
お互いに譲歩している気の夫婦
(西山竹里選)
私が、いいなあ!と思ったのは
譲られた訳を深読みしてしまう 北田のりこ
私が譲った人が咲いている 佐藤ちなみ
かるがもの親子に譲る交差点 古都
譲っている内にわたしの席がない こやまひろこ
譲り合いすればまあるくなれる星 圦山 繁
少しずつ譲る記憶のあるうちに 深谷江利子
譲れないものを譲れる歳になる 城崎れい
です。
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<すずか路>
ワルグチを言うときなぜかみな元気
毒を吐きオンナが浄化されてゆく
そうねとは言わず黙って聞くはなし
今はもう笑いばなしになった傷
デトックス身軽になった帰り道
<課題句>
「挟む」(橋倉久美子選)
サンドイッチに挟む具いつもあり合わせ
肉挟みグレードアップした茄子
「酒」(芦田敬子、樋口りゑ共選)
こんなにも酒が恋しい休肝日
(芦田敬子選、樋口りゑ選)
<自由吟> (𠮷崎柳歩選)
窓ガラス拭けば景色が澄んでゆく
<誌上互選>
「賭ける」
新薬に賭けて病の治癒めざす(6点)
命がけで産んだ我が子に背かれる(2点)
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<近詠>
蕎麦すすりうさぎ見送る年の暮れ
かろやかにまたねと跳ねて去るうさぎ
龍の背で平和が届きますように
老犬もカートに乗せて初詣
<12月号(11月句会吟)から推薦句>
空の青わずらいひとつ溶けてゆく
(彦坂直政 推薦)
<1月句会・課題句>
「寅」(波多野律子選)
寅さんが愛されていたよき昭和
眠れないままに迎える寅の刻
「囲む」(佐藤恭子選)
はつはるの予定を花マルで囲む
鍋囲み家族のまるい和ができる
母囲み笑う家族がいたむかし
「先輩」(寺部水川選)
憧れの先輩を目で追うコート
<「各・地・句・報」秀吟200句>
まだ浅瀬ここから恋は深くなる
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<川柳マガジン2月号 掲載句>
毒のない顔でキノコが生えている
(笑いのある川柳 橋倉久美子選・佳作)
家族鍋部屋も絆もあたためる
(有季川柳 矢倉五月選・佳作)
蒸されても黙って耐えている地球
(マガジンクラブ誌上句会「蒸す」
荒砂和彦選・70秀)
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